デル、ソニー製バッテリー無償交換へ、負担費用はソニーに
【ダラス 15日 AP通信】デル製ノートパソコン所有者が同社PC中のリチウムイオンバッテリーがオーバーヒートして発火する恐れがあるとの14日の発表を受けて、デル社の無償交換案内サイトへのアクセスとカスタマーサービスセンターへの電話が集中している。
世界最大PC製造会社であるデル社は、14日410万台のデル製PCに含まれているバッテリーについて無償で代替品を提供すると発表した。デル社はその後バッテリー交換について製品購入者から、10万件以上の電話を受け、またウェブサイト上のバッテリー交換案内ページには2300万以上のアクセスが集中した。またその日の午後には7万7千件のバッテリー交換の注文を受けた。
デル広報官イラ・ウィリアムズ氏は、今後どれだけの製品購入者がバッテリー交換待ちになるか検討がつかないと話している。デル社はカスタマーサービスが貧弱であるという苦情や、売上高の不振に悩まされる最中、このようなリコールが生じるに至った。
デル社のバッテリー交換はソニー製のバッテリー製品の欠陥が原因となっている。今回問題となったバッテリーはソニー製バッテリーで、デル社は「今回の無償交換の費用はソニー社が負担することになる」とほのめかした。アナリストらは今回の無償交換による損害高は、2億ドルから4億ドルになるだろうと予測している。
ソニー社側も今回の事件での同社の責任を自覚しているが、ソニー製のバッテリー計数百万台中数台のバッテリーが発火したというだけであり、バッテリーが実際発火することは極めてまれにしか起こらないと述べている。ソニーは今回問題となったバッテリーを同社のPCおよびデル以外の他社のPCにも提供しているが、デル社のPC内のバッテリーの不具合が他社製のパソコンにも影響を及ぼすかどうかは今のところ定かではない。
ソニーの広報官リック・クランシー氏によると、ソニーは現在デル社の満足の行くような同社の製品欠陥の状況説明を準備しているところであるという。また今回の問題に対する同社の対処についての詳細のコメントは拒否した。
同社の問題となったバッテリーはリチウムイオン製で、以前にもリチウムイオンバッテリーによる欠陥が報告されている。昨年はアップル社が韓国LG Chem 社製のリチウムイオンバッテリーを回収している。2004年には、連邦航空局はリチウムバッテリーを航空機で大量輸送することをバッテリー発火のおそれから禁止している。しかしながら、乗客らはリチウムイオンの入ったPCや携帯電話を手荷物として機内に持ち入れることは許可されている。
米テクノロジーアナリストのロジャー・ケイ氏によると、今回のリコールをきっかけにパソコン製造業者がリチウムイオンバッテリーの使用を避けることはなさそうである。ケイ氏によると、「きちんと製造されたリチウムイオンバッテリーは完全に安全だ。ソニー社はバッテリー製造過程で問題を起こしており、今回の問題はリチウムイオン技術そのものによるものではない」としている。
中国レノボグループもソニー社リチウムイオンバッテリーを使用しており、毎年数台のバッテリーオーバーヒートの報告があるが、リコールを行う予定はないとしている。アップル社もこのバッテリー問題の同社PCの状況について調査中であり、ヒューレット・パッカード社は、ソニー製バッテリーを一切使用していないため、今回の問題は一切影響していない。一方富士通は自社製のバッテリーを使用している。
デルのリコール対象製品は「Inspiron」,「XPS」,「Precision mobile workstation notebooks」で2004年4月1日から今年7月18日までに発送された製品。
このような状況にも関わらず米投資家らは今回のリコールの影響を無視し、デル、ソニー社の株価を押し上げており、15日ニューヨーク証券取引所にて、デル株価は84セント上昇し、22.08ドルとなり、ソニー株価は62セント上昇して45.43ドルとなった。
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