[レポート]「5月26日週の外国為替市場分析」(2)
出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株) 石井 雅博 2008年5月27日付」より
●今週のポイント●
■ファンダメンタルズ
耐久財受注など日替わりの米指標、株式・原油動向に左右される方向感欠く展開か
先週は原油の高騰や株安、そして景気見通しを下方修正したFOMC議事録など悪材料が重なりドルが主要通貨に対して下落、ドル/円は22日に一時103 円割れとなりました。一方クロス円は概ね続伸する堅調な展開になり、特にユーロ/円・スイスフラン/円など欧州通貨は、ECBの利上げを示唆する発言や強いドイツの景況指数を受けて、米国に対して金利と景気面で優位に立つとの思惑から強含みで推移しました。その他、米4月生産者物価指数(PPI)は総合指数とエネルギー・食品を除いたコア指数で強弱まちまちとなるもコア指数の伸び率が上昇。またFOMC議事録では利下げがぎりぎりの判断でなされたと言及されるなど、インフレリスクへの懸念が以前より増す内容となり、PPIのコア指数上昇と合わせて市場で来月FOMCが利下げを打ち止めとする観測が一段と高まりました。その一方で米4月景気先行指数や同中古住宅販売件数などが市場予想を上回る結果を示し、ドルを下支えしたため一方的なドル安とはならず、ドル /円は4月初め以来のレンジ内で方向感を欠いた展開が続きました。米指標自体はやや上向きの内容が増えてきたものの、原油高や米利下げ休止観測を背景とした株安が依然としてドル相場の不安定要因として根付いているため、引き続き上値の重い展開を強いられることになりそうです。
今週は27日の米4月新築住宅販売件数・同消費者信頼感指数を皮切りに、翌28日の4月耐久財受注、29日の米第1四半期GDP改定値、そして週末は4月PCEコアデフレーターと5月シカゴ購買部協会景況指数の発表が予定され、連日のように発表される米指標の結果によって上下に振らされる展開が想定されます。消費者信頼感指数では個人消費動向の低迷が示されると米景気の先行き悪化懸念が高まる恐れも。耐久財受注は4ヶ月連続で企業投資の減速が見込まれており、振れの大きい指標でもあるため下振れリスクに注意が必要です。インフレ指標であるPCEコアデフレーターはFRBも注目する指標で、今回はCPI・PPIが弱含んだ流れを受けて伸び率が若干鈍化する見通しとなっています。
ユーロ圏では週末30日にユーロ圏5月消費者物価指数・速報値の発表があり、深刻さを増しているユーロ圏の物価高圧力がECBの利上げ観測を支援する格好となるか注目されます。本邦指標では週末に集中して発表される4月失業率・全国消費者物価指数(CPI)などが焦点になります。CPIは欧州や米国に比べるとまだ穏やかであり、日銀当局が日本景気の下振れリスクを懸念している現状では、多少の上振れでは市場の反応は限られるかもしれません。
主要な経済指標とイベント
5月27日(火)
【独】第1四半期GDP・個人消費(改定値)(15:00)
【独】6月Gfk消費者信頼感 (15:10)
【スイス】4月貿易収支 (15:15)
【米】3月S&P/ケースシラー住宅価格 (22:00)
【米】4月新築住宅販売件数 (23:00)
【米】5月リッチモンド連銀製造業指数 (23:00)/td>
【米】5月消費者信頼感指数 (23:00)
5月28日(水)
【欧】3月経常収支 (17:00)
【米】4月耐久財受注 (21:30)
5月29日(木)
【独】5月失業者数 (16:55)
【独】5月失業率 (16:55)
【欧】4月マネーサプライM3 (17:00)
【英】4月消費者信用残高 (17:30)
【英】5月GfK消費者信頼感指数 (18:30)
【加】第1四半期経常収支 (21:30)
【米】第1四半期GDP・個人消費(改定値)(21:30)
【米】新規失業保険申請件数 (22:30)
5月30日(金)
【NZ】4月住宅建設許可 (07:45)
【日】4月失業率 (08:30)
【日】4月全国消費者物価指数 (08:30)
【日】4月鉱工業生産(速報値)(08:50)
【欧】4月失業率 (18:00)
【欧】5月消費者信頼感 (18:00)
【欧】5月消費者物価指数(速報値)(18:00)
【スイス】5月KOF先行指数 (18:30)
【加】3月GDP (21:30)
【加】第1四半期GDP (21:30)
【加】4月鉱工業製品価格 (21:30)
【米】4月個人消費・支出 (21:30)
【米】4月PCEコアデフレーター (21:30)
【米】5月シカゴ購買部協会景気指数 (22:45)
【米】4月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(23:00)
■各通貨ごとの分析
アメリカドル/円 USD/JPY
先週のドル/円相場は102-105円のレンジ内で方向感を欠いた展開になりました。22日に102.72円の安値をつける場面があったものの、12日安値102.56円を下回ることなく買い戻され、その後104円台を一時回復しています。現状では21日・90日移動平均線そしてRSIが横ばいで推移し、ボリンジャーバンドも102.90-105.40円に収縮傾向が継続するなど、持ち合い相場が強く示唆されており、今週も102.50-105.50 円のレンジを核とした相場展開が想定されます。上下限辺りでの逆張りが検討されますが、もみ合い状況が長引いているだけに、レンジを突破時に大きく放たれるリスクがあるので、レンジ上下限では慎重な取引を心がけたい。下値は12日安値を下回ってくると、13週の102.30円や3月17日→5月2日の上昇分に対する38.2%押し101.90円がターゲットになります。今週の予想レンジは102.00-106.00円。
