米ポールソン財務長官は今週末に中東諸国を訪問し、サウジアラビアおよびその他中東産油国高官らに対し、原油価格の高騰が世界経済成長の「深刻な重荷」となっていることを訴える予定であるという。 米財務省次官のディビッド・マコーミック氏によると、ポールソン財務長官は中東諸国に対し原油供給を加速させるための海外投資促進を図ろうとしているという。マコーミック氏によると、「ポールソン財務長官が強調したいことは、原油価格高騰が世界経済成長における深刻な重荷となっていることだ。消費国の世帯、消費者らにとって特に深刻な重荷になっている」と述べた。 ポールソン財務長官はすべての産油国に対し原油市場を開放し、世界各国が原油市場へ投資を加速するように訴える予定であるという。なお、具体的な産油国を指名して原油価格高騰のために産出量を増産させようとする意図ではないという。今月初めに中東を訪問した米ブッシュ大統領は、サウジアラビアによる少量の増産が「我が国の問題を解決するものではない」と述べており、米国が独自のエネルギー対策を推進するべきだとの主張をした。 ポールソン財務長官は31日にサウジアラビアを訪問し、同国高官、民間投資会社などと会談する。その後、カタール、アラブ首長国連邦のアブダビ、ドバイを順次訪問していくという。6月2日には、アブダビで海外市場への投資解放の重要性について演説を行う予定であるという。アブダビでは政府系ファンド(SWF)を運用する政府高官などとの会談も行う予定であるという。 中東訪問で、ポールソン財務長官は、米国が中東への開放的な投資政策を維持していくこと、中東が投資促進の障害となる壁を取り払うことで享受できる恩恵についても強調する予定であるという。 原油価格が高騰する中、中東の政府系ファンドの勢力が強まっており、中東SWFが欧米に投資することに対して欧米社会での懸念が高まるようになっている。アブダビ首長国のSWFでは9,000億ドル規模の運用資金を保持していると推定されている。アブダビSWFは昨年には米シティグループへ75億ドルの投資を行い、同グループの4.9%の株式を保持するにいたった。