中国の緊縮的貨幣政策:企業経営モデル転換、産業構造再編を促す
先週、中国社会科学院工業経済研究所投資・市場研究室主任である曹建海氏は、緊縮的貨幣政策の実施をはじめとする、中国マクロ経済コントロール政策の実施によって、中国製造業などに及ぼす影響についての報告を発表した。
一、製造業への影響について
曹建海氏は、「現在、貸付の緊縮政策の実施や、環境保護基準の強化に加え、貿易における還付金の調整、また原材料、労働力などコストの上昇問題が存在しており、そのため中・小企業をはじめとする中国製造業はさらに苦境に陥る」との見解を示した。
曹建海氏はまた、「これら政策の実施は今後、長期にわたって、中国製造業における大幅な損失を呼び起こす。このような状況で、企業は操業停止や、経営モデルの転換、産業グレードアップを含む産業構造の調整に追われる」と見込んでいる。
また、中央政府は製造業、とりわけ、ハイテク技術を有する製造企業を対象に、今後産業援助貸付政策など、貸付優遇対策を実施するように銀行、各地方政府に指示しているとのこと。
二、重化学工業への影響について
近年、鉄鋼、電気分解アルミニウム、鉄合金、コークス、カーバイド、銅などのエネルギー消耗量が大きく、また汚染度の高い産業において、生産過剰となりつつあるという。
曹建海氏は、「今後、政府による厳しい環境保護基準の制定や、不動産投資の制限、輸出還付税率の下方調整などが実施されれば、これら企業の生産過剰にさらに拍車をかけることになる」と見ている。
「今後、銀行側の重化学工業分野における貸付割当金額は徐々に減少し、さらに割当される貸付金額のうち、生産能力拡大への発行が厳しく制限される。一方、商品開発や、技術革新、省エネなどへの貸付発行は増加していく」と予測した。
三、不動産への影響について
近年、中国の不動産企業は中国国内総生産(GDP)を大きく牽引してきた。しかし、現在株式上場を果たした不動産企業の業績報告書では、大多数の不動産企業が資金繰りに難航していることが明らかとなっている。
曹建海氏は今後、「貸付返済のため、不動産企業間で土地の譲渡や、企業の合併などが行われる。また、資金回収のため、大幅な不動産の値下がり可能性もある。さらに、一部不動産企業は海外資金の導入に取り組むことも考えられる」と指摘している。
「緊縮的貨幣政策が実施されつつあるなか、これまでに、中国経済の発展を大きく支えてきた製造業や、重化学工業、不動産業にとって今後、経営モデルの転換や、産業構造調整など産業のグレードアップが持続的に発展していく唯一の選択になる」との結論に至った。

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