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[コラム]就職未定者増加の背景

2010年04月21日 21:22 更新

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出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティングホームページ(http://www.murc.jp/index.html)「真野輝彦客員研究理事コラム 2010年4月1日付」より

―自発的失業の側面も―

 桜の咲く4月は、新年度の始まりであり、新しく社会人となった若人が、希望に胸を膨らませて出勤する季節である。しかし、就職未定者が増加しているのが現状である。厚生労働省及び文部科学省による「平成21年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(平成22年2月1日現在)」によれば、本年2月1日現在の内定率は80.0%である。昨年2月1日現在の内定率86.3%が、4月1日には95.7%に改善したことを勘案しても、今年の4月1日時点の内定率は、90%を下回ると予想される。10人に一人が「大学は出たけれど」という状態である。その原因は、3つに大別されると考える。

 第一は、グローバル化による先進各国失業率の平準化である。欧米の失業率は約10%であり、日本だけが5%水準を維持することが難しい。資源小国の日本が封鎖経済への逆戻りが不可能なことは言うまでもない(本年3月1日付コラム参照)。

 第二は、今年の春闘の大手企業の労使交渉でも定期昇給など年功序列型の賃金カーブが維持されている。新年度一括入社が多い日本では、雇用調整の最大の場が新規採用に集中されることになる。

 第三は、就職未定者の全てが必ずしも非自発的失業ではないことである。「危険、きつい、汚い」の3Kの忌避問題は、職種を選択しなければ就職可能である自発的失業なのである。有能な人材確保の好機として新卒採用を検討している将来性のある中小企業も多く、求人数は必ずしも減っているわけではない。しかし、倒産が多かったためか、安定性重視の傾向が強まっている。その背景には、少子化があることは言うまでもない。

 この問題は、今年で終わるわけではない。巨額の財政赤字を抱えていることからケインズ流の雇用政策は期待できない。民間部門の省エネ投資分野や介護分野などでの雇用拡大の努力と同時に、それにこたえる就職希望者の一層の自己研鑽が不可欠である。


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真野 輝彦(まの てるひこ)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 客員研究理事
   
  1956年 東京銀行入行。
  フランクフルト支店為替課長、本店為替部次長、スイス東京銀行総支配人、
  丸の内支店副支店長、調査部長を歴任。
  1985年東京銀行取締役、1987年東京銀行参与。
  1996年合併に伴ない、東京三菱銀行参与。
  1999年より現職
   
  日本商工会議所・東京商工会議所 政策委員会委員
  国策研究会 評議委員会議長
  日本国際フォーラム 政策委員
  読売国際経済懇話会 特別会員
  International Club of Bank Economists会員
  国際通貨研究所 評議員
  聖学院大学・大学院 教授
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