[コラム]ロシア、OECD(経済協力開発機構)への加盟交渉が始動
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ロシアは、OECD(経済協力開発機構)への加盟交渉を開始した。先週、ナビウリナ経済貿易発展相は、OECDの活動に対するロシア連邦の立場を示す覚書をパリのOECD事務局に提出した。こうして、ロシアのOECD加盟交渉が始動したわけである。覚書が確認された後、ロシアのOECD加盟要件を確定するための各委員会による協議が行われる予定である。コーポレートガバナンス、汚職対策、投資、競争の促進、労使関係、環境問題等、OECDには、200相当の法的基準がある。
OECDは、30カ国以上の先進国が加盟し、各国政府が経済社会政策の審議、策定、修正を行うフォーラムである。そもそもは、アメリカのマーシャルプランに沿って、欧州復興計画を担う組織として、欧州経済協力機構の名称で1948年に設立された。OECDに加盟する各国政府は、資本・サービスの自由移動を奨励する法律の制定や汚職対策協定、補助金を廃止する造船協定等、同一の行動指針を得るために意見交換を行っている。OECDは、設立当初は、欧州・北米の加盟国から成り立っていたが、後に、日本、オーストラリア、ニュージーランド、フィンランド、メキシコ、チェコ、ハンガリー、ポーランド、韓国が加盟した。
ロシアとOECDの関係は、市場改革のあった1990年代に始まった。1997年、OECD、並びに、ロシア政府は、OECD加盟が両者としての最終目的であるとの合意に至った。2007年5月には、OECD加盟国がロシアのOECD加盟交渉開始を認めた。2009年1月、WTO、及び、OECDに関する政府委員会は、経済貿易発展省に対して、OECDの基準をベースとしたロシアの法律に基づく覚書の原案作成を一任した。
6月24日、OECDの事務総長に手渡したナビウリナ経済貿易発展相は、「これは、世界経済システム、及び、その主要機関への統合を目指すロシアの戦略を展開させる重要な出来事である」と述べた。グリアOECD事務総長は、「ロシアは、国際的な法的慣習に則って、自国経済の改革を図る意欲があることを示している。」と評価した。また、同事務総長は、「OECDの役割は、加盟国の効率的な市場経済向上政策を支援することにある。」として、ロシアの改革をOECDとしても支持する意向を明らかにした。
OECDとの関係性が活発化したのは、WTO(世界貿易機関)との交渉が事実上凍結した時期と重なっている。ロシアは、WTOへの加盟申請を撤回し、ベラルーシとカザフスタンを交えて関税同盟としてのWTO加盟を目指す。関税同盟が設立されるのは2010年の予定である。ベラルーシのセマシコ第1副首相は、それからWTOへ加盟するまでには、10-12年かかるだろうと考えている。
ING BankのエコノミストであるOrlova氏は、ロシアには、種々の経済機構に加盟したいという思惑があるとしながらも、ロシアの経済政策が国際機関に加盟する上でのプロセスによって決定されることはないと考えている。同氏は、「先日のWTO加盟交渉凍結が示すように、現在、ロシアにとっては、何らかの国際機関に加盟することよりも、自国の経済圏やCIS諸国における貿易関係を整備することの方がはるかに重要なのである。」と述べる。
アルバート・キャピタル・アセットマネジメントの分析部副部長であるPavlov氏は、「ロシアのOECD加盟は遠いだろう」と考えている。同氏は、「OECDへの加盟は、WTOへの加盟よりも難しい。相応の経済力が求められ、一定の経済規模になっていることが必要だからである。加盟して恩恵を得ることばかり考えていては、通用しない。もっとも、ロシアのインフレ率は10%台である。インフレ率が2%相当の先進国の水準とは合致していない。しかし、OECDに加盟したからといって、ロシアの経済情勢が良くなるわけではない。OECD加盟は、どちらかというとイメージの問題である」と述べる。
OECD が新たな経済予測を発表したのは、OECD加盟交渉の始動と同時期であった。それによると、2009年におけるロシアのGDPは6.8%のマイナス成長となり、2010年には3.8%のプラス成長に転じる見通しである。OECDのロシア経済に関する新たな調査結果は、7月15日にモスクワで発表される予定である。
FINAM
2009_06_30L
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