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[レポート]「4月14日週の外国為替市場分析」(1)

2008年04月16日 15:05更新 前の記事 次の記事  コラム・外国為替一覧
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出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2008年4月14日付」より

●先週の概況●
シンガポール当局の金融引き締めや米GEの決算悪化見通し受け、週後半からリスク回避の動きが加速しドル/円が100円台へ反落

 先週4月7日月曜日は前週の米雇用統計が悪化したにもかかわらず市場のリスク許容度は低下せず、朝方からドルの買い戻しが加速し、ドル/円が102円台を回復。クロス円もオセアニア通貨を中心に堅調に推移、豪ドル/円が95円をつけ、ユーロ/円も161円台へ急伸しました。
 週明けの東京時間は前週末の米雇用統計の悪化を受けて弱い地合いが予想されていましたが、ドル/円は101.60円前後で寄り付くと底堅い値動きとなり、新年度での外貨需要などを受け午前からドル買いが活発化。ドル/円は、102円台を回復すると102円半ばまで一気に上昇。アジア株価が大幅高となるなか、ユーロ/円が再び160円に乗せ、豪ドル/円も2月貿易収支の赤字幅が拡大したものの影響は限定的で94円台へ上昇するなどクロス円も堅調な展開に。ドル/円は夕方に102.84円まで高値を更新するも、前週も抑えられた103円手前で伸び悩み、その後は102円半ばでもみ合いとなりました。一方ユーロ/円はロンドン時間も強含みの展開が続き、前週安値を越えて161.30円台まで上値を拡大しました。特にオセアニア通貨の強さが目立ち、豪ドル/円が3月14日以来の95円台をつけた他、NZドル/円がNY時間にかけて朝方から2円近く高い82円手前へ上昇。一方でカナダ2月建設許可の下振れを受け、加ドル/円は102円前後から反落し101円手前まで下落しました。NY時間はダウが100ドル高となる場面があったものの、引けにかけて上げ幅を縮小したためドル/円・クロス円とも上値の重い展開に。ただドル/円は102.50円近辺の水準を維持して引けました。

 8日火曜日は東京時間から夕方にかけて円買いが先行したものの、ロンドン市場中盤からドル/円・クロス円とも持ち直す動きとなり、FOMC議事録のハト派的内容にも下押しは限定的。ドル/円は一時102円を割り込むも、NY終盤には102円後半へ反発し高値水準を維持しました。
 東京時間は前日NY時間の軟調な地合いを引き継ぎ、ドル/円が102円前半へ徐々に下値を切り下げる展開に。日経を始めアジア株も軟調に推移し、クロス円も午後にかけて上値の重い値動きとなりました。そのなかでユーロ/円が午前にストップロスをつけて1月11日以来の高値161.69円を示現するも、高値更新後は他のクロス円と同様に売り優勢となり、夕方には161円割れへ。またポンド/円は10日の利下げ観測が強まるなか、この日発表された英住宅指標が大幅な悪化を示したことから、夕方以降急速に下値を拡大し、同日高値から2円以上安い201円台へ急落。ポンド/円の下落を受けて他の通貨もつれ安となり、ドル/円が102円を割って101.74円まで下落した他、ユーロ/円も160.45円まで安値を更新しました。欧州序盤には円買いが一服し、ドル/円が102円へ反発し、クロス円も以降は戻りを試す展開に。NY時間は米2月中古住宅販売保留の弱い結果にも市場は反応薄で、ドル/円が対欧州通貨でのドル買いに支えられ102.67円まで同日高値を更新。下落して始まったNYダウが中盤下げ幅を縮小すると、前日から強き相場の続くオセアニア通貨が特に上げ幅を拡大し、豪ドル/円が前日高値を越えて95円台へ再び上昇、またNZドル/円もNY引け際に82円台へ到達しました。しかしNY中盤以降ダウが米貯蓄金融機関ワシントン・ミューチュアルの赤字決算見通しを嫌気して軟調に推移し、3月18日分のFOMC議事録で前週のバーナンキFRB議長発言と同様、米経済の後退リスクについて言及があり、経済見通しも大幅に下方修正されたことからドル/円が102.20円台へ下落。ただハト派的な議事録の内容にもダウが小幅安にとどまったことや、下値でのドル買い需要に支えられドル/円は引けにかけて102円後半へ反発、ユーロ/円も161円台を回復しました。一方ポンド/円は夕方以降の上値の重い展開が続き、202円前後で伸び悩みました。

