原油安の影響は織り込み済み、センチメントに変化=米株見通し

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 原油の値下がりが数週間にわたって株価を押し下げてきたが、この2つは徐々に異なる値動きをし始めている。エネルギー企業の業績への影響は織り込み済みとの見方も出ており、市場のセンチメントが変化しつつあるようだ。

 12日までの週に原油価格は10%以上下落。エネルギー企業の社債、業績などを懸念した株売りを背景に、S&P総合500種.SPXは3.5%下落した。

 しかし18日は、原油が値下がりしても、S&P500は急上昇。好景気がもたらすプラスの影響に注目が集まった。

 プルデンシャル・ファイナンシャルのマーケットストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は、原油が下落しても市場はもう材料視しない、との見方を示した。

 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのクレジットストラテジスト、ハンス・ミッケルセン氏は、17日のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の会見も原油と株の相関性低下に影響したと指摘し、「イエレン氏は原油安が今後、米国の景気に総じてプラスに働くという状況を説明し、さらにインフレ率に対する下押し圧力についても否定的な見解を示した」と述べた。

 第4・四半期のエネルギー企業の業績は前年同期比19.2%の減益となる見込み。10月1日時点では6.6%の増益が予想されていた。

 JPモルガン・ファンズのグローバル・マーケット・ストラテジストのジェームズ・リュウ氏は第4・四半期業績の短期的な影響が「S&P500にも及ぶ」と認めつつ、「今後数四半期には、前向きな材料になる」と指摘した。

 16日まで、S&P500と北海ブレント原油先物LCOc1の10日間の相関係数(連動度)は0.97で、値動きがほぼ一致していた。直近の相関係数は0.42で、相関性は低下している。

 ただ、市場はブレント原油が少なくとも1バレル=60ドル前後の水準で推移することを期待しており、原油価格の下落基調が再び強まれば、株価に下押し圧力がかかる可能性も否定はできない。