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[レポート]「6月2日週の外国為替市場分析」(2)

2008年06月04日 06:59更新 

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出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株) 石井 雅博 2008年6月3日付」より

●今週のポイント●
■ファンダメンタルズ

米雇用統計を控える一方、英サブプライム問題再燃でリスク回避の動きに警戒もく展開か

 先週は一時135ドル台まで最高値を更新したNY原油相場の動向に金融市場が振られる展開となりましたが、週半ば以降、原油相場調整色を強めたため市場では株高・円安傾向が強まり、ドル/円は105.86円と3ヶ月ぶりの高値を更新しました。しかし今週2日に英住宅金融大手ブラッドフォード・アンド・ビングレーの最高経営責任者(CEO)辞任の報道を受けて、市場で英住宅金融機関の経営の健全性について疑念が広がると、ポンド/円を中心に幅広くリスク回避の円買いが持ち込まれました。NY時間も米格付け会社S&Pによるメリルリンチなど米金融大手3社の格下げが伝わりリスク回避の動きを加速させ、米5月 ISM製造業景況指数が市場予想を大幅に上回ったにもかかわらずドル買いは限定的でした。そのため金融機関の損失拡大観測などサブプライム絡みの報道に市場が神経質な反応を示すことが予想され、当面は急激な円高に警戒する必要があります。また原油相場の振幅も依然として為替市場の変動要因であり、信用収縮問題の再燃により原油などの商品市場へ資金が流入することになれば、ドル安・株安に拍車がかかる可能性が考えられます。

 今週は5日の英国・欧州政策金利発表と、週末6日の米雇用統計が最大の注目材料です。米5月非農業部門雇用者数(NFP)は今回5万人程度の減少が予測され、5ヶ月連続のマイナスとなる見込みです。しかし予想外の小幅減少にとどまった前回の反動で、ある程度の雇用者減は織り込まれている公算が高く、市場予測の範囲内であればむしろ前々回の8.1万人から減少傾向にあることが評価される可能性もあります。一方で相次ぐFRB当局者のインフレ警戒発言や、足元で堅調な傾向を示す米指標を受け、市場ではすでに今月25日のFOMC議事録での利下げ見送りがほぼ100% の確率で織り込まれています。今週の一連の米指標によって、今年4月の利下げをもって昨年9月から続く米利下げサイクルが終了したとする見方がさらに確固としたものとなるか注目されるでしょう。

 ユーロ圏では経済減速を示す指標が足元で増えているものの、一向に落ち着きを見せないインフレ圧力のため、欧州中央銀行(ECB)に利下げの余地はなく、今回も政策金利を4.00%に据え置く見込みです。一方5日の英国金融政策委員会(MPC)では原油高などによるインフレ懸念を背景に政策金利が5.00%に据え置かれる公算が高く、2日の下落で204円台へ押し戻されたポンド/円相場にとって特段の材料となる公算は低いと思われます。NZ準備銀行(RBNZ)も同じく5日に政策金利を発表予定で、今回は金利を据え置く見込みです。今年のNZ景気が急減速するとの見方を背景に年内の利下げ観測がくすぶっていますが、根強いインフレ圧力の他、今年10月に実施される大規模減税による経済効果に対する期待感から利下げの可能性についてはまだ意見が分かれており、同時に公表される声明の内容にも注目が集まります。

主要な経済指標とイベント

6月3日(火)
【日】5月マネタリーベース (08:50)
【豪】第1四半期経常収支 (10:30)
【豪】4月住宅建設許可 (10:30)
【豪】RBAキャッシュターゲット (13:30)
【スイス】5月消費者物価指数 (14:45)
【欧】4月生産者物価指数 (18:00)
【欧】第1四半期GDP(改定値)(18:00)
【米】4月製造業受注指数 (23:00)

6月4日(水)
【英】5月ネーションワイド消費者信頼感 (08:01)
【豪】第1四半期GDP (10:30)
【欧】4月小売売上高 (18:00)
【独】5月サービス業PMI (16:55)
【欧】5月サービス業PMI (17:00)
【英】5月サービス業PMI (17:30)
【米】5月ADP雇用統計 (21:15)
【米】第1四半期非農業部門労働生産性(確報値)(21:30)
【米】第1四半期単位労働費用(確報値)(21:30)
【米】5月ISM非製造業景況指数 (23:00)

6月5日(木)
【NZ】RBNZ政策金利 (06:00)
【豪】4月貿易収支 (10:30)
【独】4月製造業受注 (19:00)
【英】BOE理事会 (20:00)
【欧】ECB理事会(総裁会見は21:30〜)(20:45)
【加】4月住宅建設許可 (21:30)
【米】新規失業保険申請件数 (21:30)
【加】5月Ivey購買部協会景気指数 (23:00)

6月6日(金)
【独】4月鉱工業生産 (19:00)
【加】5月失業率 (20:00)
【加】5月雇用ネット変化 (20:00)
【米】5月失業率 (21:30)
【米】5月非農業部門雇用者数(NFP) (21:30)
【米】4月卸売在庫 (23:00)
【米】4月消費者信用残高 (28:00)

