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[レポート]「4月21日週の外国為替市場分析」(1)

2008年04月22日 12:48更新 前の記事 次の記事  コラム・外国為替一覧
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出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株)石井 雅博 2008年4月21日付」より

●先週の概況●
米銀行決算悪化も悪材料出尽くしから株高・円安が進行し、ドル/円が104円台へ急伸

 先週14日月曜日はG7声明でのドル安けん制を受けて、東京市場序盤ドル買いが強まったものの長くは続かず、海外時間に米金融機関の決算悪化が伝わると100円前半へ下落。ただ米小売売上高が強い結果となり、ダウが下げ渋ったためその後反発し、NY時間はクロス円を中心に堅調な展開が続きました。
 前週末の主要先進国財務相・中銀総裁会議(G7)の声明では、為替関連の文言が大幅に書き換えられ、「主要通貨で時として急激な変動があり、経済や金融の安定に与える影響を懸念」との見解が示されました。為替動向への懸念が表明されたのは、2000年9月のチェコ・プラハG7以来、約8年ぶりでG7声明を受けて週明けの為替市場は早朝オセアニア時間からドル買い戻しが優勢に。ドル/円は前週終値より30銭以上高い101.20円台で取引をスタートし、一方ユーロ/円は対ドルで大きく売り込まれた影響で、159円前後へ下落して始まりました。しかし朝方のドル買いも長くは続かず、週末NYダウが250ドル安で引けた軟調な地合いを引き継ぎ日経が400円の大幅安を示すと、ドル/円が昼前には101円を割り込む展開に。また朝方発表されたNZ2月小売売上高が前月マイナスと弱い結果となったためNZドル/円も軟調に始まり79円半ばへじり安で推移、豪ドル/円も昼過ぎに92円台へ下落し7営業日ぶりに92円台へ下落しました。午後に入ってユーロ/円が158.23円まで大きく売られる場面がありましたが、メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁がECBの年内利下げはないとの発言を受けて徐々に買い戻され、ロンドン時間米投資銀行大手ワコビアの決算悪化を受けてユーロが対ドルで急伸すると、ユーロ/円もつれ高となった159円後半へ上昇、一転して堅調な展開に。またポンド/円は英3月生産者物価指数(PPI)が予想を若干下回ったものの下落は限定的で、欧州通貨が対ドルで強含みとなった影響でNY序盤に200円台を回復しました。逆にドル/円は夕方に101円台へ戻していたものの、ワコビア報道を受けて急反落し100.29円まで同日安値を更新。他のクロス円もドル/円につれ安傾向を強めますが、総じて底堅い値動きとなり豪ドル/円は93円前後でもみ合いに。NY時間は米3月小売売上高の総合指数が市場予想を上回る伸びを示したため、市場で再びドル買いが活発化し、ドル/円が101円台へ反発。またNYダウがワコビアの決算を受けても底堅い推移となったため、リスク志向の円売りが強まりユーロ/円を始めクロス円は中盤以降堅調に推移。またドル/円もじり高で推移し101円前半の水準を維持して引けとなりました。

 15日火曜日は海外時間、米金融機関の決算発表を控えてやや円高に振れる場面がありましたが、NY時間米PPIなどの強い米指標を受けて市場でドル買いが加速し、ドル/円が101円後半へ上昇。株価も米企業の好決算を受けて底堅い展開となり、クロス円もNY中盤以降持ち直す展開に。
 東京時間午前はドル/円・クロス円ともじり高基調が続き、ドル/円が101.46円、ユーロ/円が160.49円まで上昇。NZドル/円は朝方に発表された第1四半期・消費者物価指数(CPI)が予想を下回り79円半ばへ下落するも、下落は一時的ですぐに80円台へ反発。また午前に公表された豪州準備銀行(RBA)議事録で「短期的にインフレが高水準を維持するが、時間の経過とともに低下する」との見通しが示されましたが、豪ドル/円への影響は限定的でした。しかし午後に入ると日経を始め株価が伸び悩み、ドル/円も高値後は軟調に転じ夕方には100円割って100.78円まで下落。クロス円も軒並み下げ幅を拡大し、ポンド/円が予想を若干下回った英3月CPIを受けて198円半ばへ下落した他、ユーロ/円も独4月ZEW景況指数が3ヶ月ぶりに悪化を示し159.67円へ軟化。特にNZドル/円の下げが目立ち、80円前後から反落して79.09円まで同日安値を更新しました。しかしロンドン市場中盤にはダウ先物が米信託銀行ステート・ストリートなど米企業決算の強い結果を受けて底堅く推移し円買いも一服。そしてNY入りに発表された米3月生産者物価指数(PPI)とNY連銀製造業景況指数が、いずれも予想を大きく上回る結果を示すと市場でドル買いが加速。続く対米証券投資も前週の貿易収支の赤字額を穴埋めする流入量となったため、ドル/円は101円後半へ大幅反発。一方ダウがNY序盤、スイス大手銀行UBSの人員削減計画やステート・ストリートの評価損拡大予想などの報道を重石に伸び悩んだため、クロス円の反応は加ドル/円を除くと限定的なものにとどまりました。ただNY中盤以降ダウが持ち直したため徐々にリスク志向の円売りが入り、ドル/円が101.80円台まで上値を拡大した他、ユーロ/円が161円をタッチするなど引けにかけて堅調に推移。

