英音楽大手のEMIグループが、同社の楽曲をコピー防止機能のついていないMP3形式で販売する可能性についてオンラインの音楽配信業者と話し合っている。複数の関係筋からの情報としてウォール・ストリート・ジャーナルが9日伝えた。 MP3形式はコピーに対して制限がなく、大半の機器で再生できるため、視聴者にとっては購入元サービスや保有している再生機器にかかわらず楽曲が再生できるという利点がある。 例えば、現在アップルのiTunes Storeで購入できる楽曲は、「FairPlay」として知られるアップル独自のデジタル著作権管理技術(DRM)を採用しており、同社のiPodでしか再生できない。また、別のDRMを採用している音楽配信サービスで購入した楽曲はiPod上で再生できない。一部ではこのことが売上の妨げとなっていると考える向きもある。 情報筋によると、EMIは音楽配信業者に対して、EMIの楽曲をMP3で提供する場合、引き換えにどの程度の額を前払いできるかを伝える提案を8日までに提出するように求めたという。情報筋の一人によると、EMIがこの戦略を進めるかどうかは配信業者の提案額の大きさに基づいて決定する。決定は早ければ9日に下されるという。 今週初め、アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)はレコード会社に対して不正コピーを制限するためのDRM使用をやめるように呼びかけた。ジョブズ氏は、このような制限が著作権侵害の防止のためにわずかしか貢献せず、オンライン音楽市場を広げる機会を妨げていると述べた。 一人の情報筋によると、複数の大手音楽会社が最近コピー防止を廃止することを検討したが、いずれもEMIほど進展しておらず、一部の企業は、著作権侵害を防ぐためにはコピー防止のソフトウェアが非常に重要だと考えているという。 EMIはシングルの楽曲をDRMの無いMP3形式でリリースする試験を行っている。ここ数カ月の間にノラ・ジョーンズ、リリー・アレン、Relient Kの楽曲をリリースした。EMI広報担当のJeanne Meyer氏によると、結果は非常に肯定的で、反響は大きかったという。