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[トピックス]国連:CIS諸国の経済に関する報告書

2008年05月19日 18:51更新 前の記事 次の記事  ロシア経済・サブプライム問題一覧
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 国連の報告書「2007-2008年における欧州経済委員会加盟国の経済情勢」には、世界経済が減速傾向にある中で、CIS諸国の経済は順調に推移していると収録されている。専門家は、CIS諸国が著しい発展を遂げている(8.1%から8.4%の成長率)背景として、ロシアの急速な経済成長(2006年には2.4%であった成長率が、2007年には8.4%まで上昇した)を挙げている。

 報告書には、「もっとも高い経済成長率を示したのは、成長率が二桁台となった外カフカス諸国であった。その中でも、アゼルバイジャンの成長率は世界一であった(25%)。その他のCIS諸国における成長率は、7-9%と同等の水準であった。」と記載されている。また、エネルギー資源価格に記録的な高値が付いたことも、CIS諸国における経済成長率に大きく寄与した。エネルギー資源の輸出から生まれた収益は、サービス業・建設業を含む他業種の成長を促進した。アゼルバイジャンの他に二桁の経済成長率を記録した国としては、アルメニア・グルジアが挙げられている。

 しかし、CIS諸国に蔓延するインフレは深刻な問題となっている。国連の専門家は、エネルギー資源の輸出から得られた収益によって、為替市場に流れる資金の量が増加したことを指摘している。また、銀行側が相当の資金を貸し付けたことも、貨幣の量を増やす結果となった。報告書には、「国債及び公社債市場が未発展であるために、こうしたインフレに対する対策は限られている」とある。
 
 その他、専門家は、以前CIS諸国が受けていた政府開発援助(ODA)の規模が(GDPの2%相当)、この3年間で著しく削減されたことにも着目している(2006年はGDPの1%以下となった)。しかし、アルメニア・グルジア・キルギスタン・モルドバ・タジキスタンを始めとして、多額のODAを受けているCIS諸国もある。
 
 近年、CIS諸国における外国直接投資の件数は、急速に伸びてきている。2007年、外国直接投資の規模は、CIS諸国における総GDPの4.5%に達した。これは、EUへの新規加盟国と同等の数値である。報告書では、「グルジア・モルドバに流入した投資額は、同二カ国におけるGDPの10%を超えた。一方、アゼルバイジャンには、長年、多額の外国直接投資が流入していたが、現在は、GDPの10%を超える資金が国外に流れている。」とされている。
 
 また、国連の専門家は、2008年第1四半期におけるタジキスタンの金融情勢が悪化したことに注意を払っている。金融情勢の悪化は、政府が、綿の生産者に銀行側が貸し付けた債務の保証を請け負ったことから始まった。専門家は、タジキスタンがこの保証に関する支払(外貨準備高の相当量に達する規模)を履行すれば、タジキスタンの対外債務は大きく膨らむだろうと指摘している。
 
 現在、中央アジア諸国は、自然災害の予防及び対応策を盛り込んだ戦略的計画の作成に追われている。2007年末から2008年始めの気象条件に左右され、中央アジアにおける経済発展は遅れを取る結果となった。非常に厳しい冬とそれに続いて春に洪水が発生したため、インフラ網及び農業は甚大な影響を被った。
 
 また、国連の報告書では、この10年間でCIS諸国とEU加盟国との貿易が急速に発展してきたことを背景に、CIS諸国における国内貿易量が減少傾向にあると指摘されている。2000-2006年、ロシアの対CIS諸国輸入額は3倍に増加し、対CIS諸国輸出額は2倍に増加した。
 
 現在、ロシアはEUの主要貿易相手国の中で第3位である。ロシアは、EUが消費する天然ガスのおよそ半分、石油のおよそ3分の1を輸出している。
 
 国連は、ロシア・カザフスタンがエネルギー資源に対する統制を強め、同業種における国家保有分を増加する方針を取っていることにも触れている。国家保有分が増加したために、2007年、ロシアのGDPにおける民間のエネルギー関連企業はおよそ65%まで減少した。
 
 長期的なCIS諸国における経済発展の見通しに関しては、同諸国の大多数が海に面していないという問題が、経済発展の上で大きな障害になると考えられる(12カ国あるCIS諸国のうち、国際海港を領内に有しているのは3カ国のみである)。専門家は、統計データに基づくと、こうした閉鎖的な環境によって、一人当たりのGDPが40%以上低下していると指摘している。また、CIS諸国は近隣諸国の交通網に頼った貿易をしているが、交通インフラの整備に向けた自助努力が必要である。東ヨーロッパ・中央アジア諸国における交通網を整備することで、貿易量をおよそ50%増加させることが期待できる。しかし、国連は、税関及び入国管理の面でも多くの問題が残されており、こうした問題を解決するためにはまだ時間がかかると考えている。
 
 国連の専門家が出した予測によると、2008年における世界の経済成長は3.8%から1.8%に減速し、2009年には2.1%になるとされている。国連の専門家は、経済の減速を促進する主要リスクとして、サブプライム問題に端を発した先進諸国の市場における金融危機、主要通貨に対するドル安、世界経済の不均衡、原料価格の高騰が懸念されると締め括った。
 


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