 16日水曜日は海外時間からドルがユーロなど主要通貨に対して大きく売り込まれ、ドル/円が100円後半へ急落。しかしその後市場予想を上回る米企業好決算を受けてダウが大幅反発したため、NY時間は円売りが優勢に。ユーロ/円が1月11日以来の162円台へ上昇するなどクロス円が大幅高となり、ドル/円も101円後半へ反発して堅調な地合いを維持して引けました。
 東京時間午前はNY引け後に発表された米半導体製造大手インテルの好決算を受けて、日経が大幅続伸し上げ幅を一時200円以上に拡大しますが、米メリルリンチの追加評価損計上のウワサや、白川日銀総裁が「円は対ユーロでは必ずしも円高傾向ではない」と発言したことが重石となって、ドル/円は朝方つけた101.92円からじり安で推移。一方クロス円はユーロ/円が160円後半でもみ合うなどこう着した展開に。午後もドル/円軟調の動きが続き、海外時間に入ると投機筋の動きが活発化しユーロ/ドルが1.59ドル台へ急騰。他の主要通貨に対してもドルが全面安となりドル/円は101.50円を割ってから下落が加速、トップロスをつけて一気に101円割れへ。一方ユーロ/円は対ドルでの上昇や、強いユーロ圏3月消費者物価指数・確報値を受けて161円台を突破。他のクロス円はドル/円へのつれ安傾向を強めるも下げ幅も限定的で、ほぼ市場の予測内にとどまった米JPモルガン・チェース銀行や米飲料製造大手コカ・コーラ社決算を好感してダウ先物が反発すると、NY時間以降は戻り基調に転じました。米消費者物価指数(CPI)が総合指数、コア指数とも市場の予想通りの伸び率にとどまり、住宅着工件数などの住宅指標が予想を下回ったためドル/円が若干売られたものの、ダウが強めの米企業決算や予測内にとどまったCPIを受けて堅調を維持したため、NY時間は序盤から引けにかけて幅広く円売りが持ち込まれました。ユーロ/円が1月11日高値162.26円を越えて162.40円台まで高値を更新し、ドル/円もドル/円は101.80円台まで反発。また原油在庫の大幅な減少を受けて原油相場が大幅続伸し、資源国通貨の上昇をサポート。豪ドル/円が95円、加ドル/円が101円台まで上値を拡大しました。

 17日木曜日はユーロ/円を中心にリスク志向の円売りが続き、海外時間にユーロ/円が163円台へ上昇。米指標や決算の悪化にもダウが下げ渋ったため、NY引けにかけて堅調な展開が続きました。
 前日のダウ大幅高を受けて東京時間リスク志向の流れが引き継がれ、日経が上げ幅を300円以上拡大。為替市場も円じり安基調が続き、ドル/円が昼過ぎ4日ぶりに102円台を回復、ユーロ/円も162円後半へ堅調に推移しました。午後も小動きながらユーロ/円を中心に上値を切り上げる展開が続き、ロンドン時間にユーロ/ドルが前日高値を越えてきたことを受け163円台へ上昇。またポンド/円もイングランド銀行(BOE)が次週にも英住宅金融対策を行う可能性が報じられ強い伸びを示し、9日以来となる202円台へ。豪ドル/円も3月11日以来の96円へ乗せてきました。注目された米投資銀行メリルリンチの決算は市場予想を下回るものでしたが、同時にコスト削減に向けてリストラ計画を発表したことからダウ先物が好感して反発。さらにユンケル・ユーログループ議長が「市場は先週のG7声明の内容を正しく理解していない」、「ユーロ/ドルの上昇は望ましくない」などと発言したため、ユーロが対ドルで急反落。ドル/円は対ユーロでの上昇に支援され、102円をはさんだもみ合いから上放れし102.71円まで急伸しました。ポンド/円も対ユーロで大幅高となった影響で4月8日以来の204円台へ急伸。しかし米新規失業保険申請件数が前回の水準から大幅な悪化を示したため、NY入りは調整売りが先行。さらにフィラデルフィア連銀景況指数が予想外の悪化を示すとドル/円が102円を割って101.85円まで急落、クロス円もオセアニア通貨を中心につれ安となり、豪ドル/円が95円前半へ下振れしました。また加ドル/円はカナダ3月CPIが弱含んだにもかかわらず発表後102円半ばへ急伸しますが、買いは続かずNY序盤ドル/円の下落につれて101円前後へ急反落しました。ただNYダウが決算悪化や弱い米指標にも底堅く推移し、その後前日比プラス圏へ戻したため、ドル/円・クロス円とも下落は一時的でドル/円はすぐに102円台へ反発。ユーロ/円も再び163円台を回復しました。NY中盤フィッシャー・ダラス連銀総裁が「一段の利下げには躊躇する」と発言するも、株価への影響は限定的でダウが結局小幅続伸で引け、終盤にかけて底堅い展開に。

