[コラム] グローバル化と先進国失業問題
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出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティングホームページ(http://www.murc.jp/index.html)「真野輝彦客員研究理事コラム 2010年2月1日付」より
―オバマ23回、鳩山24回―
オバマ米大統領は、1月27日就任後初めての一般教書演説で、雇用の創出と財政赤字改善を最優先課題とし、今後5年で対外輸出を倍増、200万人の雇用を支援する目標値を設定した。大統領がこの演説の中で雇用という言葉を23回使用したこと、また鳩山総理が施政方針演説で「命を守る」という言葉を24回繰り返されたことが報道された。この二つの講演は先進国の雇用と生活不安の深刻さを物語っている。
事実、1月27日に発表された国際労働機関(ILO)の雇用情勢の年次報告によると、2009年の世界の平均失業率は前年を0.8ポイント上回る6.6%と、調査を始めた1991年以降で最高水準となり、失業者総数は初めて2億人を突破し、前年比14%増の2億1200万人に達したとのことである。リーマン・ショックによる世界同時不況の影響も大きいのだが、グローバル化の進展による現地生産の増大など、途上国の安い労働力との競合が先進国の失業増加に繋がっていることは明らかである。
スイス・ダボスでの世界経済フォーラムでサルコジ仏大統領がグローバル化の流れは阻止できないことを強調し、各国協調による対応の重要性を指摘している。しかし具体的な協調となると簡単ではない。各国政府や民間企業の各種問題への優先度が異なり、協調の具体的な目的、手段がなかなか一致しないからである。昨年末デンマークでのCOP15はその好例であり、今回のダボス会議でも金融の役割や規制に関して激しい論戦が行われている。
最後に忘れてならないことはオバマ大統領の財政・雇用問題と比べ、鳩山総理の「命を守る」という課題の裾野は広く、雇用不安などの経済問題のみならず、安全保障問題が含まれることである。連立与党が、基地問題の解決を含め、日本国民の生命の安全確保に不可欠な日米安全保障の深化に、早急に対応することを期待したい。
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真野 輝彦(まの てるひこ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 客員研究理事
1956年 東京銀行入行。
フランクフルト支店為替課長、本店為替部次長、スイス東京銀行総支配人、
丸の内支店副支店長、調査部長を歴任。
1985年東京銀行取締役、1987年東京銀行参与。
1996年合併に伴ない、東京三菱銀行参与。
1999年より現職
日本商工会議所・東京商工会議所 政策委員会委員
国策研究会 評議委員会議長
日本国際フォーラム 政策委員
読売国際経済懇話会 特別会員
International Club of Bank Economists会員
国際通貨研究所 評議員
聖学院大学・大学院 教授
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