[レポート]「6月23日週の外国為替市場分析」(2)
出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株) 石井 雅博 2008年6月24日付」より
●今週のポイント●
■ファンダメンタルズ
25日FOMCをにらんだ展開、声明ではインフレ懸念も景気優先か
先週は米利上げ観測の後退と信用収縮懸念の台頭を受けてドルが全面安となり、16日に108.57円の高値をつけていたドル/円は、週末にかけて107 円前半へ水準を切り下げました。米連邦公開市場委員会(FOMC)はインフレ抑制を目的として年内に0.50-0.75%の利上げを行うと見られていますが、先週の米指標の悪化や米金融機関を中心とする信用不安の再燃で楽観的な見方が後退してきており、今後のFOMCや米雇用統計によって米金利先高感がさらに後退することになれば、ドル軟調の地合いがさらに強まる可能性があります。
一方でクロス円は軒並み上昇し、特にユーロ/円が昨年7月以来の大台168円をタッチするなど強含みで推移しました。年内の米利下げが後退したことや、週半ばから相次いだ欧州当局者のタカ派発言がユーロを押し上げています。ただ来月FOMCに先んじて利上げを行うと見られている欧州中央銀行(ECB)の、7月以降の利上げ見通しについてまだ白紙状態であることから、新たな材料が出ないかぎり金利差観測を背景としたユーロ買いは限定的なものにとどまるかもしれません。
そして25日(日本時間26日午前3時15分)に予定される注目のFOMCでは、政策金利の据え置きがほぼ確実視されていますが、注目の声明文でインフレ警戒姿勢をさらに強める内容になると予測されており、これまでの景気に配慮する政策とどうバランスをとっていくかに関心が集まっています。しかしインフレへの警戒感が示された場合でも、積極的に利下げ政策へ転じる見込みは薄く、むしろ前回急上昇した米失業率などを要因として、米景気減速リスクを強調する文面となればこれまでのドルの持ち高調整が加速する可能性もあります。
その他の米指標では6ヶ月連続で減少が見込まれる米6月消費者信頼感指数や5月耐久財受注、同新築住宅販売などからは米景気の減速傾向が示唆される公算が高く、一方でインフレ指標の5月PCEコアデフレーターは前回より上昇率が微増する見込みで、インフレ悪化・景気減速の並存リスクを改めて示唆する恐れがあります。ISM製造業指数や米雇用統計など最重要指標の発表を次週に控えて、今週はドル高調整の進展と米利上げ観測の変化に注目したい。
主要な経済指標とイベント
6月23日(月))
【英】6月ライトムーブ住宅価格 (08:01)
【独】6月Ifo景況指数 (17:00)
6月24日(火)
【米】4月S&P/ケースシラー住宅価格 (22:00)
【米】6月消費者信頼感指数 (23:00)
【米】6月リッチモンド連銀製造業指数 (23:00)
6月25日(水)
【日】5月通関ベース貿易収支 (08:50)
【欧】4月鉱工業新規受注 (18:00)
【米】5月耐久財受注 (21:30)
【米】5月新築住宅販売件数 (23:00)
【米】FOMCミーティング (27:15)
6月26日(木)
G8京都外相会合(〜27日)
【NZ】第1四半期経常収支 (07:45)
【欧】5月マネーサプライM3 (17:00)
【米】第1四半期GDP(確報値)(21:30)
【米】第1四半期個人消費(確報値)(21:30)
【米】新規失業保険申請件数 (21:30)
【米】5月中古住宅販売件数 (23:00)
6月27日(金)
【NZ】第1四半期GDP (07:45)
【NZ】5月貿易収支 (07:45)
【日】5月失業率 (08:30)
【日】5月全国消費者物価指数 (08:30)
【日】5月鉱工業生産(速報値)(08:30)
【英】第1四半期GDP(確報値)(17:30)
【英】第1四半期経常収支 (17:30)
【スイス】6月KOF先行指数 (17:30)
【加】5月鉱工業製品価格 (21:30)
【加】5月原料価格指数 (21:30)
【米】5月個人所得・支出 (21:30)
【米】5月PCEコアデフレーター (21:30)
【米】6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(23:00)
■各通貨ごとの分析
アメリカドル/円 USD/JPY
先週ドル/円は16日に108.57円まで高値を更新するも、週末にかけてじり安で推移し結局107円前半へ1円近く大幅反落して引けとなりました。 200日移動平均線(今週108.10円付近を横ばい推移)を先週引けで一度も上回れず、上値はやはり重い印象。16日に高値108.57円をつけてからなだらかな調整相場が続いており、下値は目先のところ下降チャネルの107円前後がサポートラインになります。また中期的なトレンドがまだ崩れていないので、107円を下回ってきた場合21日移動平均線(23日106.20円付近→週末27日107.00円へ上昇見込み)や3月から続く中期上昇トレンド(23日105.90円→週末106.50円)が通る106円台が強い支持ゾーンになります。しかし106円を割ってくると下落相場へ転換の可能性が高まるため注意が必要。一方上値は200日線や短期下降トレンド(23日108.20円→週末107.90円)が通る108円前後が重要な上値抵抗線になり、ここを引けで上回れるかがポイントになります。今週の予想レンジは106.00-109.00円。
