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[レポート]7月14日週の外国為替市場分析(2)

2008年07月22日 15:48更新 前の記事 次の記事  コラム・外国為替一覧
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出展:ai明治FXホームページ(http://www.aimeijifx.co.jp/)「石井雅博のWeekly FX Report/ai明治FX(株) 石井 雅博 2008年7月21日付」より

●今週のポイント
■ファンダメンタルズ

米景気減速観測の進展に注目、GSE絡みの懸念後退で株高・円安余地も

 先週は米財務省とFRBが週明けの14日早朝のタイミングで米政府系住宅金融公社(GSE)の救済策を発表しますが、その後FRB議長が半期議会証言で米景気下振れリスクに言及し、さらにGSE二社が格下げされると市場でリスク回避のドル売り・円買いが殺到、ドル/円は105円の節目を割って16日には103.75円まで下落しました。しかし同日米金融機関の好決算をきっかけに市場は買い戻しへ反転し、翌17日にはドル/円が107円、ユーロ/円が169円へ達するまで急反騰、それまでの下落分をほぼ取り戻す展開となりました。米金融機関を巡る不安感は払拭しきれてはいないものの、GSE破たんという3月のベア・スターンズを規模の上ではるかに上回る危機と、それに伴う市場の混乱はひとまず回避されたといえます。また原油相場が大幅続落し調整局面を迎えたことや、FRB議長が金融市場の混乱に対して為替介入の正当性を示唆したこともドルの支援材料になりました。今週も原油相場や米金融機関決算に振り回される展開が予想されますが、23日に予定されるGSE改革案の承認が米議会で降りれば、いったん底打ちを示した株式市場が本格的な戻りを試す可能性も考えられます。

 今週発表される米指標は米耐久財受注や中古住宅販売件数など米景気関連のものが多く、米景気減速観測の進展に注目が集まると思われます。住宅関連指標については先週住宅着工件数などが強い結果となったものの、これはNY州で厳格化された建設基準法適用前の駆け込み需要の影響が考えられており、米住宅市場の底打ちと見るのは時期尚早と見る向きがなお大勢となっています。また企業投資の先行指標である耐久財受注はGDPの構成要素でもあるため、来週31日発表の第2四半期GDPを控えるなか注目度は高いといえます。一方英国では24日の6月小売売上高や翌25日の第2四半期GDP速報値の他、23日のイングランド銀行(BOE)議事録など注目材料が目白押しで、いずれも英景気下振れリスクを鮮明にする恐れがあるため、ポンドの下落リスクに十分注意する必要があるでしょう。BOE議事録では前回の据え置きが7対2もしくは8対1の多数票で決定される見込みですが、景気への配慮から利下げ票数が予想以上に多いとポンド売りとなる可能性も。またGDPについてはゼロないしマイナス成長に陥るリスクが指摘されており、小売売上高についても季節要因で記録的な伸び率となった前回からの反動で大幅な下振れが予想されているため、ポンドを取り巻く環境は依然として厳しいものになりそうです。

 その他豪州では四半期のインフレ指標が相次いで発表され、特に23日の消費者物価指数が注目材料となっています。先週RBA総裁は国内の需要が沈静化に向かっていると述べ、現状の金利据え置き政策を継続する姿勢を示しており、原油高の影響で同指標が上振れとなった場合も、持続的な豪ドル買いにはつながりにくいかもしれません。またNZ準備銀行(RBNZ)が来週24日に金融政策発表を行いますが、NZ経済は豪州に比べてぜい弱であるとの認識や、先週の弱い小売関連指標を受けて個人消費の鈍化が懸念されているため、現在のところ金利据え置きが見込まれているものの、景気支援のために利下げを実施するとの思惑もあり、発表後のNZドル相場の動向に警戒したい。


■主要な経済指標とイベント

7月21日(月)

《 日 :海の日 》
米バンク・オブ・アメリカ決算発表
【英】7月ライトムーブ住宅価格 (08:01)
【豪】第2四半期生産者物価指数 (10:30)
【米】6月景気先行指数 (23:00)

7月22日(火)

米ワコビア決算発表
【スイス】6月貿易収支 (15:15)
【加】5月小売売上高 (21:30)
【米】7月リッチモンド連銀製造業指数 (23:00)

7月23日(水)

【豪】第2四半期消費者物価指数 (10:30)
【英】BOE議事録 (17:30)
【欧】5月鉱工業新規受注 (18:00)
【加】6月消費者物価指数 (21:30)
【米】地区連銀報告(ベージュブック)(27:00)

7月24日(木)

【NZ】RBNZ政策金利 (06:00)
【日】6月通関ベース貿易収支 (08:50)
【独】7月Ifo景況指数 (17:30)
【英】6月小売売上高 (17:30)
【欧】5月経常収支 (18:00)
【米】新規失業保険申請件数 (21:30)
【米】6月中古住宅販売件数 (23:00)

7月25日(金)

【日】6月全国消費者物価指数 (08:30)
【英】第二四半期GDP(速報値)(17:30)
【米】6月耐久財受注 (21:30)
【米】7月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(23:00)
【米】6月新築住宅販売件数 (23:00)


