全米レコード協会とアップル、DRMで論争に
アップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏は米主要レコード会社各社にオンライン音楽への複製防止規制を取り除くように勧めているが、7日、全米レコード協会はこの勧めに反感の意を示し、アップルが各レコード会社の代わりに著作権侵害防止技術を提供すべきだと要求した。
全米レコード協会会長Mitch Bainwol氏は、もしアップルが独自の著作権侵害防止技術を提供するなら同協会はアップル「iTune」ミュージックストアから購入した楽曲を「iPod」以外のデジタルデバイスでも視聴できるように複製防止規制を解除すると発表した。
ジョブズ氏はレコード会社各社にオンライン音楽に関するデジタル著作権管理(DRM)を撤廃するように呼びかけている。DRMは電子機器上のコンテンツ の複製など不正利用を防ぐために用いられる技術の総称である。
DRMによって「iPod」で再生できる音楽は「iTune」で購入された楽曲のみに限られ、競合他社のデジタル音楽ダウンロードサイトで購入した音楽は視聴できないようにされている。
ジョブズ氏によると、DRMを解除することによってオンラインデジタル音楽市場のさらなる拡大を図ることができるという。
米音楽業界では、ユニバーサルミュージックグループ、EMIミュージック、ソニーBMG音楽エンタテインメント、ワーナーミュージックグループの4社が市場の70%を占めており、各社とも著作権保護のためにDRMを適用している。
ジョブズ氏はこのDRM適用に反対しており、「iTune」で購入した音楽を「iPod」他すべてのデジタル音楽プレーヤで再生できるようにDRMを各レコード会社が解除することを願っている。
この問題に対し7日、業界アナリストらの一部はジョブズ氏の姿勢を支持し、レコード会社各社がジョブズ氏の意向に応じるように提案した。
米Forrester ResearchアナリストのTed Schadler氏は、「DRMは全く機能していない。DRMの適用は消費者を信頼していないことをアピールしているようなものだ」とDRM技術適用に反対の意を示した。また米Inside Digital Media上席アナリストPhil Leigh氏も、DRMを解除することでレコード会社各社の音楽認知度はより高まると分析しており、「デジタル音楽は現在主流になりつつある。レコード会社各社が規制をかけることでデジタル音楽ダウンロード市場の発展を妨げている」と述べた。
しかし、すべてのアナリストがDRM技術適用に反対しているわけではなく、ジュピターリサーチ音楽メディアアナリストのDavid Card氏は「DRMなしにはデジタル音楽商売は成り立たない。各レコード会社は著作権を無視して不法にコンテンツが行き渡ることに非常に神経質になっている」と述べている。
すでにDRMを解除してオンラインダウンロードサイト上で試験販売して収益上昇を示しているレコード会社も存在しており、全米レコード協会全体のDRMへの姿勢は、今後のアップルとのやり取りが注視されている。
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