アングル:サムスンの独自OSに暗雲、グーグル依存脱却は困難か

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タイゼンを搭載したスマートフォン、「サムスンZ」

タイゼンを搭載したスマートフォン、「サムスンZ」

サムスン

韓国のサムスン電子は来年、独自の基本ソフト(OS)「TIZEN(タイゼン)」を搭載した新製品投入を計画しているが、このOSが自社製品の多くに搭載してきたグーグルの「アンドロイド」の代替にはならないとの懸念が浮上している。

サムスン電子はアンドロイドへの依存を減らすため、長年開発を続け、タイゼンをベースとしたスマートウォッチやカメラをわずかながら送り出してきた。だが、2015年の発売が確認されたのは今のところテレビだけ。

次世代型住宅「スマートホーム」関連の事業を押し上げることが期待される一方、タイゼンを搭載する携帯端末の投入は予定されておらず、最重要のモバイル分野で、アップルの「iOS」やグーグルのアンドロイドに代わるようなOSを開発できないのではないかとの懸念が強まった。

IMインベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリスト、Lee Min-hee氏は「サムスン電子がソフトウエアの分野で存在感を示し始めたと言えるような材料はまだない」と指摘。

ディベロッパーは、タイゼンの顧客層が大幅に拡大しなければ、タイゼンのシステム向けに斬新なアプリを開発しようというインセンティブがあまり湧いてこないと答える。新たな消費者の獲得には、アプリの充実が欠かせない。

アプリ開発会社の創業者は「タイゼンはアンドロイドとかなり似ているが、莫大な顧客層はない。タイゼン向けに開発するメリットは見出せない」と述べた。

サムスン電子は、タイゼン搭載携帯を第3・四半期にロシアへ投入する計画を撤回。「タイゼンのエコシステムをさらに拡大する」必要があると説明した。こうした動きで、懸念は一層深まった。

一方、複数のメディアは、インドで間もなくタイゼン搭載携帯が発売されるとの見通しを伝えている。例えば韓国経済新聞は、1月18日にインドで低価格帯のタイゼン搭載スマートフォンが発売されると報じたが、サムスン電子はこの報道に関してコメントを差し控えた。

<ソフトウエア開発で苦境に>

アナリストによると、スマホのOSとして、タイゼンが大きな市場シェアを確保することは困難。ハイテク関連調査会社のガートナーによると、7─9月期はアンドロイドとiOSが合わせて95.8%のシェアを占める。3位のマイクロソフト のOS「ウィンドウズ」はわずか3%だ。

調査会社IDCのアナリスト、Kiranjeet Kaur氏は「どんなOSであれ、iOSやアンドロイドに対抗するのはかなり厳しい。タイゼンが成功するには、市場を魅了する強力な材料が必要」と述べた。

サムスン電子は全世界でソフトウエア開発に4万人以上の従業員を抱えるが、そのアプリやコンテンツサービスへの評価が突出することはなく、一部計画を縮小している。

独自のメッセージングアプリを2月で廃止することを発表したほか、韓国内でソフトウエアやコンテンツ関連サービスの開発などを手掛けてきた拠点を解散した。

またスマホ市場では中国勢との競合が激化し、サムスン電子は7─9月期に3四半期連続でシェアが縮小。タイゼン開発に充てる経営資源も限られてきているとの見方もある。