[トピックス]ロシア石炭企業、事業展開のチャンス
石油及び天然ガスは、埋蔵量及び産出地域が限定されている。一方、石炭は膨大な埋蔵量があり、比較的採掘が容易な資源である。こうしたことから、現在、石炭関連企業は非常に発展している。
現在、世界の熱力・電力エネルギーのおよそ25%が石炭によって生産されている。世界の石炭埋蔵量は推定9100億トンとされている。現在の採掘ベースを前提に計算した場合の石炭採掘可能年数は、およそ300年である。石炭埋蔵量が多い地域は、アジア(54%)北アメリカ(28%)、ヨーロッパ(9%)に分布しており、アメリカ・中国・ロシア・ドイツに主要産地が集中している。世界の石炭埋蔵量においてロシアが占める割合は、およそ18%である。
現在、世界でもっとも石炭の生産量が多い国は中国である。中国以外の代表的な石炭生産国として挙げられるのは、アメリカ・インド・オーストラリア・南アフリカ・ロシア等である。石炭燃料の最大な消費者は電力業界である。同業界は世界の石炭採掘量の45%を消費する。近年、東南アジア諸国における経済発展によって、電力業界の石炭需要は増加している。また、天然ガスの価格が高騰しているため、天然ガスを燃料とする電力生産施設の一部が、漸次的に石炭を燃料に切替える動きをみせている。
電力業界以外の大きな石炭消費者は、製鉄冶金業界である。製鉄冶金業界においても、石炭に対する需要は伸びる考えられる。国際鉄鋼協会は、2015年、中国における未精錬鉄鋼の生産量を2005年比45%増、ロシアにおける生産量を同年比30%増と予測している。その他、ガス価格高騰のため、多くの製鉄冶金関連企業が、天然ガスをベースとした直接還元製鉄から粉炭を還元剤とした製鉄法に切替える計画を立てている。
投資会社AntantaPioglobalのアナリストは、今後、世界の石炭に対する需要は伸びるだろうと考えている。それは、石炭価格を支える材料となるだろう。
2008年、世界市場におけるコークス炭の価格は著しく上昇しており、それに追随して、一般炭の価格も上昇している。従って、ロシアの石炭企業が、前年ほどではないにせよ、大きな成長を示し、投資家を満足させることは十分に可能だろう。AntantaPioglobalのアナリストによる計算では、石炭業界全体の成長見込みはおよそ45%である。
こうした著しい成長に寄与しているのは、急激な価格高騰である。現在、コークス炭及び一般炭の精鋼価格は、前年の水準を2倍以上も上回っている。こうした傾向は、今後も続くだろう。電力業界及び製鉄冶金業界からの需要が高いことは、石炭価格を支える材料となっている。また、中国における経済発展は、製鉄冶金業界の成長と深く結びついており、コークス炭及び一般炭の需要が伸びることは必至である。
その一方で、石炭企業に事故などの問題が発生したため、2008年は市場で石炭不足の状態になることが懸念される。オーストラリアでは、洪水が発生したために鉱山が浸水し、稼動停止を余儀なくされている。また、南アフリカにおける石炭会社は、電力の供給不足という問題を抱えている。また、2007年、ロシアの鉱山でも、事故が発生したために、石炭供給量が著しく減少したことも忘れてはならない。中国の石炭輸出量が次第に減少していることも、さらなる価格高騰を招いている。
ロシア企業に関しては、国外の同業者と比較して、石炭採掘1トンあたりの原価が低いことに着目したい。原価が低い分、ロシア企業はより魅力的である。原価を抑えられるのは、地表採掘(地上採掘)の大部分が露天掘りで行われているためである。
しかし、リスクに関しても考慮に入れなければならない。リスクの中には、バブル効果と呼べるものがある。石炭価格の高騰はすでに1年以上継続しており、そのテンポも均等ではない。早かれ遅かれ、こうしたバブルははじけるだろうと考えられる。
AntantaPioglobalのアナリストは、石炭価格の急激な下落はないとしている。しかし、今後2-3年のうちに、石炭価格が少し下がることは十分に考えられる。2010-2013年の石炭及び精鋼の価格は、5%の範囲で下落する可能性がある。
長期的な視点からすると、今後起こりうる石炭価格の下落は、石炭企業にとってリスクとなるだろう。従って、石炭企業が事業を展開するにあたって、現在は良い時期である。世界の金融市場が落ち着きを取り戻せば、石炭企業の株価は再び上昇するだろう。石炭企業に必要なのは、前進のみである。現時点で、石炭企業には成長見込みがある。また、ロシアの石炭企業は、世界の同業社と比較して大幅に低く評価されている。

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