19日から2日間にわたり開かれている欧州連合(EU)加盟27か国による首脳会議で、英国がEU各国に対しイランへの制裁措置を強化するように呼びかけている。EU各国ではイランの核兵器製造活動促進を抑制するために、イランへの強固な制裁措置が必要であるという気運が高まっており、イラン国内原油・ガス部門に対する制裁措置を強化しようとしている。 一方でイランの原油・ガス部門への制裁を強化すれば、さらなるエネルギー価格高騰を招きEU加盟国内の漁業関係者、運送業・農業従事者からの反発が高まることも懸念されており、イラン制裁の仕方や時期について考慮がなされている。 EUは、もしイランがウラン濃縮活動を停止するかわりに国連による経済的インセンチブを受け入れる提案を拒否するなら、イランに対してエネルギー制裁を課すことを考慮しているが、制裁措置に対するEU各国での議論進捗状況は非常に遅れているという。首脳会議に参加した某外交官によると、そのためにイラン制裁措置がかけられるとしても実際は数ヶ月後になる可能性があるという。 一方イランアハマディネジャド大統領は19日、米国およびその同盟国による同国の原子力開発阻止の活動に打ち勝ったと宣言している。イラン高官らは国連によるウラン濃縮活動停止の見返りに経済インセンチブを受け入れるという提案に対する公式的な返答は行っていない。なお、19日の会合ではまだイラン制裁措置の具体的事項については公式的には話されなかった。EUは今後イランへの金融資産の凍結など他部門に対する制裁措置も強めていくことも考慮している。 一方で昨今の高騰する原油価格の状況下において、イランへの制裁措置を強めることで、同国が報復措置として原油生産量の減産を行い、ますます世界原油価格が高騰することも懸念されている。EUはイランにとって最大の貿易相手国となっており、EU−イラン間の貿易総額は2006年度には390億ドルに達した。EUのイランからの石油輸入割合は4%にも達している。 なお米国もイランの核兵器開発を懸念しており、EUに対しイランへの厳しい制裁措置をとるように促している。