[トピックス]ロシアへの投資が加速
過去10年間で、これほど投資家が恐怖に満ちた目で世界株式市場を見守っていた時期はない、とメリルリンチの調査は結論付けている。そして、投資家がこれまで以上にロシア投資市場に熱いまなざしを送っていたこともないと。
メリルリンチの調査によると、グローバル投資ファンドのの内、現在株式が過小評価されていると考えているものは1%にすぎない。一方で、5月には25%であった。投資リスクが高いため、アセットマネージャーは資産の大部分を現金で保有することを余儀なくされている。現金の割合は過去1か月間で4.1%から4.6%に増加した。
スタグフレーション懸念から投資家は慎重さを増している。「投資家が世界的に金利水準が低すぎており、実際、現在のインフレ水準よりも低いということを認識し始めた。」とメリルリンチの欧州証券市場チーフストラテジストKaren Olney氏は語る。「現在の低金利はインフレを抑制する力にはなりえない。我々は10月までに欧州中銀が2度にわたって金利の引き上げを行うと予想している。他の中央銀行もこの動きに追従するだろう。」現在ユーロ圏の政策金利は4%、アメリカは2%である。
しかし、世界市場において明るい兆しを見ることが出来る所がないわけではない。現在もっとも投資家を引き付けているのは、業種で言えばテクノロジー部門とエネルギー部門であり、国で言えばロシアである。実際、アセットマネージャーの84%(記録更新)が各自のモデルポートフォリオよりも多くロシア有価証券を投資ポートフォリオに組み入れている。また、ロシア有価証券の比率をの比率よりも抑えているは一人もいない。モデルポートフォリオ通りのアセットマネージャーは16%にすぎない。
投資ファンドへの資金流入を調査しているEPFR Globalのデータがメリルリンチの報告を裏付ける。年初より、ロシアには29億ドルの資金が流入した。一方で、発展途上国及び中国を対象にするからはそれぞれ25億ドル、BRICs諸国投資ファンドからは3億5000万ドルが流出した。一方、BRICs諸国のうち、ここ8週間に渡って連続的に資金流入が続いているのはロシアのみである。メリルリンチのデータによると、アセットマネージャーの26%が各自のモデルポートフォリオよりも多くブラジル有価証券を投資ポートフォリオに組み入れている(投資シナリオにおける最悪のケース)。一方、アセットマネージャーの58%が各自のモデルポートフォリオよりも少なくインドと中国有価証券を投資ポートフォリオに組み入れている。
「ロシア市場を目指す投資家は高騰する石油価格とルーブル高への期待から資金を投入している。とくに、ルーブル高が要因で債券市場において買えるものなら何でも買い占める方向で動いている。株式市場においても同様である」とトロイカダイアローグのシニアアナリストAnton Tabakh氏は述べている。
欧米諸国の銀行に対する懸念が再燃し、加速するインフレや減速する世界経済、公定歩合の引き上げの可能性などに対する恐れが重なったため、5月中旬より世界市場のほとんどが下降局面に入っているとFullemoneyのDavid Fuller氏は指摘する。現在のところ、各市場は1月と3月に記録した最安値を更新するまでには至っていないため、市場には楽観ムードが漂っている。しかし、市場参加者の緊張が最高度に達したとき、状況は泥沼化するとFuller氏は指摘する。

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