タカタのリコール問題:ホンダがエアバッグメーカーは信頼できないと発言

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  • エアバックによって負傷したエルドマンさんが公聴会で証言を行った。

    2014年11月20日、米空軍中尉ステファニ・エルドマン(Stephanie Erdman)さんが、米ワシントンD.C.連邦議会で開かれた上院商業科学運輸委員会の「タカタ製エアバッグの欠陥およびリコール処理の検証」に関する公聴会で証言した。エルドマンさんは2000年にホンダ・シビック(Honda Civic)車を運転中に事故を起こし(背景に事故当時の写真)、破裂したエアバッグから飛散した金属片で右目を失明した。

    ロイター/ゲイリー・キャメロン(Gary Cameron)さ
  • タカタ製エアバッグのリコールの影響を受ける関連10社の自動車台数

    タカタ製エアバッグのリコールの影響を受ける10社の自動車メーカーのうち半分の5社が、特定台数ではなく、推定台数として提示している。ゼネラルモーターズ(GM)は、同社が製造・販売していた乗用車のブランドの1つであるポンティアックス(1926年に設立され、84年間使用されたのち、2010年に廃止された)と、スウェーデンの自動車メーカーだったがGMの出資を受けて完全子会社となったサーブ(Saabs)による、わずかな数を除いて、エアバッグ関連のリコールを全く報告していない。

    グラフはメディアレポート、企業ニュースリリース、米国運輸省の
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2014年11月20日、米空軍中尉ステファニ・エルドマン(Stephanie
2014年11月20日、米空軍中尉ステファニ・エルドマン(Stephanie Erdman)さんが、米ワシントンD.C.連邦議会で開かれた上院商業科学運輸委員会の「タカタ製エアバッグの欠陥およびリコール処理の検証」に関する公聴会で証言した。エルドマンさんは2000年にホンダ・シビック(Honda Civic)車を運転中に事故を起こし(背景に事故当時の写真)、破裂したエアバッグから飛散した金属片で右目を失明した。写真: ロイター/ゲイリー・キャメロン(Gary Cameron)さん

 日本の自動車メーカー、タカタにはうんざりしている。同社製の不具合のあるエアバッグシステムを搭載した車に対するリコールは世界規模にまで拡大した。12月9日、日本の自動車メーカーであるマツダ(Mazda)は、タカタ製エアバッグを運転席に搭載した車両を全米規模で調査リコール(回収・無償修理)する方針を固めた。マツダの全米でのリコール拡大は、タカタのリコール対応に最初に不満を表明したホンダ(Honda)に続く動きである。また、ホンダは同日、日本国内での調査リコールについて「日本では不具合は確認されていないが、お客様の安心を最優先し、自主的に全品回収調査を行う」と発表した。

 「原因究明に関してタカタに頼ることはできない」とホンダ(本田技研工業株式会社)の伊東孝紳(いとう たかのぶ)代表取締役社長執行役員は9日、日本経済新聞に対して発表した報告書で語った。「部品の問題としてではなく、車の問題であるという見解に基づいて対応を取っていく必要がある」と加えた。

 ホンダは12月4日、米国の約300万台を影響を受けた自動車のリストに追加すると発表した。少なくとも10社の製造メーカーが関与しているが、ホンダの伊東社長は直ちに世界規模でのリコールを実施し、少なくとも5人が死亡した事故に関連して、問題の原因究明のために独自のエンジニアを配備した第三者調査委員会を設置するとした。不具合のあるエアバッグは展開時に激しく破損して金属破片がバルーンのファブリックを突き抜けて車両の室内に飛び散る危険性がある。このため運転手と乗客は、怪我をするはずのないような、わずかな衝突でも負傷する可能性がある。

 ホンダは先月、11月6日、不具合の可能性があるタカタ製エアバッグが搭載された車種の正式なリコール(回収・無償修理)を米13州・地域で開始したことを明らかにした。同社は、この措置は既に行っていた「安全性向上キャンペーン」を拡大するものであり、オーナーが修理のためにホンダの代理店に対象車を持ち込んでくれることを期待していると語った。リコールの正式化は規制当局への特定の報告義務を伴う。米道路交通安全局(NHTSA)は以前、タカタのエアバッグ問題の影響を受けるホンダと同社の高級車ブランド「アキュラ」車は約500万台としていた。NHTSAによると、問題のエアバッグは全部で10社が生産する780万台に搭載されている可能性があるという。12月8日、ホンダの米国法人、アメリカンホンダはタカタ製エアバッグ搭載車のリコールを全米に拡大すると正式発表した。

