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中国、戦略的外交で原油輸入リスク削減-インドは警戒

2010年09月02日 13:33更新 mailメール

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     インドのクリシュナ外相は先月31日、「インド政府は中国がインド洋周辺国に強い注目を示していることがわかってきた」と述べた。中国は原油ルート確保のためインド洋周辺国と戦略的外交・支援を行っている。

     中国の原油消費量は世界第2位となっており、2008年には日量800万バレル近くまで至った。中国の電力消費量も増加しており、同国における原油需要は年々増加する一方となっている。

     ヘリテージ財団の中国政策専門家ディーン・チャン氏によると、中国は輸入する原油のほとんどを中東からタンカーで輸送しているという。原油タンカーはペルシア湾からイランとアラブ首長国連邦の間のホルムズ海峡を通過、インド洋を東に横切りマレーシアとインドネシアの間のマラッカ海峡を通ってやっと中国南西部の港に辿りつく。

     そのため南アジアやインド洋海域は中国の資源獲得・権益確保において戦略的な場所となっているといえる。チャン氏によると、中国は南アジアやインド洋海域で同盟関係を模索し、権益を守ろうとしているという。


    スリランカ

     スリランカはインドの南に位置しており、原油タンカーで通過する中間地点となる戦略的な場所に位置している。近代中国は歴史的にスリランカと良好な関係を築いてきた。1950年にはスリランカは中国政府に非共産主義国家として初めて外交関係が認められた国のひとつとなっていた。チャン氏によると、中国は現在スリランカに軍を派遣し、政治的・経済的支援を行っているという。

     中国の支援によって、スリランカは同国で今後生じるであろう電力不足に対応するためのノロチョライ石炭火力プロジェクトが進んでいるという。また同国南岸沿いにあるハンバントータのコンテナ開発も支援しているという。

     中国にとって、ハンバントータの港は中東から原油を輸送する中間地点として必要な戦略地域としてはもっとも小さい場所であるという。ただ今後同港を中国海軍が通過することもあり得るという。



    パキスタン


     中国は1950年にパキスタンが中国と外交関係をもってから良好な関係を続けてきた。最近になって、中国はパキスタン軍部に多様な武器を提供し始めている。また資金提供も行っており、初期投資として2億ドル(約170億円)、さらにパキスタン港湾グワダル開発のため労働者も提供しているという。チャン氏によると、グワダル港はパキスタンが海軍設備を増強するのに必要な港であるという。

     中国にとってはグワダル港は中国原油タンカーがペルシャ湾を出て原油輸送を海運から陸運に変えることができる重要な地点となっている。グワダル港からパイプラインや列車を通して中国に辿りつくことができるという。グワダル港が利用できれば、中国の原油輸送ルートはインド洋を横切るよりずっと近道をすることができ、マラッカ海峡で海賊に襲われるリスクも回避することができる。


    ミャンマー


     チャン氏によると中国はミャンマー軍事政権を支援する数少ない国の一国となっている。ミャンマー軍事政権支援も中国の国益に絡んでいる。シルクロード時代の同国は歴史的に中国への陸路として戦略的な場所であった。今日でもミャンマーはインド洋を通過した後にたどり着く場所で、ここから陸路に入ることでマラッカ海峡での危険を避けることができる。ミャンマーはまた同国の原油や天然ガスも豊富にあるため、中国はミャンマーから直接エネルギーを輸入することもできる。チャン氏によると、中国はミャンマーの石油パイプライン建設支援や、新たな港湾開発支援も行っているという。


    インド

     近代中国とインドの関係はあまり良いものではなかった。1962年には中印国境紛争が生じていた。隣国のためあらゆる面で競合関係にあった。しかし中国の原油タンカーは、パキスタングワダル港から陸路に入らない限りインドの南側を通過しなければならない。そのため中国の原油輸入はインド海軍が強化されることで潜在的にリスクが生じてくる可能性があるという。そのため中国はビルマやスリランカ、パキスタンのようなインド近隣諸国との良好な関係構築を模索しているという。

     クリシュナ印外相もこの動きを察知しており、8月31日には「インドは中国の動向に注視している。インド洋周辺での中国支援による開発事業も注視している」と述べている。

    (米IBTimes Hao Li)

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