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[コラム]民間企業の参画進む消防防災分野の製品開発〜東京国際消防防災展2008より〜

2008年07月09日 15:14更新 

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出展:みずほ情報総研ホームページ(http://www.mizuho-ir.co.jp/)「コラム/みずほ情報総研(株) 社会経済コンサルティング部 宮崎 浩徳  2008年7月8日付」より

6月5日から8日までの4日間に渡り、東京ビッグサイト(東京・有明)で東京国際消防防災展2008(東京消防庁、東京国際消防防災展2008実行委員会主催)が開催された。屋内では、消防防災セミナー、講演・シンポジウムが開催されたほか、『消火・救急・救助』『災害対策』『情報通信』『緊急地震速報・安否情報システム』『災害時のトイレゾーン』に約230団体が展示をしていた。また、屋外では、『消防士体験(ポンプ車乗車、放水体験)』『はしご車体験乗車』『東京消防庁による消防演習』『在日米軍消防隊航空機火災デモ』などが行われていた。

本防災展示は、毎秋に実施されている危機管理産業展とならび、例年、多数の参加者で賑わいを見せるものである。本稿では、本防災展を踏まえ、ここ数年の消防防災分野製品開発への民間企業の参画例について一部紹介する。

○民間企業の参画で高齢化に対応製品も登場

全閣僚、指定公共機関の代表者および学識経験者により構成されている中央防災会議では、今年4月に『自然災害の「犠牲者ゼロ」を目指すための総合プラン』を公表している。その中の1つの施策として、「地域の絆でお年寄りや障害を持った方を守る〜災害時要援護者対策の推進〜」があげられている。災害時要援護者※とは、災害に対処するに際して、何らかのハンディキャップを有することにより他者の援護を必要とする者を意味しており、一人暮らし高齢者(高齢者のみの世帯)、寝たきり高齢者、認知症高齢者なども含まれる。

筆者は、昨年度発生した能登半島地震、新潟県中越沖地震での被災地の方々や地方公共団体の防災担当部局や福祉部局の職員の方とお話できる機会があり、生活において水道等のライフラインが機能しなかった場合、生活において困ったことの1つとして、トイレの問題が切実であったと聞いている。特に高齢者の方々は、使い慣れていない、段差のある避難所のトイレを使用することを嫌い、我慢する傾向がみられ、避難生活を始めて約2日以降から極度に体調不良を訴えることが多くある。

東京国際消防防災展2008では、多くのメーカが災害時簡易トイレを出展しており、洋式で、便座まで段差がなく、車椅子での移動ができ、し尿処理薬剤で粉末化する仕様のものが主流であった。中央防災会議が提唱する「要援護者対策の推進」が、民間企業の参画によって利用者や支援者のニーズを踏まえたユーザビリティーの高い具体的な製品として結実している例であり、興味深く感じた。

○レスキューロボットの分野でも進む民間参入

大変昔の話で恐縮するが、レスキューロボットの代表的なのものとしては、東京消防庁、東京工業大学が1990年台前半共同開発したNINJAという、火災現場のビルを上って、被災者を救助するロボットを思い出す。ビルの壁をよじ登るなど、機構学的に困難な課題を克服したものの、1台製作するのに、数千万円の費用を要するとともに、精密機械であったため保守・点検にも注意を払う必要があった。

その後、平成14〜18年度に文部科学省では、京都大学、東京大学、(独)防災科学技術研究所等を研究コア組織として「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」を推進し、多くの研究成果をあげた。このプロジェクトの中で、NPO国際レスキューシステム研究機構会長、東北大学大学院の田所諭教授(当時は神戸大学)が中核となり、被害者救助等の災害対応戦略の最適化「災害対応戦略研究」(レスキューロボット等の高度な次世代防災インフラ構築)が進められ、レスキューロボットシステムの応用研究・試作が行われるとともに、多くの要素技術も確立された。

東京国際消防防災展2008では、NPO国際レスキューシステム研究機構の出展もあったが、それに加えて民間企業ですでに実用化・商品化されたロボットが展示されていることに驚いた。これは、パソコンでの無線操縦により、クローラーで走行し、瓦礫の下等の人が入ることが困難な空間に、障害物を乗り越えて進入し、映像やセンサー計測情報をリアルタイムに収集するもので、保全性にも優れたものであり、これまでの研究成果が具体に結実した事例であると考える。

そのほか、備蓄食料として宇宙食を展示するブースがあり、試食してみたが、一般に地方公共団体が備蓄している乾パンやアルファ米より格段美味であった。すべてとはいわないが、これらを備蓄対象品とし、住民の避難生活に“余裕”を取り入れることも必要ではないかと感じる。

総じて、消防防災分野の技術開発は、その性質上行政指導の下で進められる事項が多いが、安否情報システム等の情報通信の製品・サービスのみならず、消火・救急・救助などでも、被災者とそれを支援する方々のニーズ発掘や技術力を駆使した製品・サービスの開発が、民間企業において進んでいるのは確かである。

※ 災害時要援護者
? 自分の身に危険が差し迫った場合、それを察知することができない、又は困難な人
? 自分の身に危険が差し迫った場合、それを察知しても適切な行動をとることができない、又は困難な人
? 危険を知らせる情報を受け取ることができない、又は困難な人
? 危険を知らせる情報を受け取っても、それに対して適切な行動をとることができない、又は困難な人

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