 9日水曜日はドル/円が3営業日ぶりに反落、一時101円半ばまで下落しました。クロス円もドル/円の下落や軟調な株価の影響で大幅安となるものの、そのなかでユーロ/円・スイスフラン/円は対ドルでの上昇に支えられ下落は限定的でした。
 東京時間は米シティグループがレバレッジローン債権を売却との報道を受けて、朝方からドル買いが活発化。ドル/円は102.82円まで同日高値を更新も、その後は輸出勢の売りに上値を押さえられ軟調な地合いに。また日銀はこの日の金融政策決定会合で政策金利を0.50%に据え置いたものの予想通りの結果に市場は反応薄でした。前日のFOMC議事録で米景気の後退入りの可能性が改めて示唆されたことから、アジア株は総じて軟調な展開が続き、日経が午後に入って一時下げ幅を200円以上に広げると、クロス円もつれ安となりユーロ/円が161円を割り込んだ他、豪ドル/円が午後に入って95円割れへ。次期日銀総裁への昇格が決まった白川前副総裁の会見では特に材料視される発言が出ませんでしたが、夕方以降、欧州株やダウ先物の底堅い値動きを示すと102.10円台で下げ渋っていたドル/円が急反発し102.70円台へ上昇、市場で買い戻しが優勢になりました。ユーロ/円も午前の高値をわずかに上回る161.46円をつけ、ポンド/円は強い英2月鉱工業生産を受けて202円台へ切り返し、8日急落後の高値を202.56円まで更新。しかしNY時間に買い戻しが一服すると再び軟調な値動きになり、国際通貨基金(IMF)による米経済見通しの下方修正や原油相場の上昇を嫌気してNYダウが下げ幅を広げ、さらにユーロ/ドルがストップロスを誘発して急騰し、欧州通貨主導でドル売りが進行。ドル/円は102円を一気に割り込み、その後8日安値も下抜け101.48円の安値を示現。クロス円もドル/円につれ安となり、ユーロ/円が161円割れとなった他、ポンド/円が200円半ばまで急落、豪ドル/円も94円前半へ大幅安となりました。NY中盤ドル売りが一巡しドル/円が101.86円まで戻すも、ダウが米投資銀行メリルリンチの巨額の評価損観測などを受けて一時100ドル安となり、株価軟調のなか反発も限定的。その一方ポンド/円を除いて欧州通貨は底堅く、ユーロ/円は対ドルでの上昇に支えられ161円前後で推移。またスイスフラン/円はNY時間堅調で昨年7月13日高値101.82円に迫る101.79円をつける場面がありました。

 10日木曜日はシンガポール当局の金融引き締め報道を受けて円全面高となりドル/円が100円前後まで急落。またBOEは0.25%利下げしポンド/円が198円台へ下押し。ECBは据え置きとするもユーロ動向に懸念を表明し、ユーロが対ドルで急落。ドル/円はG7イベントを控えた持ち高調整のドル買いやダウの反発を受けて102円台へ急反発し、クロス円も結局行って来いとなり大荒れの展開が続きました。
 東京市場は午前から大荒れの展開で、前月比で大幅マイナスとなった本邦2月機械受注を受けて日経が序盤から200円以上下落し、さらにシンガポール通貨当局がシンガポールドル(SGD)の対ドル変動幅の上限を引き上げると発表したことから、アジア通貨高の連想で円が急騰、ドル/円が101円前半へ急落しました。ユーロ/円も161円前後から160円前半へ反落した他、ポンド/円も200円割れとなるなどクロス円も全面円高に。一方豪ドル/円は豪3月新規雇用者数の市場予想を上回る増加を受けて、朝方の下落分を一時的に取り戻す動きとなるも、午後にかけて断続的に続いた円高圧力に押され、その後は他のクロス円と同様軟調に推移。ドル/円はいったん101円前半で踏みとどまるものの、昼過ぎに101円を割り込むと夕方には100円前半へ一気に下げ幅を拡大。ユーロ/円も3日ぶりに160円割れとなり、ポンド/円は若干赤字額を縮小した英2月貿易収支に対する反応は薄く、イングランド銀行(BOE)が政策金利を大方の予想通り0.25%引き下げ5.00%とすると、198.05円まで安値を更新。ポンド/円の下落につれてドル/円も先週1日以来の安値100.01円を示現しました。また欧州中央銀行(ECB)は政策金利を4.00%に据え置きとし、トリシェECB総裁が会見で「中期的な物価安定に上向きリスク」「インフレ期待の抑制が最優先事項」とインフレ警戒姿勢を強調しましたが、経済の先行き見通しに下振れリスクがあると指摘した他、「為替相場の過度な変動は遺憾」と述べたことからユーロが軟調な値動きに。その後ユーロ/ドルがストップロスを行使して急激に下げ幅を拡大すると、ユーロ/円もつれ安となって159円を一時割り込み158.78円まで安値を更新。一方ドル/円は強弱まちまちとなった米貿易収支と新規失業保険申請件数への反応は限られたものの、100円割れトライに失敗したことや、NYダウが米小売大手ウォルマートの収益見通し改善を受けて反発に転じたことから、NY序盤ドルのショートカバーが優勢となり、ドル/円は100円半ばから急反発して101円を突破、その後102円をタッチするまで上昇し同日高値102.03円をつけました。急速なリスク志向の強まりを受けてクロス円も軒並み安値圏から切り返し、ユーロ/円が160円台を回復した他、豪ドル/円が93円半ばから95円前後へ急反発。ポンド/円も200円の大台へ復帰し、午前以降の下げ幅を相殺する展開に。

