[トピックス]石油相場・金相場はさらなる上昇傾向に
今後、世界的にインフレ圧力が高いまま推移することが予想される。インフレリスクを高めている要因は、基軸通貨の政策金利引き下げである。こうした中で、限りある資源(石油・ガス・金属・穀物・木材)の価格高騰は加速するだろう。「通貨と原料:高値更新・新潮流」と題したFINAMの会議では、上記のような結論に至った。
NRB銀行のアナリストであるDemyanovich氏は、「製品の生産を制限しているのが拡大可能な生産能力の問題であるとすれば、石油、或いは金属の産地を新たに探索し開発することが必要であろう。しかし、資源には限りがある。また、小麦もどこに蒔いても育つわけではなく、栽培に適した土地がある」と言及する。多くの専門家は、石油価格の高騰は今後も続くだろうとの見方で一致している。今後2-3年で、石油価格が200ドル/バレルに近づくことも、大いにあり得ると予測されている。
短期的な石油相場に関して、FINAMの世界市場分析部部長であるAristakesyan氏は、今後12ヶ月のうちに、150ドル/バレルに達する可能性も否定できないとしている。FINAM Managementの主任アナリストであるOsin氏も、同様の見解を示している。しかし、その一方で、同氏は、2008年後半には石油価格の高騰は減速傾向に入るだろうと予測している。Osin氏は、「原油価格が130ドル/バレルの水準に達する動きが今年中に出てくるだろう。」と言及する。しかし、その上で、世界的インフレが懸念される現在の経済情勢では、石油価格の継続的な下方修正があるとは考えていない。
会議に参加したアナリストは、中期的及び長期的に、金相場は上昇すると考えている。Aristakesyan氏は、「一般的に、春末から夏にかけては、金相場が弱含みとなることを考慮に入れると、850ドル/トロイオンスの水準で金を購入すれば、1年以上先を視野に入れた投資としては魅力的である」と述べている。同氏は、2008年のうちに、金相場は過去最高値を試すと予想する。Petrocommerce銀行のマクロ経済分析部部長であるKharlampiev氏は、2008年末に金相場は940ドル/オンスに達すると予測している。しかし、その一方で、投資会社Zheric Capital ManagementのアナリストであるRyabov氏は、金融市場の混乱が収束に向かうと予測されることから、金に投資先としての魅力はないと考えている。同氏は、2008年末の金相場を800-850ドル/オンスの水準と予測している。
Demyanovich氏は、現段階で、今後数年におけるもっとも強い通貨を予測するのは難しい状況にあると述べている。しかし、ルーブルに関しては、安定的であるだろうと考えている。同氏は、「ルーブルは、ドル・ユーロの両通貨の相場に関係している。従って、ルーブル相場に大きな変動はない。また、外貨準備高が十分にあることによって、ロシア中央銀行は、対外貿易が不調になったとしても、長期間、ルーブル・ドル・ユーロのバランスを保つことができるだろう。また、原料価格が高騰している中、ロシア中央銀行は、対ドル・ユーロに関しても、ルーブル強化の方針を取るだろう」と指摘する。
以前より、世界の大手投資銀行は、近い将来におけるルーブル高を予想してルーブル買いを勧めていた。メリルリンチ、ゴールドマン・サックス、ドイツ銀行AGは、今後半年で、ルーブルは世界の主要通貨に対して4%程度高くなるだろうと予測している。Petrocommerce銀行のKharlampiev氏は、「短期的な投機の対象としてのルーブル買いは、これまでにもなかったわけではない。しかし、現在、ロシア通貨は、外貨準備の準備通貨として検討されている。こうしたプロジェクトは、CIS諸国及びユーラシア経済共同体で進行している」と言及している。
FINAM Managementの主任アナリストであるOsin氏は、世界市場が落ち着きを取り戻していない状況で、外国銀行がロシア通貨を重視していることを適切であると考えている。同氏は、「国際通貨基金は、4月に発行した中期的概観の中で、2008年におけるロシア・ブラジル・中近東諸国のGDP予測を引き上げた。エネルギー資源を始めとした資源を保有する資源国の世界経済に及ぼす影響が増してきたこと、及び新興国に対する投資リスクが低下したことを考慮に入れると、ロシア通貨建ての資産に対する中期的魅力が高くなったことは当然である」と指摘する。
専門家によると、現在、複数の国家による地域中央銀行の設立及び共通通貨の発行が進められている。しかし、実現には数十年を要するだろう。Petrocommerce銀行のKharlampiev氏は、準備通貨及び地域通貨としてこうした取り組みがされているとしている。同氏は、「こうした取り組みは、前途多難である。例として、ロシアとベラルーシは、同盟国として共通の通貨を発行しようとしているが、難しい状況にある」と指摘する。投資会社Zheric Capital ManagementのRyabov氏は、現在、二つの共通通貨を導入する構想が進行中であることに言及した。1つは、湾岸協力議会加盟国(アラブ諸国及びペルシア湾岸諸国)による共通通貨「湾岸ディナール」であり、もう1つは米国・カナダ・メキシコによる共通通貨「アメロ」である。どちらも、2010年までの導入が目標とされている。しかし、こうした共通通貨が為替市場に与える影響は大きくないだろう。FINAMの世界市場分析部部長であるAristakesyan氏は、「こうした共通通貨に関するプロジェクトが実際に導入されるまでには、まだ長い時間がかかるだろう」と結論した。

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