ユーロ/円 EUR/JPY
ユーロ/円は先週小幅続伸し、今月初めから強い上値抵抗になっていた163円を突破しますが、ボリンジャー上限の164.00円手前で伸び悩み週末 162円台へ下落して引けました。ただ21日以降引けで5日移動平均線を上回る強い相場が続いており、21日移動平均線が横ばい推移する162.00円が明確に破られなければ現状の上昇トレンドが維持される公算が高いでしょう。一方上値は先週上値を抑えた163円後半が目先の抵抗線で、163円台で値固めできれば164円台突破の可能性が高まります。しかし164.00-165.00円は先月の高値水準で警戒感が出やすく、さらに上値を追うのは難しいかもしれません。今週の予想レンジは161.00-166.00円。
英ポンド/円 GBP/JPY
ポンド/円も先週は小幅続伸し、週半ばまで上値を抑えられていた21日移動平均線を22日に突破、7日以来の206円台まで高値を更新しました。しかし週末に勢いを失って、21日線を下回る204円半ばへ押し戻され、上値の重さを引きずる状況となっています。21日・90日線がほぼ横ばいで推移し、今週は同線が通る204.70-205.50円を軸にもみ合う展開が予想されますが、3月17日以来の中期トレンドと5月9日からの短期上昇トレンドが続いているため、当面は押し目買い主体の取引が検討されます。しかし2月16日安値202.57円が破られると短期的な調整が強まるため注意が必要です。またボリンジャーバンドは201.30-208.00円の値幅に収束しており、上下バンド付近をメドに逆張り的な取引も有効と思われます。今週の予想レンジは 202.00-208.00円。
オーストラリアドル/円 AUD/JPY
先週豪ドル/円は2月28日以来の100円をタッチする場面があったものの、値動き自体は小幅で98.85-100.01円のごく狭いレンジ内で推移しました。上昇トレンド中の持ち合いであるため、基本的に100円突破による持ち合い上放れの動きに注目したい。一方で98.50-70円の21日移動平均線が破られると上値追いの流れが一巡する可能性も。特に20日高値を更新できずに反落すると、7日と20日高値を天井としたダブルトップを形成することも考えられ注意が必要です。上値は100円の明確な突破がポイントで、100円に乗せてくると2月28日高値100.48円や週足ボリンジャー上限の 102.00円が目先の抵抗線になります。今週の予想レンジは97.00-102.00円。
ニュージーランドドル/円 NZD/JPY
NZドル/円は先週79.75-80.88円のもみ合いレンジを上抜けて5月8日以来の81円台を回復、その後82円手前で上げ渋ったものの週末は21 日移動平均線も引けで上回り、12日以来の強気相場が維持されています。21日線は80.80円付近を通り、12日安値起点の短期トレンドラインも今週後半にかけ80円半ばへ上昇するため、80円台で下値が支えられれば上昇余地が広がると見られます。一方上値は先週意識された90日移動平均線82.00円が目先の抵抗線で、2月26日高値起点の下降トレンド(26日81.70円→週末30日81.30円付近)も82円を突破しないうちは上値を重くするかもしれません。また82円を突破しても26週移動平均線(82.80円)や週足ボリンジャーの上限バンド(82.90円)などが重なる82円後半が強い抵抗線となるためいったん頭を抑えられる可能性がありそうです。今週の予想レンジは79.50-83.50円。
カナダドル/円 CAD/JPY
加ドル/円は22日に2月29日以来の高値をわずかに更新するも、ボリンジャーバンドの上限レベルで伸び悩む展開が続き、週末に反落して0.43円の小幅高で取引を終えました。26週線(105円前半)を2週連続引けで越えられなかったことも上値の重さを示唆しています。また値動きが14日から2円程度の値幅にとどまり、こう着感が強まっているため目先103.70-105.90円のレンジから放たれる動きに注意したいところ。上値は26週線(今週 105.10円付近)が直近の抵抗線になる他、105円後半にはボリンジャー上限(105.70円)や先週高値(105.86円)などが並ぶため、106 円の突破は容易ではないかもしれません。一方下値は支持線の重なる103円後半が強いサポートですが、ここを下へ抜けると13週線の101.70円や9日安値101.57円が集まる101円後半への下落リスクが高まるので注意が必要です。今週の予想レンジは101.50-107.50円。
スイスフラン/円 CHF/JPY
先週のスイスフラン/円は前週比1.51円高の大幅続伸。99-100円台に並ぶ主要抵抗線をことごとく突破し、週末には4月28日以来の高値 101.01円をつけました。また週末23日には4月22日→5月8日下落分に対する半値戻し100.50円がサポートになり、100円後半の高値水準を維持して引けています。ただ先週高値がちょうど61.8%戻し水準とボリンジャー上限の重なる101.00円で抑えられているため、101円前後を明確に突破できないと目先上昇一服感が台頭する可能性があります。しかし100円台では半値戻しの100.50円と38.2%戻しの100.00円が強い支持線となり、99円後半も99.60-80円に21日・90日移動平均線が並び上昇基調が崩れる可能性は低そうです。今週の予想レンジは99.50- 102.00円。
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■次回は6月2日(月)更新予定です
※掲載内容は情報提供を目的としており、勧誘等を目的としたものではありませんので、お取引の最終判断はお客様ご自身の責任で行うようお願い致します。
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