■各通貨ごとの分析
アメリカドル/円 USD/JPY
 先週のドル/円は序盤から軟調で15日に6月30日安値104.97円を破ると翌16日には一時103.75円まで急落。しかし週末にかけて大きく値を戻し107.08円まで週高値を更新、前週比小幅高となる106.93円で引けました。心理的な節目の105円を割り込みトレンド転換が示唆される場面があったものの、90日移動平均線(104.30円)や95.73円→108.57円の38.2%押し水準(103.65円)がサポートとなり、下値の堅さが確認されています。ただ上値も先月から頭を抑えてきた200日移動平均線(107.15円)が、今週106円後半へ切り下がってくる中期下降トレンドとともに強い抵抗ゾーンを形成すると見られ、104.00-107.00円をコアレンジとした展開が想定されます。ただ上値は107円を引け時点で明確に突破できれば7月9日高値107.74円や108円台を試す可能性も出てくるでしょう。今週の予想レンジは104.00-108.00円。

ユーロ/円 EUR/JPY
 ユーロ/円は先週165円台へ急落する場面があったものの、週半ばから劇的な反発を遂げ169円台へ急回復して引けとなりました。週足で長大な下ヒゲが出現するなど地合いの強さがうかがわれ、また165円台への調整が一巡したことで170円台の突破が目先のテーマになります。6月下旬に169円に乗せてから170円手前で上げ渋る展開が続いているため、170円を突破すると持ち合い上放れとなり上昇リスクが一段と増す見込み。一方下値では21日移動平均線が168.10円前後を通り、3月20日から新たに引かれたトレンドラインは166円前半をサポートしています。先週安値165.30円が破られるまでは大勢での上昇基調が維持されそうです。今週の予想レンジは166.00-172.00円。

英ポンド/円 GBP/JPY
 ポンド/円もまた先週は210円割れを試した後に急反騰し、先月半ばからのレンジ上限である213円後半をトライするなどレンジ内で乱高下の展開になりました。しかし結局前週比2.30円の大幅高となり、終値ベースでは今年1月10日以来の高値213.63円で取引を終えています。地合いは強いものの6月26日高値213.88円を越えられなかったため、今週も引き続き同高値を試すことになるか、もしくはレンジ取引が継続することになるかに注目が集まります。上値は214円を突破すると次に心理的節目の215円や1月7日週高値217.29円を目指す展開が予想されます。しかし214円を明確に越えられないと、208.00-210.00円を下値支持線としたレンジ内のもみ合いが継続するかもしれません。今週の予想レンジは209.00-216.00円。

オーストラリアドル/円 AUD/JPY
 他の通貨に比べ下落幅の小さかった豪ドル/円は、週末にかけての反発で6月26日高値を突破し103.82円まで年初来高値を更新しました。今週も引き続き上値を追う展開が予想されますが、昨年11月上旬もみ合ったレンジの下限が104.30-40円台で目先の抵抗線になり、この水準を突破できれば昨年高値圏107円台を目指す動きに弾みがつくと思われます。一方下値は102円後半をサポートする21日移動平均線の他、101円後半から102円前半にかけて3月以来の上昇トレンドラインや、5月9日安値起点のチャネルが通り102円前後が底堅い印象。7月8日安値101.35円が破られるまでは100円割れリスクは限定される公算が高いといえます。今週の予想レンジは101.50-105.50円。

ニュージーランドドル/円 NZD/JPY
 NZドル/円は先週の値動きが前週の値幅内にとどまり、持ち合い(ボックス)の縮小傾向が一段と明確になりました。下値は3月以来のトレンドラインが80.20-40円まで切り上がり、一方上値も昨年高値から引かれた長期下降トレンドが21日81.50円、週末には81.20円付近を通りこう着感を増す見込み。今週も引き続き小動きが予想されますが、これまで極端なこう着状況が続いているためレンジ放れによるボラティリティ(変動率)の上昇に注意したい。今週の予想レンジは79.50-82.50円。

カナダドル/円 CAD/JPY
 加ドル/円は3月20日安値を起点とした上昇トレンドが破られ、7月2日以来の安値103.60円を示現する場面がありましたが、他のクロス円同様に週後半にかけて反発し106.48円の高値をつけ、ほぼ高値水準を維持して引けました。ただ値動き自体はレンジ内にとどまるもので、102-107円の持ち合い相場が依然として継続しています。21日移動平均線は横ばいで推移し方向感に乏しく、上値はレンジの上限である107円を突破できるかがポイントに。一方下値は5月9日安値を起点とした支持線が103.70-90円に切り上がり、ボリンジャー下限も103.80円にあるため104円割れ水準では底堅い推移が予想されます。今週の予想レンジは103.50-107.50円。

スイスフラン/円 CHF/JPY
 スイスフラン/円は先週16日に103円を割って6月23日以来の安値102.89円をつける場面がありましたが、週末にかけて104.60円まで急反発しました。ただこちらも加ドル/円と同様にレンジ内の値動きで、6月半ばから続く102.50-105.00円の持ち合い圏を崩すにはいたっていません。ボリンジャーバンドは103.30-104.70円の値幅に狭まっており、当面はこのレンジ突破の動きに注目したいところ。今週の予想レンジは103.00-105.50円。

-------Fin-------


■次回は2008年7月28日(月曜日)更新予定です

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