[トピックス]ロシア政府、輸出関税を引き上げへ:石油価格の上昇
ロシア財務省税関局の次長であるSakovich氏の発表によると、2008年6月1日から、石油に対する輸出関税を、現在の340.1ドル/1トンから398.1ドル/トンへ引き上げる予定である。ロシア政府は、2008年5月20日までに輸出関税に関する政令を可決し、2008年6月1日より、新たな関税を施行する見通しである。最近2ヶ月間のロシア産Urals石油の平均価格は、102.75ドル/バレルに達した。専門家は、こうした石油価格の高騰に伴って、石油に対する輸出関税が、かつてない水準に引き上げられる可能性を指摘している。Yakovlev&PartnersのアナリストMokhovoy氏は、「輸出関税が400ドル/トンを超えることもあり得る」としている。
現在の輸出関税は、1-2月の石油価格約90ドル/バレルを基に設定されたものである。石油に対する輸出関税は、石油価格の上昇に応じてすぐ追随して上がることはないため、石油関連企業は、石油の輸出から記録的な収入を得ている。また、輸出関税が引き上げられても、石油関連企業の収入は依然高い水準に維持されるとみられる。しかし、モスクワ銀行のアナリストであるVedeneev氏は、輸出関税の引き上げによって、石油関連企業の収益が減少する可能性を指摘する。同氏は、第2四半期に石油市場における価格の下方修正が起きた場合(季節的な需要低下及び今後のドル持ち直しを考慮に入れると、石油価格の下落はあり得る)、石油の輸出から得ていた収益が減少する恐れがあるとしている。第1四半期と同等の収益を維持するためには、第2四半期におけるUrals石油の平均価格が、第1四半期(93.5ドル/バレル)比8-9%増の101-102ドル/バレルになる必要がある。
輸出関税の引き上げは、石油価格の上昇に対応しているため、ロシア国内の石油市場は厳しい状況におかれている。コンサルティング会社2K Audit-Business consultingのデューデリジェンス部部長であるShtok氏は、国内市場に関して、より国外の環境に影響を受けやすくなってきており、そのために、ロシア国内における燃料価格が上昇していると指摘している。同氏は、「ロシア国内の自動車用ガソリン価格は、2007年3月から12.9%上昇していたが、石油価格の最高値更新が続いた4月1日から4月28日までの間、さらに4.5%上昇した」と言及している。
世界的に石油価格の上昇が続いているうちは、ロシア国内における燃料価格も上昇し続けるだろう。輸出関税の導入も燃料価格の上昇を抑制する手立てとはならないだろう。また、石油・ガス関連企業株に関しては、Alfa-BankのアナリストであるBatunin氏によると、関税の引き上げはすでに現在の株価に反映されており、関税の引き上げによる影響はないだろうとしている。同氏は、「輸出関税の引き上げは予測されていたものであり、実行に移されたからといって、変化をもたらすものではない。」と述べている。ロシア政府による輸出関税の見直しは2ヶ月毎に、ロシア産Urals石油価格の動向を基に実施される。そのため、関税の引き上げは予測可能であり、市場にとってニュースとはならない。
投資会社Veles CapitalのアナリストであるLyutyagin氏は、輸出関税の規模を決定する方法に問題点があるとしている。同氏は、「最近、輸出関税の引き上げは、石油の平均販売価格を上回るテンポで実施されている。これは、石油関連企業の財務指標に影響を及ぼすだろう」と言及している。

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