[トピックス]時価総額番付500社に名を連ねるロシア資源企業
フィナンシャル・タイムズは、毎年、企業の時価総額番付「Financial Times Global 500」を発表している。ロシアの資源企業は、年々、同番付における地位を増している。これは偶然の出来事ではない。今回発表された番付では、銀行に資源企業が取って代わり、新興国の企業数が多くなったことが特徴的であった。
Financial Times Global 500は、浮動株式が15%以上ある企業の時価総額番付である。すなわち、同番付には、国営の大企業は含まれていない。また、番付を作成する上で、投資会社は除かれている。
2008年、同番付の首位を占めたのは、例年通り、アメリカの石油会社Exxon Mobilであった(2008年3月31日時点の時価総額は4525億500万ドル)。Exxon Mobilに次いで2位を占めたのは、2007年にIPOを実施し、今回始めて番付入りした中国の石油採掘会社Petro Chinaとなった(2008年3月31日時点の時価総額は4239億9600万ドル)。従って、前回2位の座を占めていたGeneral Electricは3位となった(2008年3月31日時点の時価総額は3695億6900万ドル)。上記のトップ3社に続いては、4位となったのはガスプロムである(2008年3月31日時点の時価総額は2997億6400万ドル)。前回は、Citigroupが4位であったが、今年は53位に転落した。
今回発表された番付を前回のものと比較すると、資源企業が金融関連企業の座を大きく奪ったことがわかる。トップ10社を見ても、その傾向性は明らかである。今回、トップ10社の中に入った原料採掘企業は4社となったが、銀行は1社のみであった。2007年の番付では、原料採掘企業、銀行共に3社ずつで同等であった。
また、国別でみた番付入り企業にも、ある傾向性が表れた。アメリカの企業は、年々、番付における地位を失っているものの、やはり、多数を占めていることに変わりはない。2008年、番付入りした企業は、アメリカ企業が169社、日本企業が39社、イギリス企業が35社、フランス企業が31社、中国企業が25社という結果であった。残りはその他の国の企業である。今回、初めて番付入りした企業がもっとも多かったのは、ロシア・インド・中国であった。2007年には、上記3ヶ国より24の企業が番付入りしたが、2008年における同3ヶ国の企業数は51社に増加した。せめて1社でも番付入りしてほしいと願っていた10年前には、考えられなかったことである。
ロシア・インド・中国の大企業が増加してきた背景には、これらの国の経済が急速な発展を遂げていることがある。投資会社FINAMの世界市場分析部長であるAristakesyan氏は、2008年における中国・ロシア・インドの経済成長率をそれぞれ11-12%、8-9%、7.5-8.5%と予測している。世界経済の予測成長率が4-4.2%であることを考えると、上記3ヶ国の経済成長率の予測値は極めて大きいといえる。
2008年、番付入りしたロシア企業は13社であり、その13社の時価総額を合計すると、6427億7600万ドルになる。番付入りした企業数で、ロシアは、ブラジル・イタリア・オーストラリアを上回った。
ガスプロムは、この1年間で6位から4位に上昇した。ガスプロム社長のミレル氏の計画によると、同社の時価総額はまだ伸びる余地がある。先日、ミレル氏は、今後7-10年のうちに、ガスプロムが時価総額1位の企業に成長するだろうと述べた。ガスプロムが、Exxon Mobilの時価総額を抜くためには、現在の時価総額を1000億ドル以上上昇させなくてはならない。
7月1日に発表されたガスプロムの2007年決算(国際会計基準)が、多くのアナリストの予測を上回るものとなり、ガス価格も上昇傾向にあることを考慮に入れると、時価総額1位の企業となる計画は実現可能となるかもしれない。しかし、Sobinbankのアナリストは、ポジティブな予測を出すには時期尚早であるとしている。同アナリストは、「2007年の決算内容が、ガスプロムの時価総額に与える影響は限られている。市場の関心は、これまでの実績よりも、これからの期待収益にある。2008年後半におけるガスプロムの輸出による売上は記録的なものになるだろう。近いうちに、国内におけるガス料金も大きく上昇すると期待される。また、ガス採掘に課される鉱物資源採掘税も、しばらくは現行のままで変更されることはない。しかし、今後、中央アジアのガス料金が大幅に上昇することが予測されていることから、支出増を迫られることも考慮に入れなければならない。」と指摘している。
今回、Financial Times Global 500には、ガスプロム以外に、ロスネフチ(65位)、ルクオイル(89位)、ズベルバンク(91位)、ノリリスク・ニッケル(141位)、ロシア統一電力システム(185位)、スルグトネフチェガス(216位)、モバイル・テレシステムズ(358位)と、ロシアの大企業が名を連ねた。また、ノヴァテク、VTB(外貌銀行)、ノヴォリペツク製鉄、セヴェルスタリ、ヴィムペル・コミュニケーションズの5社が初めて番付入りした。
アナリストは、世界経済が低迷していることから、現時点で、資源部門の魅力は増していると考えている。世界経済の情勢が不安定である一方、ロシア国内の経済が急速な発展を遂げていることを考慮に入れると、今後、ロシアの資源企業の時価総額は伸びていくものと予測される。従って、Financial Times Global 500におけるロシア企業の地位も上昇していくだろう。
FINAM

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