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[トピックス]98年の経済危機から10年:ロシア政府への信頼感は増したか?
ロシアの8月には、何らかの危機が付き物であるが、今年の8月も例外ではなかった。1998年8月の経済危機から10年経った2008年8月、南オセチアをめぐる軍事衝突が発生し、ロシア金融市場でも緊張感が増した。
翻ってみれば、アメリカのサブプライム問題が表面化してきたのも、2007年の8月であった。以来、世界的金融危機は収束の気配を見せていない。
当初は、そうした厳しい状況にあっても、ロシアがそれほど危機的な影響を受けることはないだろうと目されていた。ロシア政府は、再三、GDP成長率が伸びており、外国資金の流入額も増加していると強調してきた。事実、外国人投資家のロシアに対する関心は増していると言えるだろう。国際的格付機関も、次々にロシアの銀行業界は安定的であるとの評価を出している。
そうしたポジティブな面が認められる一方で、急速なインフレの加速という大きな問題がロシア経済に影を落としており、徐々に、ロシア経済の減速を予測するアナリストの声も広がっている。しかし、1998年に発生した経済危機という非常に苦しい時期を体験しているロシア人にとっては、さらなる繁栄を信じたいだろう。
だが、全国世論調査センターが実施したアンケート調査は、ロシア人が、国内経済に対して不安感を抱いていることを示している。同アンケート調査によると、多くのロシア人が1998年の経済危機から完全に脱し切れていないと回答している。今後、また、経済危機が発生するのではないかと危惧するロシア人の数も、この1年間で33%から38%に増加した。
また、アンケート被験者の大多数は、1998年の経済危機に関して、その責任は当時の政府にあると回答した。そして、被験者の19%は、まだ当分の間、ロシアが往時の経済危機の後遺症から立ち直ることはできないだろうと答えた。
会計コンサルティング会社FinExpertizaの社長であるMikaelyan氏は、「今に至るまで、多くのロシア人は経済危機が再燃するのではないかという懸念を抱いている。経済危機に対する不安感は、現在のロシア経済に対する不安感とも取れるだろう」と指摘する。
Mikaelyan氏は、「1998年の経済危機の際には、多額の債務があったが、現在の状況は当時とはまったく異なっている。ロシアは借りる側の債務国から貸す側の債権国に移行した。また、ロシアは、莫大な外貨準備高を保有している。当時のようなデフォルトが起きる可能性はない」と述べる。
ロシア科学アカデミー社会研究所の主任研究員であるMukamel氏は、「ロシア人が経済危機に抱く不安感は、遺伝的なものと言えるだろう。政府が国民を裏切ることもあり得るということが身に染み付いているのだろう」と術解する。
根強く残る国家への不信感は、ロシア人全体に共通している。アンケート調査によると、ロシア人が不信感を抱く対象は、国家のみならず、国内の金融機関にまで広がっている。24%の被験者が、銀行に対して多少の不信感を持っていると回答し、34%の被験者が、銀行を信用していないと回答した。FinExpertizaのMikaelyan氏は、「ロシア国民は、基本的に、政府機関を信用していない。しかし、国民の信用なくして、社会の安定化を図ることは不可能である。ロシア社会にとっては、政府機関が国民の利益のために仕事をしているという認識を共有することこそが、一番の課題である」と指摘する。
FINAM

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