ソブリンリスクで信用危機が長期化する恐れ=IMF
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国際通貨基金(IMF)幹部は20日、ソブリンリスクにより信用危機が長期化する可能性があると警告した。ただ、危機に直面しているギリシャは個別のケースであるため、他のユーロ圏諸国が同様の危機に見舞われると考えるべきではないとした。
IMFの金融・資本市場部門を率いるホセ・ビナルス氏は、IMFが公表した世界金融安定報告についての記者会見の席上、各国の国内総生産(GDP)に対する債務の割合は、第2次世界大戦以来の高水準に近づいていると指摘。「デフォルトリスクに関する懸念が増大しており、特に国の信用に関わる問題が他の国や銀行システムに波及した場合、金融の安定性が揺らぐ恐れがある」と警告した。
その上で「政府の借り入れ需要が増大している一方で信用供与が低下している。このことで金利が上昇し、民間部門への信用供与が低下する可能性がある」と述べた。
ただビナルス氏は、次なる危機が差し迫っているとIMFが警告しているわけではないとし「IMFは、今回の危機の結果、公的債務が膨んだことで、市場でソブリンリスクに対する懸念が出ていると指摘しているだけだ」と述べた。
同氏は、各国政府は中期財政緊縮措置の策定に直ちにとりかかる必要があるとしながらも、ポルトガルやスペインなどの国がギリシャ型の危機に見舞われるとの懸念はないとし「ギリシャは個別のケースだ。他の国が同様の状況に直面しているとは考えていない」と語った。
ただ「ギリシャのような極端なケースでは問題が深刻化するという意味で、ギリシャ問題は警鐘を鳴らしている」と述べた。
IMFはこの日は公表した世界金融安定報告で、全世界の銀行による2007年─2010年の評価損計上の総額は2兆3000億ドルになると予想。前年10月の2兆8000億ドルとの予想を下方修正した。
このうち米国は5880億ドルと、660億ドル下方修正された。ユーロ圏は前4430億ドルと380億ドル下方修正された。
ビナルス氏によると、世界の銀行による借り換え需要は、向こう3年間で約5兆ドルに達する。同氏は、危機の間に銀行が短期債を発行しなければならならず、こうした短期債が順次償還期限を迎えると指摘。向こう数年間に銀行が直面する資金調達圧力に関係してくるとしている。
アジア開発銀行(ADB)は13日、「2010年アジア経済見通し」を発表し、日本やオーストラリア、ニュージーランドを除くアジア太平洋地域の国内総生産(GDP)平均成長率が7.5%になると予測した。
同地域の成長率は2007年に9.6%の高い成長率を記録したが、世界的な金融危機により2009年には5.2%に落ち込んだ。2010年には世界貿易が回復する上に、各国の景気刺激策の効果が続き、成長率が大幅に改善すると見込んだ。
国別では、中国で9.6%、インドで8.2%の高い成長率が継続すると見込まれている。ほかに、内戦が終結したスリランカが6.0%、東南アジアが5.1%と予測された。
一方、2011年は景気刺激策の効果が消え、成長ペースが7.3%とやや鈍化すると予測された。ADBは「アジア太平洋地域の景気回復は強固であり、内需拡大という課題を達成できれば、さらに力強く持続的な成長が見込まれる」とした。
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