[トピックス]ロシア、旧ソ連諸国との関係強化が重要課題
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9月2日、ロシアのプーチン首相は、ウズベキスタンのカリモフ大統領、及び、ミルジヨーエフ首相とエネルギー分野を始めとする両国の経済協力に関して協議を行った。特に、焦点となったのは、ウズベキスタン領内における新たなガス輸送パイプラインの共同建設に関してである。同ガスパイプラインが建設されれば、トルクメニスタン・ウズベキスタンからの更なるガス輸出が可能となる。今回、両国首脳は、ガスプロムによるウズベキスタン産ガスの買い付け価格に関しても、合意に至った。
しかし、グルジアとの紛争が背景にあるため、次のような疑問が生じてくる。ロシアが、ウズベキスタンとエネルギー分野で提携していくことは本当に有益なのだろうか。或いは、こうした動きは、グルジア問題に関して、旧ソ連諸国の後ろ盾を得ることを目的とした根回しなのではないだろうか。
CIS諸国研究所のカフカース地域部部長であるAleksandrov氏は、今回の協議には、両面性があると考えている。つまり、一方で、これは、両国にとって有益な経済的協力の構築であり、もう一方では、旧ソ連諸国にロシア支持同盟国を形成する意味合いがある。
Aleksandrov氏によると、グルジア問題については、ウズベキスタンの他にも、上海協力機構に加入しているCIS諸国がロシアを支持している。また、アルメニア、及び、ベラルーシもロシア側についている。しかし、アルメニアは、それを公然と表明することは避けたい。表明すれば、アルメニア向けガス輸送のトランジット国であるグルジアが、輸送を停止する恐れがあるためである。
しかし、ロシアとCIS諸国との関係は、各国毎に異なっている。SU-HSEの旧ソ連諸国問題専門家であるSuzdaltsev氏は、近年、欧米諸国との関係強化を積極的に推し進めてきたウズベキスタンが、グルジア問題でどのような立場を示すか、ロシアは懸念していると指摘する。
一方、旧ソ連諸国でも、GUAM加盟国(グルジア・ウクライナ・アゼルバイジャン・モルドバ)は、反ロシアの立場を示している。GUAMは、設立当初から、アメリカの政治経済的支援を受けている。従って、この4カ国による国家連合は、従来から親米路線である。
現在、アメリカは、CIS諸国と軍事的協力関係を拡大しようとしている。グルジア・オセチア紛争の後、NATOは、旧ソ連諸国に基地を配備しようとしている。メリル・リンチのロシア・CIS諸国担当経済学者のTseplyaeva氏は、特に、ウズベキスタンは、基地配備に関して、NATOから魅力的な申し出を受けていると指摘する。同氏は、「ロシアが、ウズベキスタンに対して、さらに利益が見込める提案を提示して、NATOの思惑を阻止する戦略に出ようとしているとも考えられる。また、ウズベキスタン産ガスを高く買い付け、ロシアが支配するガス輸送パイプラインを通し、ウクライナ向けのガス価格が引き上げる可能性もあるだろう。つまり、ウクライナ向けガス価格が引き上げられる一方、ウズベキスタンは、ロシア支持を堅持するだろう。」と言及する。
Sobinbankの市場分析部部長であるRazuvaev氏は、ロシアが、以前から、中央アジア産ガスの輸出を管理しようとしていた背景には、経済的観点のみならず、地政学的思惑が絡んでいたと指摘する。同氏は、「これは、中央アジア諸国にとって非常に有利である。パイプラインの建設にはロシア企業が投資するだけではなく、ロシアが買い付けるガス価格はヨーロッパ向け価格と同額である」と述べる。
また、ガス買い付け価格の引き上げに関して、ガスプロムは、トランジット料(通過代金)を導入する意向を示している。従って、中央アジア産ガスの新たな価格が反映されるのは、ガス輸入国のみである。SobinbankのRazuvaev氏は、ガスプロム株にとって、このニュースはポジティブであるが、ウクライナのエネルギー事情にとっては、大きな衝撃となるだろうと指摘する。
ロシアにとって、ウズベキスタンとの経済関係を発展させることは、今や、重要課題となった。そこには、地政学的意図が垣間見える。ロシアの政治学者は、依然、旧ソ連の盟主であるロシアが、グルジア・オセチア紛争の過程で、そのことを改めて顕示した格好となったと指摘する。しかし、現在、情勢は緊迫している。ロシアとしては、同盟国が西側に持っていかれないよう、旧ソ連地域における勢力の拡大を期す必要がある。
FINAM
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