FRB利上げに向けたイエレン議長のメッセージ、市場の混乱回避

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米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長

米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長

ロイター

 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は17日に行った米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で利上げ時期が近付いていることを明確にし、難しい政策の軌道修正を行った。

 来年の利上げが視野に入る中でFRBは10年ぶりの金融引き締めの地ならしをしつつ、利上げはまだ数か月先で、緩やかなペースで行われるという市場の期待を損なわないようなメッセージを送る必要があった。

 この点においてイエレン議長のやり方は成功したとエコノミストは評価している。

 議長は利上げ決定には「辛抱強い」アプローチをとるが経済状況を踏まえて対応すると表明。会見前は市場は9月の利上げ開始を織り込んでいたが、引け後もこの予想は変わらなかった。

 ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのマネジングディレクター、スコット・クレモンズ氏は「市場は『なるほど、了解した』という反応を示した。FRBは市場を混乱させるつもりはなく、安定的な金融政策で資産価格を支え続けるということだ」と語った。

 FOMC声明には3人が反対票を投じたが、2人は早期の利上げを主張し、1人はより慎重なスタンスをとるよう求めた。反対票の数はイエレン氏の議長就任後で最多となった。

 声明はインフレ指標の低下に言及するなどハト派的と受け止められた。これに対し、イエレン議長は会見でよりタカ派的な見解を表明。利上げ開始時のインフレ率は現在の水準に近いだろうと述べ、4月にも利上げを行う可能性を示唆した。こうした発言で米株価と国債利回りの上昇が抑制された。

 クレディ・スイスのエコノミスト、ダナ・サポルタ氏は「(経済予想と合わせると)FOMC声明は10月の会合よりもハト派的だったが、トーンに関しては議長会見である程度バランスをとった。これが市場に反映された」と分析した。