■各通貨ごとの分析
アメリカドル/円 USD/JPY
 ドル/円は先週29日に105.86円と5月2日高値を更新し、2月28日以来の高値をつけました。しかし5月初めから続くレンジの上限を明確に突破するにはいたらず、週末は105.40円で引けています。106円台では昨年7月9日高値を起点とする長期下降トレンドライン(2日106.50円→6日 106.20円へ下降)が通っており、また昨年高値から今年安値(124.13円→95.73円)に対するフィボナッチ38.2%戻しも106.60円にあり、この強固な抵抗ゾーンを突破できるかでドル高相場の持続に大きな影響を与えてくるでしょう。また先週引けで越えられなかったボリンジャーの上限バンド(105.60円)も強い抵抗線になります。一方下値では21日移動平均線の104.25円と90日線の103.80円が目先の抵抗線で、104円前後で下げ止まるならば上昇基調が維持される公算が高まります。しかし103円を割り込み、ボリンジャー下限の102.90円を下回ってくるようだとトレンド転換の可能性が高まるため注意が必要です。今週の予想レンジは102.50-106.50円。

ユーロ/円 EUR/JPY
 先週162.90円で始まったユーロ/円は164円台へじり高で推移し、先週28日に164.45円まで上昇、週末も164円前後の水準で引けとなりました。ところが週明けの6月2日は一転して大幅反落してスタートし、163円の大台を破って先週安値を下抜け、162円前半まで下値を拡大しました。 162.30円に21日移動平均線が通り、また先月9日から先週28日まで上げ幅に対する38.2%押し水準も162.20円にあるため、この水準が明確に破られると相場転換の可能性が高まります。162円を割ってくると同半値押しの161.50円や、5月16日161.23円が次のターゲットに。ただ中期的にはトレンドは上向きであるため、今後の動きが本格的な下落相場へ向かうものか慎重に見極めていく必要があるでしょう。今週の予想レンジは 161.00-165.50円。

英ポンド/円 GBP/JPY
 先週のポンド/円は5日続伸する堅調な展開となり、上げ幅を4円以上拡大し208.92円の高値を示現、5月2日高値209円に迫る場面がありました。しかしポンド/円もまたユーロ/円同様に今週2日、204円台へ4円以上も押し戻されて始まり、先週の上げ幅をほぼ相殺。今後の展開によっては相場転換も起こりうる状況へ急転しています。短期上昇トレンドを支える21日・90日移動平均線が204.80円と205.30円にあって、目先は同水準が完全に破られることになるかがポイントになります。ここを下抜けると3月17日安値起点の中期上昇トレンド(2日202.80円→6日203.60円へ上昇)が次に試されることになります。ただ203円を割ってくると、3月17日安値→5月2日高値の38.2%押し水準が202.70円に、先月中旬もみ合ったレンジの下限が202.60円前後にあたるため売り一服感が出やすく、203円割れでは底堅い展開になりそうです。今週の予想レンジは202.00- 209.00円。

オーストラリアドル/円 AUD/JPY
 豪ドル/円は先週節目となる100円を明確に突破し、2月28日高値を越えて昨年11月14日以来の高値101.03円をつけました。他のクロス円同様に豪ドル/円も今週2日は100円割れを示現するなど急激な円高で始まっています。昨年11月以降のパターンを見るかぎり、100円台からの反落は大幅調整につながる割合が高いので、当面は下落リスクに留意が必要です。目先は21日移動平均線の通る99.20円が重要な支持線になります。同線が破られると 99円の大台や、先月下旬にもみ合ったレンジの下限である98.85円が試されますが、ここも破られるとボリンジャー下限の97円前半まで強い支持線がなく、さらなる下押しを警戒する必要があります。今週の予想レンジは97.00-102.00円。

ニュージーランドドル/円 NZD/JPY
 先週のNZドル/円は3週続伸する堅調な展開が続き、82.70円まで高値を更新しました。しかし26週移動平均線を上抜けすることができず、また5月 6日高値(82.99円)も越えていないため中長期的にまだ下落トレンドが継続中と見ることができます。上値は引き続き83円の大台突破が重要なトレンド転換のサインになると見られ、先週頭を抑えた26週線は82.60円に下降してくる見込みです。また90日移動平均線の82.00円を下回ると同線が上値抵抗線に変わるため注意したい。下値は21日移動平均線の通る81.00円が目先のサポートで、13週移動平均線が80円後半に位置。また5月12日起点の上昇トレンドは2日に80.90円、週末6日に81.70円へ切り上がる見込みです。80円割れ水準で下値が支えられるならば短期上昇トレンドが維持される公算が高いでしょう。今週の予想レンジは80.50-84.50円。

カナダドル/円 CAD/JPY
 先週の加ドル/円はこれまで頭の重かった105円後半を大きく突破し、一時は107.08円まで高値を更新しましたが、今週2日は円高へ急反転して始まり、一時2円以上下落して104円を割る場面がありました。4月以降加ドル/円相場は21日移動平均線を支えとした上昇トレンドが続いているため、再び上昇トレンドの軌道に回帰することになるか、今後の相場方向に注目となります。21日移動平均線は2日104.50円付近、週末6日には105.00円へ水準を切り上げる見込みですが、21日線が明確に破られると103.40円付近で横ばい推移する90日線が次に試され、調整色が強まるとボリンジャーの下限バンド102.40円まで狙われる可能性も出てきます。今週の予想レンジは102.50-107.50円。

スイスフラン/円 CHF/JPY
 先週のスイスフラン/円は100.10-101.30円のレンジでもみ合い、週末に101円台へ乗せて引けましたが、今週2日100円前半へ急反落して始まり方向感を欠く展開となっています。下値は先週支持線になった13週線の通る100.20円が目先のサポートで、また21日・90日線が並ぶ 99.70-90円が引き続き強い支持線になります。この99円後半が破られると上昇トレンドの持続が危ぶまれるので注意したいところ。また上値では 101円前半の重さが確認されているため、再度終値ベースで101円に乗せてこないかぎり上昇余地は限られるかもしれません。今週の予想レンジは 99.00-102.00円。

-------Fin-------


■次回は6月9日(月)更新予定です

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