 先週末18日金曜日はシティグループの決算発表後、悪材料払拭感からドル/円が急騰し104円台へ上げ幅を2円以上拡大。NYダウも200ドル高となり、クロス円も海外時間以降ユーロ/円が164円台へ急伸するなど円売り優勢で推移。しかしNY中盤以降は利益確定の売りに押され、ドル/円は103円後半へ下げて引けとなりました。
 東京時間はロンドン時間に発表されるシティグループの発表待ちのムードが強く、ドル/円は102.20-60円のレンジでこう着した展開が続きました。一方ユーロ/ドルが午後に入って再び1.60ドルを試す動きになったため、ユーロ/円がつれ高となって163円半ばへ上昇。またポンド/円や加ドル/円も上値追い機運が強まり、ポンド/円が205円台へ上昇した他、加ドル/円が前日に続いて102円に乗せる堅調な推移となりました。19:30に発表された米シティグループ決算は2四半期連続で赤字となり、損失額も市場予想を上回ったものの、サブプライム関連の追加評価損が市場予想ほど拡大していなかったことが好感され、発表後市場でドルが急激に買い戻される展開に。ドル/円は発表前の102円前半から104円台へ2円近く吹き上がり2月29日以来の高値水準へ達しました。ドル急騰を受けてユーロ/ドルが大幅反落したものの、ユーロ/円はドル/円の上昇につれて上げ幅を拡大し、12月31日以来の高値164.66円を示現。ポンド/円もまた205円を突破してから上値追いに弾みがつき、3月上旬の持ち合いレンジ上限を一時突破して208.97円まで高値を更新しました。ダウ平均はシティグループ決算を好感して200ドル高で推移しますが、NY中盤以降はドル/円を中心に利益確定の売りが優勢に。ドル/円は104.63円まで高値を更新後、103円後半へ軟化し、結局前週比2.83円高の103.68円で取引を終了しました。

なお他の通貨の先週終値は

ユーロ/円163.90円(前週比4.29円高)
ポンド/円206.82円(前週比7.96円高)
豪ドル/円96.85円(前週比3.18円高)
NZドル/円81.99円(前週比1.93円高)
加ドル/円103.14円(前週比4.62円高)
スイスフラン/円101.74円(前週比0.98円高)となっています。


●先週の主な要人発言

4月14日(月)

ロート・スイス国立銀行(SNB)総裁
「スイス景気に世界経済の下振れリスクが影響」

メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁
「年内に利下げする余地はない」

ノワイエ仏中銀総裁
「ユーロは異常に高く、ドルは異常に安い」

4月15日(火)

豪州準備銀行(RBA)議事録
「短期的にインフレ率が高水準で推移」
「時間の経過とともにインフレ率は低下へ」
「高金利の状況がインフレ緩和に寄与する」

4月16日(水)

白川日銀総裁
「円は必ずしも対ユーロで円高方向に向いていない」

12地区連銀報告書(ベージュブック)
「米経済は2月以降鈍化した」

FRB公定歩合議事録
「景気下振れリスクがかなり残る」
「成長リスクが物価上昇リスクを上回る」
「ダラスなど3地区連銀は金利据え置きを要求」

4月17日(木)

ジョージ・ソロス(著名投資家)
「ユーロは世界の基軸通貨になりえない」

ウェーバー独連銀総裁
「金融市場の混乱が終息するには程遠い状況」

ユンケル・ユーログループ議長
「市場はG7のメッセージを正しく理解していない」
「ユーロ/ドルの上昇は望ましいと考えていない」

フィッシャー・ダラス連銀総裁
「利下げ政策はインフレを招くリスク」

ラッカー・リッチモンド連銀総裁
「インフレ水準は高すぎ、問題視するべき」

4月18日(金)

リープシャー・オーストリア連銀総裁
「利下げの余地はないが、利上げの可能性は排除しない」

プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁
「インフレの加速に対し懸念」


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