 週末11日金曜日は夕方までG7待ちのこう着した値動きが続いていましたが、米GEの決算悪化観測が報じられ株価が急落したため、リスク回避の円買いが幅広く持ち込まれドル/円・クロス円が大幅反落。ドル/円は100円半ばまで売り込まれ、ユーロ/円も前日に続いて160円割れとなりました。
 東京時間は前日の株高・円安の流れを受けてアジア株が堅調に推移、日経が300円高となるも、為替市場はイベントリスクを警戒した神経質な取引が続き、ドル/円は102円をはさんで上下動する展開。一方ユーロ/円は朝方まで160円台でやや荒っぽい値動きが続くも、午後にかけてユーロ/ドルの買い戻しにつれて161円台へ上昇、161.34円まで同日高値を更新しました。しかしロンドン時間に入って米複合企業ゼネラル・エレクトリック社(GE)決算見通しの下方修正をきっかけに欧州株、ダウ先物が急落し、ドル/円・クロス円も株価に連動して下落。ドル/円が101円割れとなった他、ユーロ/円が161円前後から1円以上値を下げ159円台へ大幅安となりました。またポンド/円も高値から2円以上下落し200円を割り込み、豪ドル/円も95円前後から93円後半へ下落しました。その後ダウが100ドル以上安く始まり、ミシガン大学消費者信頼感指数も予想以上の悪化を示したことからNY時間も引き続き上値の重い展開となり、ドル/円が100.63円まで下値を拡大した他、ポンド/円が198円台へ下落。ウェーバー独連銀総裁が「ECBに利上げ余地はまったくない」とタカ派的発言を行うも、ユーロ/円はその後も安値をじりじりと更新して159.33円まで安値を更新しました。ただNY中盤以降になると円買いが落ち着きを見せ、ダウが引けにかけて下げ幅を200ドル以上に拡大したにもかかわらず下押しは限定的で、ドル/円・クロス円とも安値圏でもみ合う展開に。結局ドル/円は安値から若干戻し、前週比73銭安の100.85円で取引を終了しました。

なお他の通貨の先週終値は

ユーロ/円159.61円(前週比0.19円安)
ポンド/円198.86円(前週比3.55円安)
豪ドル/円93.67円(前週比0.06円安)
NZドル/円80.06円(前週比0.03円高)
加ドル/円98.52円(前週比2.09円安)
スイスフラン/円100.76円(前週比0.20円安)となっています。


●先週の主な要人発言

4月7日(月)
リープシャー・オーストリア中銀総裁
「現在の物価上昇が強すぎる」

ユンケル・ユーログループ議長
「過度な為替変動は経済へ悪影響」

ポールソン米財務長官
「米経済が劇的に減速したことは疑いようがない」

4月8日(火)
FOMC議事録
「FRBスタッフは経済見通しを大幅に下方修正した」
「米経済がマイナス成長となる可能性がある」
「インフレ圧力は強まったが、今後数四半期で鈍化する見込み」

4月9日(水)
ボラートNZ準備銀行(RBNZ)総裁
「今年のNZ経済成長は著しく減速」

白川新日銀総裁
「世界経済の下振れリスクが高まっている」
「自分は立場的に、タカ派もハト派も違和感がある」

フィッシャー・ダラス連銀総裁
「住宅市場は依然として底打ちせず」

4月10日(木)
ユンケル・ユーログループ議長
「欧州は長期的なユーロ高を受け入れられない」

イングランド銀行(BOE)
「中期的なインフレリスクの状況が利下げを正当化」
「インフレは年内上昇も、再び低下する見込み」

トリシェECB総裁
「最近の経済指標は短期的なインフレ圧力を示す」
「インフレ期待の抑制が最優先課題」
「経済の先行き見通しに下振れリスクがみられる」
「全会一致で据え置きを決定」
「過度の為替変動は遺憾」

4月11日(金)
ウェーバー独連銀総裁
「ECBの利下げ余地は全くない」

シュタインブリュック独財務相
「ユーロ高が欧州輸出企業に打撃を与える恐れ」

4月12日(土)
ワシントンG7声明
「前回2月会合以来、主要通貨で急激な変動があり、経済・金融に与える影響を懸念」


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