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[トピックス]ロシア政府、電力・ガス料金を引き上げ

2008年05月08日 17:46更新 前の記事 次の記事  ロシア経済・資源・エネルギー一覧
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 ロシア経済貿易発展省の副大臣Klepach氏が発表したところによると、5月6日、ロシア政府は、2009-2011年までの電力・ガス料金、ロシア鉄道運賃、通信料金の引き上げを可決した。来年から、ロシアの個人向け電力・ガス料金は25%引き上げられることになる。

 1年前、ロシア経済貿易発展省は、2010年までの経済開発計画を作成した。その際、上記料金の引き上げが文書化されていたが、それを今回、採択したことになる。投資会社Renaissance capitalのSharipova氏は、「電力料金や鉄道運賃は定期的に引き上げが実施されている。電力・ガス等の供給を一手に担う独占企業による料金引き上げは、消費者に影響を与えるだけでなく、製造業企業のコストを増加させ、多大な影響を及ぼすだろう」と言及している。

 経済貿易発展省副大臣Klepach氏によると、規制下にある事業及び規制を受けていない事業双方ににおける電力料金の年間平均上昇率は、2008年:16.7%、2009年:26%、2010年:22%、2011年:18%となる見込みである。また、個人向け電力料金の引き上げ率は、2008年:14%、2009年:25%、2010年:25%、2011年:25%とされた。投資会社AntantaPioglobalのアナリストであるKornachev氏の考えは、「料金引き上げは、適切である。現在、燃料価格(ガス・石炭)の急激な上昇が注視されている。石炭価格は2006年に予測された価格を上回っている」と指摘する。同氏は、石炭生産者の使用電力料金が上昇しているため、以前の予測と比較すると、大幅な引き上げを実施した今回の料金改定は合理的であるとしている。

 一方、ガスの個人向け価格は、2008年、現行の料金より25%高くなる。2009年に、再び25%引き上げられ、2010年には30%、2011年には40%高くなる。また、ガスの平均卸売価格は、2008年に28.6%引き上げられ、その後、2009年に19.9%、2010年に28%、2011年に40%上昇する見込みである。

 多くの専門家は、電力価格引き上げは当然であるとしても、石油価格の高騰に関する問題に関しては理解しがたいとしている。Renaissance capitalのSharipova氏は、「電力市場の自由化に伴って、電力価格は上昇している。料金の上昇なしに、自由化は望めないだろう。しかし、石油価格の高騰は別問題である。ガスプロムは、大規模な投資計画を進める必要があるのだろう。」と分析している。同氏は、種々の料金を一括して引き上げるのではなく、分野毎に検討する必要があるとしている。

 独占企業の料金引き上げによって、インフレは加速するだろう。AntantaPioglobalのGurudeva氏は、2008年における物価上昇の速度を鈍化させることは不可能であると考えている。同氏は、「これまでの金融政策(ルーブル強化等)は、2008年及び2009年に予見できるインフレに対抗する有効策とはならないだろう。その他の行政的措置(食品価格の据え置き等)に関しても、特に効果は表れていない。従って、行政的な措置もインフレの対応策とはならない」と指摘している。

 また、Renaissance capitalは、料金引き上げがインフレを加速させる材料とはならないという見解を示し、料金引き上げがインフレに及ぼす影響に関しては、インフレ率を2%程押し上げるに止まるだろうとしている。Sharipova氏は、「インフレ率を押し上げるより大きな要因は、食料及び原料価格の高騰である」と指摘する。

 投資銀行TRUSTのマクロ経済分析部のアナリストであるNadorshin氏によると、料金引き上げの大部分は、個人というよりは事業会社に関係していると考えている。同氏によると、一般には、料金上昇と同等のテンポでロシア人の賃金が上がっているため、個人としては、それほど電気・ガス等料金引き上げによる負担を感じないだろう。しかし、電気・ガス等の料金が引き上げられれば、他の製品価格にも影響が出てくる。それは、料金引き上げの直接的な影響よりも大きいだろう。インフレの加速は、状況次第で変わってくる。現在、食肉及び食肉加工品が家計消費に占める割合は10%以上を占めているため、ロシア人がもっとも関心を持っているのは、食肉の価格が今後どのように推移していくかということである。

 また、Renaissance capitalのSharipova氏は、料金の引き上げが及ぼす影響は、個人の生活レベルによって異なる。同氏は、「料金の引き上げによって、もっとも負担を強いられるのは、年金生活者・低所得者である。今回も、社会的弱者が苦しむ構図に変わりはない」と結論している。


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