ホーム > コラム > 国内 > 人事・組織戦略 > [コラム]多様な側面から取り組める『ダイバーシティ推進』の醍醐味

[コラム]多様な側面から取り組める『ダイバーシティ推進』の醍醐味

2008年04月17日 02:01更新 前の記事 次の記事  コラム・人事・組織戦略一覧
記事を印刷する 記事をメールで送信する
ソーシャルブックマークに登録:Yahoo!ブックマークに登録Choixに投稿はてなに投稿BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマークlivedoorクリップに投稿CoRichに投稿

出展:みずほ情報総研ホームページ(http://www.mizuho-ir.co.jp/)「コラム/みずほ情報総研(株) ダイバーシティ推進PT 水上朋子 2008年4月15日付」より

■新聞報道にみる「ダイバーシティ」の浸透

最近、ダイバーシティという言葉を見聞きする機会が増えてきている。2007年度に全国紙の新聞記事で「ダイバーシティ」という言葉が掲載されたのは、42件。5年前の02年度にはわずか3件で、しかもそのうち1件は携帯電話や無線LANなど移動体無線通信で利用されている「ダイバーシティアンテナ」の話題であったことも考えると、ゆっくりとではあるものの、ダイバーシティという言葉が世の中に浸透しつつあることを実感する。

もう少し新聞記事を掘り下げてみると、02年度には新しいマネジメント手法としてダイバーシティの理念(外見上や内面的な違いなどにこだわらず、多様な人材を活用し、最大限の能力を発揮させようという考え方)が解説記事などで紹介されているだけであったが、03年度には日本の大手自動車メーカーにおけるプロジェクト名として、また、経営者団体における委員会の名称として「女性」というワードが入れられ、これまで男性中心であった日本企業において、ダイバーシティの中でも、とりわけ「性別の違い」を活かすことに取り組む事例が報道されている。その後、04年度には記事中で登場する企業名が増え、先進的企業を中心として「女性活躍推進」に取り組む専門組織を社内に設置する事例が紹介されている。

05年度になると、女性社員採用数、女性管理職数などの数値目標が目立ちはじめたほか、女性の管理職登用、あるいは仕事と家庭の両立支援策の拡充といった施策レベルの話題が増えている。

さらに06年度には、女性に限らず男性も含めた多様な人材の活性化を進めていくため「女性活躍推進」と銘打った専門組織を「ダイバーシティ」へ改称する動きが増えるとともに、企業と家庭の相互理解を深めるための子ども参観日の開催、あるいは社員や外部識者が一堂に会してのセミナーなど、「社員参加型」の施策が実施される事例の紹介も増えている。そして、07年度にはワークライフバランス(仕事と生活の調和)という考え方も普及し、長時間労働の見直しやライフスタイルに合わせた多様な働き方への取り組みなど、働き方の多様性にも注目が集まるようになり、様々な切り口からのダイバーシティが取り上げられつつある。

■多様な声から学ぶこと

このように、「女性活躍推進」から始まった日本企業におけるダイバーシティ推進への取り組みの裾野が広がるなかで、従来型の働き方を前提としている職場での戸惑いも報道されている。これは、決して逆風ではなく、「やってみて初めて分かること」へと、話題の中心がシフトしつつあるということだろう。

翻って、当社に目を向けてみると、新聞報道に見るダイバーシティの浸透と同様に、05年に〈みずほ〉グループ全体の取り組みと歩調を合わせる形で「女性活躍推進」に向けた取り組みを開始し、07年度にはダイバーシティへの取り組みとして、各種制度見直しを実施するとともに、ダイバーシティに関する社内セミナーを開催している。

筆者もセミナーを主催するなかで、新たな気づきを得ることが決して少なくない。「女性活躍推進」と銘打ったセミナーだと男性社員の出席率が低くなるのではないか、役員や上司がいる会場内でフリーディスカッションをしてもフロアからの生の声が聞けないのではないか、業務時間内に開催しても社員が集まらないのではないか――これらはいずれも、良い意味で予想が裏切られている例である。実際にセミナーではマイクを握りしめ、口早に仕事と育児の両立について悩みと要望を語った社員もいた。その姿を、運営側の立場を忘れて小気味良い気持ちで見ながら、会社が色々と手を尽くして説明するよりも、渦中にある社員本人の率直な気持ちを話すことの方が一番訴えかけるものがあることを痛感し、この取り組みを全社員に伝えていく難しさを感じたのも事実である。

同様に参加者アンケートの結果から、「女性活躍推進」に会社が取り組むことへの期待感が寄せられる一方、当事者である女性社員から「これまでも男女の区別など意識せずに仕事をしてきており、『女性活躍推進』と銘打った施策の展開は女性への逆差別ではないか」、「女性が活躍できていないと感じたことはない」など良い意味で予想を裏切るコメントが返ってくることもある。当たり前の話ではあるが、一口に「女性」といっても個々人の考え方・価値観は多様であることを改めて実感しており、様々な側面から考えることができる「ダイバーシティ」という取り組みの難しさを感じている。

当社では08年4月からダイバーシティ推進PTが本格的に始動している。しかし「多様性」が命題である以上、限られたスタッフが企画者側からの視点だけで考えていては、ブレークスルーできないと感じている。様々な立場にある社員の声から学ぶこと、社内外の識者から学ぶこと、その重要性を受け止めて、より多くの声が集まる仕組みづくりを続けていきたい。そう、複数のアンテナでよりよい信号を受信する「ダイバーシティアンテナ」のように。

○投票 ×投票
Powered by newsing

最新記事コラム最新記事

PR
コラムの記事をもっと探す

この記事のトラックバック(1)

  • みずほ情報総研のレポートから。 http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080417/18775.html ダイバーシティマネジメントという考え方が2003年ごろから少しずつ浸透し始め、多くの企業で推進への取組みが行われてきた経緯がわかりやすくまとめられています。 当社では08年4 (プロフェッショナルへの道)
  • この記事のトラックバックURL(承認制のため、掲載されるまでしばらく時間がかかります。) :
求人検索サービス提供中
Webサービス
arr [リリース掲載・配信] 900媒体以上へリリース配信
arr [ネットショップ] 0円から開業の安心ネットショップ
arr [ホームページ制作] 見積無料、中小企業のHP制作
arr [テンプレート] 美しいHPテンプレートの格安販売
メールマガジン配信中
人気TOP10ニュース
 
track feed なかのひと