 ホンダでは、タカタ製エアバッグの不具合によるリコールを2008年から既に実施してきた。しかしここ数か月の間に米国で不具合の影響を受けてリコールが見込まれる車両の台数は大幅に増加した。アイビータイムズは米国の国家道路安全局(NHTSA)に数値の特定を尋ねたが回答は得られなかった。

 マツダは12月9日、ホンダに続き、既にエアバッグ関連のリコールを発表していた約87,000台に加えて、全米にリコールを拡大すると発表した。

タカタ製エアバッグのリコールの影響を受ける10社の自動車メーカーのうち半分の5社が、特定台数ではなく、推定台数として提示している。ゼネラルモーターズ(GM)は、同社が製造・販売していた乗用車のブランドの1つであるポンティアックス(1926年に設立され、84年間使用されたのち、2010年に廃止された)と、スウェーデンの自動車メーカーだったがGMの出資を受けて完全子会社となったサーブ(Saabs)による、わずかな数を除いて、エアバッグ関連のリコールを全く報告していない。グラフはメディアレポート、企業ニュースリリース、米国運輸省の道路交通安全局(NHTSA)による。
タカタ製エアバッグのリコールの影響を受ける10社の自動車メーカーのうち半分の5社が、特定台数ではなく、推定台数として提示している。ゼネラルモーターズ(GM)は、同社が製造・販売していた乗用車のブランドの1つであるポンティアックス(1926年に設立され、84年間使用されたのち、2010年に廃止された)と、スウェーデンの自動車メーカーだったがGMの出資を受けて完全子会社となったサーブ(Saabs)による、わずかな数を除いて、エアバッグ関連のリコールを全く報告していない。グラフはメディアレポート、企業ニュースリリース、米国運輸省の道路交通安全局(NHTSA)による。

 タカタは依然として、高温多湿の気候地域で登録されている車の、エアバッグインフレータ(膨張装置)交換を優先する必要があると主張している。同社は欠陥とその原因についての詳細や概要を説明することは避けているが、インフレータを通過した湿気と装置内部の化学作用によって爆発的な過膨張につながるとし、高温多湿の大気状態が、このような状態を助長すると述べている。

 この問題に加えて、現在、タカタは十分な速さで需要を満たす交換部品の製造能力を持っていない。このため、システムの修理を望む多くの車の所有者は待たなければならない。

 批評家は、車は米国内の一箇所から他の地域へ移動するので、一部地域だけのリコールでは不十分であると指摘している。さらに、エアバッグリコールだけでなく助手席側のユニットにまで対象を拡大するよう要求している。現在、NHTSAは自動車メーカーに対して、影響を受けたすべての車両にリコールを拡大することや、助手席側のエアバッグにまでリコールを拡大することは要求しておらず、この点の対処方法は各自動車メーカーに決定をゆだねている。

 「タカタに対して私たちが望むことは、NHTSAや議会に伝えたことのコピーを私たちにも提示して欲しいということだ。そうすれば私たちはクライアントのために何ができるのか判断を下せる」とマイアミに拠点を構えるポデュハースト・オーセック(Podhurst Orseck)法律事務所に勤務するピーター・プリエト(Peter Prieto)さんは述べた。同法律事務所は、エアバッグのリコールによって販売する車の魅力は損なわれたとする車両の所有者や中古車ディーラーの代理として、日本のエアバッグメーカーに対する最初の訴訟を提起した。「今のところ証拠となるドキュメントは持っていないが、見つけ出すよう試みている。1つには、なぜ欠陥が発生したのか。そしてさらに重要なのは、どの程度広がっているのかということだ」とプリエトさんは話した。

 プリエトさんの法律事務所はエアバッグのリコールに関連する約40の集団訴訟を米フロリダ州南部地区に集約することを求めている。広域係属訴訟司法委員会が集団訴訟を決定し、審理についての決定を下すが、広域係属訴訟司法委員会による次の公聴会は2015年1月29日にフロリダ州マイアミで予定されている。

 先月、上院商業科学運輸委員会のメンバーは、タカタが、過ちを犯した上に、影響を受けたすべての車両の部品にブランドや地域に関係なくリコールを拡大しないとして非難した。

 *この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。