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ロシア銀行大手VTB(外貿銀行)とズベルバンク、個人貸付市場における可能性

2008年06月02日 16:54更新 mailメール

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 アルファ・バンクの調査によると、2008年第1四半期におけるロシアの個人貸付市場は、世界金融市場が不安定な中、12.1%上昇した。このペースで行くと、年末までの貸付総額は、1900億ドルに上る可能性がある(年初は、1280億ドルであった)。2008年、法人向け貸付市場は、個人貸付市場よりも魅力的かつ成長する可能性を持っている。しかし、長期的には、個人貸付市場も成長する可能性は十分にある。
 
 2007年後半、個人貸付は、前年比63%の伸びを示した。銀行部門における個人貸付の割合は15.6%となった。しかし、この数字は、法人向け貸付の3分の1に過ぎない。個人貸付の中で、もっとも上昇したのは、自動車ローン及び担保付住宅ローンであった。2005年、個人貸付総額に占める上記ローンの割合は21%であったが、2007年、40%まで上昇した。一方で、消費者ローン及びクレジットカードローンの割合は減少した。
 
 アルファ・バンクのアナリストによると、個人貸付市場の構造変化の背景には、銀行側が高リスク商品の取扱を減少させたことが挙げられる。また、外部からの資金調達依存度が高く、今まで高リスク商品を提供していた銀行も、2007年後半より取扱を縮小せざるを得なかった。
 
 アルファ・バンクの調査によると、Russkiy Standart銀行の市場シェアは、2006年の7.8%から2007年は4.3%まで減少した。URSA銀行及びロスバンクも、市場シェアを失った。
 
 しかし、国営銀行は、2007年後半、市場シェアを拡大することが可能であったにもかかわらず、そうしなかった。ズベルバンクの市場シェアは、2007年末時点で30.2%まで縮小した。一方、VTBは、2007年後半、市場シェアを1.5%拡大した。これは、個人貸付業務発展戦略の実施及びRusskiy Standart銀行等の他行より個人貸付事業を取得したことに起因する。
 
 2008年第1四半期、シェアを拡大したVTB及びシェアを減らしたRusskiy Standart銀行を除いた大手銀行のシェアに変化はなかった。アルファ・バンクのアナリストは、世界金融市場が未だ不安定であることから、このような状況は2008年前半も続くだろうと予測している。
 
 2007年末における担保付住宅ローンは、GDPの2.3%に達した(2006年末は、GDPの1.3%であった)。GDPに対する担保付住宅ローンの割合が10-15%であるポーランド・ハンガリー・チェコと比較すると、ロシアにおける同割合は大分低い。
 
 担保付住宅ローンの取扱がもっとも大きいのは、ズベルバンク及びVTBである。この2行は、担保付住宅ローン市場の52%を占めている。個人貸付市場とは異なり、担保付住宅ローン市場では、頻繁にシェア上位行が入れ替わる。2006年末まで、同市場における3位を占めていたのは、Moskommertsbankであった。上位3位以下には、僅差でRaiffeisen、Deltakredit、Uralsibが続いた。しかし、2007年後半、Moskommertsbankは3位の座を明け渡した。2007年末におけるMoskommertsbankの市場シェアは、以前の3分の2に減少し、2.3%となった。また、2007年年初に4.7%の市場シェアを有していたガスプロムバンクは、2007年末にかけてシェアを3.6%までに減らした。
 
 Raiffeisen、UniCredit、MorganStanley、BSGV等の大手外国銀行は、担保付市場シェアを拡大することはできなかった。2007年末における上記4行の市場シェアはおよそ7.5%であり、前年の6.4%と比較して大幅な変化はなかった。
 
 専門家は、2008年末までに担保付住宅ローン市場は500億ドル規模に成長すると予測している(2007年末は300億ドル)。アルファ・バンクでは、「担保付住宅ローン市場が大幅に拡大する背景には、不動産価格の上昇が挙げられる。しかし、長期的な借入が困難なことから、担保付住宅ローンの取扱に慎重な姿勢を見せる銀行もあるだろう。」との見解を示している。
 
 一方、自動車ローン市場は年間106%と予測を超える高い成長率を示した。この数年で生活水準が着実に上昇し、消費者の自動車ローン申し込みが増加していることが、同市場を支えている。
 
 自動車ローン市場は、もっとも競争が激しい市場である。2007年、同市場における上位6行が占めるシェアは、併せて50%であった。大手銀行が凌ぎを削る同市場においてもっとも高い成長率を示したのは、国営銀行2行であった。ズベルバンクは自動車ローン貸付額を10倍に増加した結果、市場シェアは12%となり、首位の座に就いた。VTBは貸付額を7倍にし、シェアは1%から4%に増加した。この数年、自動車ローン市場を牽引してきたロスバンクは、2位に転落した。株主であるKMInvestとの軋轢及びSociete Generale銀行との関係が定まらなかったことにより、ロスバンクの自動車ローン貸付額は24%しか伸びなかった。この数字は、自動車ローン市場全体の成長率を下回っている。
 
 自動車ローン市場においては、国営銀行がシェア拡大に成功したものの、上位5行のうち4行の支配株は外国企業が所有している。こうしたことは、2006年には見られなかった。しかし、Raiffeisen、UniCredit、Rusfinanceを併せたシェアは、2006年には24.7%であったが、2007年末には22.2%に減少した。2007年年初、SocieteGeneraleに買収されたロスバンクの市場シェアは9.5%であった。その他、自動車ローン市場における外国銀行のシェアが増したのは、ロシアの大手銀行Russkiy Standart銀行及びMDM Bankがシェアを減らしたためであると考えられる。アルファ・バンクのアナリストは、2008年末までに自動車ローン市場は300億ドル規模に成長するだろうと予測している(2007年末時点では185億ドルであった)。
 
 クレジットカード市場及び消費者金融ローンの成長率は予測を下回り、2007年末の市場規模は、クレジットカード市場が80億ドル、消費者金融市場が55億ドルであった。専門家は「上記市場における成長率が低水準に止まったのは、両市場を牽引していたRusskiy Standart銀行に問題が発生したためである。現在、Russkiy Standart銀行は、個人貸付を規制している。同行は、借入の国外依存度が高いため、世界金融市場が不安定になって以来、資金難に直面している。」と指摘している。
 
 その他の問題点もある。市場の伸びが減速すると共に、消費者ローン部門におけるシェア拡大を図ろうとする銀行は減少してきている。以前は、市場の成長率が高かったため、回収不能となった貸付金の損失を補填することができた。クレジットカード市場も同様な問題を抱えている。
 
 将来的に、Russkiy Standart銀行、HomeCredit、ロスバンクがどのような戦略を立てているかによって、消費者ローン市場の成長は左右されるだろう。アルファ・バンクでは、50億ドル程度で同市場の成長は停滞するだろうと考えている。一方、クレジットカード市場は、2008年後半、ズベルバンクによる同市場への参入計画によって、120億ドル規模に成長することが期待される。
 


ARUJI GATE
※この記事は、日本初のロシア株 取扱証券会社であるARUJI GATE証券株式会社の提供です。
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