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[コラム]国際マイクロマシンサミット(MMS2008)参加報告―大きな飛躍に向け、期待高まるMEMS研究―

2008年05月29日 15:05更新 前の記事 次の記事  コラム・IT一覧
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出展:みずほ情報総研ホームページ(http://www.mizuho-ir.co.jp/)「コラム/みずほ情報総研(株) サイエンスソリューション部 佐藤淳史 2008年5月27日付」より

機械を微小化すると、省スペース・資源や消費エネルギーの節約など多くのメリットがあります。こうした微小化された機能要素、および機能要素から構成される微小システムのことを「マイクロマシン」と呼びます。

日本ではマイクロマシンという用語は一般的ですが、言葉の印象からも単に機械を微小化したもの、およびその技術としか認識されていない傾向があります。ただし、本来は日本におけるマイクロマシンの概念は、機械を動かす仕組み(マイクロメカトロニクス)と電子工学の技術概念が含まれる「MEMS(Micro Electro Mechanical System)」が包括されています。

ところで、現在の社会では電気信号のみを入出力とする半導体がいたるところで利用されていますが、将来的には電気的特性と機械的特性を併せ持ったMEMS があらゆる製品の中に存在することになるでしょう。しかし、MEMSは新しい技術ということもあり、携帯電話・自動車(エアバックなど)・光通信用の部品・プリンタヘッド以外への普及が期待されている段階です。また、この普及段階において、最近はゲーム機「Wii」のリモコンにモーション・センサとして搭載されたことでも注目されています。

このような背景のもと、マイクロマシンサミットが1995年から、開催国を持ち回りで毎年開催されています。京都で開催された第1回会議では10カ国(オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、スイス、イギリス、アメリカ)の参加でしたが、今年4月30日〜5月3日にかけて韓国・大田(デジョン)で開催された第14回会議には、イベリア地域とルーマニアが新たに加わって、18カ国/地域(オーストラリア、ベネルクス地域、カナダ、中国、EC※、フランス、ドイツ、イベリア地域、インド、日本、韓国、地中海地域、ノルディック地域、ルーマニア、シンガポール、スイス、台湾、アメリカ)から代表者・オブザーバを含め99名が参加しました。

今回の会議では、各国/地域のMEMS研究開発の実態がチーフ代表者から述べられた後、各国の代表者から技術統合、最新技術、市場・標準化・産業化動向、教育と技術プラットフォーム、ファンダリとクラスターネットワークの5分野に関して、各地域の活動状況や将来動向についてプレゼンテーションが行われました。日本からは東京大学の下山教授をチーフ代表者として11名がサミットに参加し、下山教授より日本のMEMS関連国家プロジェクトの紹介、企業側の代表より次期MEMS関連国家プロジェクトであるBEANSプロジェクトの概要紹介、企業のMEMS技術の紹介が行われました。また、会議は、マイクロ・ナノテクノロジー、製品、市場の発展を目指して、各国が国際協調を図っていくことを誓って終了しました。次回はカナダのエドモントンで開催予定です。

今回の会議では、サミット参加各国から国家戦略上のマイクロ・ナノ技術の取り組みが発表されていましたが、なかでも今年を特徴付けていたキーワードは「ナノ・バイオの融合」であったと感じました。欧州、韓国、日本がそれぞれ、ナノ・バイオの融合というコンセプトでプロジェクトを今後スタートするほか、ナノ・バイオさらにはそれ以外の異分野融合による新しいプロセスやデバイスの創出に向けた研究もMEMS研究の先進国では、盛んになっています。

また、もう一点注目されるのは、各国における次世代MEMS研究の急速な進展、とりわけMEMS後発国の台頭です。欧州ではEUプロジェクトに加えて各国が独自のプロジェクトを推進しており、その予算規模は日本を大きく上回っていると思われます。また、現時点では後発的な位置にあるインドでも、海外の MEMS研究者が帰国することで研究レベルが急速に高くなる可能性があり、今後十分ウォッチする必要があると思われます。さらに、政府の補助により製造装置・評価装置が充実してきた段階にある中国も、研究人口が日米と比べ圧倒的に多くR&Dにおける研究の進展が著しくなっていることを考えると、今後、材料からアプリケーションまでMEMS研究開発のバリューチェーンが国内で確立し、産業としても一気に進展することが考えられます。

「ナノ・バイオの融合」と「後発国を含めた次世代MEMS研究の急速な発展」。韓国・大田での第14回国際マイクロマシンサミットは、MEMS研究が大きな飛躍に向けた転換点を迎えていることを実感させてくれました。

※ EC・・・European Commission

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