ユーロ/円 EUR/JPY
ユーロ/円は16日にそれまでの持ち合い相場を上抜けして167円台へ水準を切り上げますが、その後は167円の高値圏でもみ合う展開が続きました。現在も5日移動平均線を上回るか同線に沿うような形で上昇トレンドが続いているため、当面は先週高値168.10円や最高値168.93円をターゲットとした相場展開が予想されます。しかし先週安値166.76円が破られると持ち合い相場が崩れて下落が加速する可能性があるので注意したい。下値では21日移動平均線が今週23日165.40円付近、週末に166.30円へ切り上がる見込みで166円前後がサポートとなれば上昇基調が維持される見込みです。今週の予想レンジは165.00-169.00円。
英ポンド/円 GBP/JPY
先週211円前後で取引を開始したポンド/円は上下に大きく振れながらも213.27円まで高値を更新、下値も210.38円で踏みとどまり210- 215円のレンジ相場へ水準を切り上げる動きになりました。今週上値は213-215円の水準がターゲットになり、昨年高値から今年安値の下落分に対する 38.2%戻しの214.90円、週足ボリンジャー上限の214.00円などが主要な抵抗線になります。下値は210円を割り込まなければ持ち合いか上昇基調が続くと見られ、209-210円台を通る21日移動平均線(23日に208.90円、週末27日210.30円付近へ上昇か)が重要なサポートラインになります。しかし210円を大きく下回ると今年3月安値から引かれた中期トレンドラインの206.00円前後まで調整余地が出てくるため注意が必要です。今週の予想レンジは208.00-215.00円。
オーストラリアドル/円 AUD/JPY
先週豪ドル/円は今月上旬まで強い上値抵抗線であった102円を突破するものの、高値の更新は102.77円までにとどまりました。上値は5月7日と6 月6日高値をつないだ抵抗線の通る103円前半が強い抵抗線で、この水準ではいったん伸び悩むかもしれません。一方下値は3月安値以来の上昇トレンドラインが102円前後にありますが、主要な下値支持線になるのが21日移動平均線(23日101.10→週末101.70円)で、同線がサポートになる場合現在のなだらかな上昇トレンドが継続する見込みです。しかし21日移動平均線を引けで割ってくると100.50-100.00円のゾーンを狙う動きが強まり、目先の調整に注意がいるでしょう。今週の予想レンジは100.50-104.00円。
ニュージーランドドル/円 NZD/JPY
NZドル/円は6月4日以来の82円台へ先週乗せてきましたが、週末に81円台へ押し戻されて引けました。78.50-83.00円の持ち合い相場が引き続き継続すると見られ、上値に関しては5月以降頭を抑えている26週移動平均線(81.90円付近)が目先頭を抑え、82円を突破すると5月6日高値 82.99円から引かれた抵抗線と、先週高値が重なる82.40円前後が強いレジスタンスになります。一方下値は先週支持線になった21日移動平均線と 90日線が重なる81円半ばのゾーンが試されますが、ここを下に抜けると6月10日安値80.16円がターゲットになり80円割れも視野に入るため注意を要します。ただ3月17日安値を起点とする中期上昇トレンドが週末80円前後へ切り上がってくるため、80円割れ水準では底堅い展開が予想されます。今週の予想レンジは80.00-83.00円。
カナダドル/円 CAD/JPY
先週加ドル/円は106.69円と5月30日以来の高値をつけていますが、週末はボリンジャー上限に頭を抑えられる格好で105円台へ反落しました。3 月中旬以降じり高基調を保ってはいるものの、先週末の下落で6月9日から続いた上昇局面に一巡感が台頭しているため、目先は調整リスクに警戒したいところ。先週末下値を支えた21日移動平均線(105.05-20円)が目先の支持線で、105円の大台と重なる同線が破られなければ、先週高値や5月29日高値の並ぶ106円後半を試していく展開が予想されます。しかし105円を割ってくると短中期的に90日線(103.00円)まで調整余地が広がります。ただ6日高値104.44円や、3月20日起点の上昇トレンド(103.90-104.40円)が通る104円前半は強いサポートゾーンになりそうです。今週の予想レンジは104.00-107.50円。
スイスフラン/円 CHF/JPY
先週のスイスフラン/円は104円台へ若干上値を切り上げ、104.26円へ年初来高値を更新しました。ただ今月中旬から続く持ち合い相場を上抜ける動きにはなっておらず、現在は102.70-104.30円の持ち合い相場を形成しています。次の動きに向けてエネルギーを蓄えている状況でもあるので、レンジ放れのリスクに注意は必要であるものの、当面はレンジ内での逆張り的なトレードが有効でしょうか。なお下値支持線である21日線は今週102円前半から週末に103円前後へ切り上がる見込み。今週の予想レンジは102.50-104.50円。
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■次回は6月30日(月)更新予定です
※掲載内容は情報提供を目的としており、勧誘等を目的としたものではありませんので、お取引の最終判断はお客様ご自身の責任で行うようお願い致します。
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