豪コアラが「間引き」される、絶滅の恐れもある中で

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 オーストラリア南東部のビクトリア州政府が、およそ700頭のコアラを秘密裏に「間引き」していたことが明らかになった。2013年から2014年にかけて、複数回にわたり、獣医が薬物注射によってコアラを安楽死させたという。
 
 同地域では、コアラの数が適正とされる1ヘクタール当たり1匹を大幅に超え、同11匹になっていた。そのため、食料が足りず、飢えて弱ってしまうコアラが見られたという。
 
 オーストラリア・コアラ基金によれば、大人のコアラは毎晩0.5~1.0kgのユーカリの葉を食べる。またオーストラリアにはおよそ600種類以上のユーカリの木があるが、そのうちコアラが食べるのはわずか数種類に限られている。
 
 コアラは国際自然保護連合(IUCN)で「絶滅の恐れが生じる可能性がある種」とされている。しかしオーストラリアでは国全体でコアラ保護を定める法律はなく、判断は各州にゆだねられている。オーストラリア国内では4つの州にコアラが生息しており、そのうち3州ではコアラを「希少種」などと定め、保護する対象としているが、今回「間引き」が取りざたされたビクトリア州ではコアラの法的保護はされていない。
 
 オーストラリアのコアラの頭数は現在、10万頭以下に減少したとみられている。20世紀初めにコアラの毛皮取引が活発だった頃には、300万頭以上のコアラの毛皮が市場に出回っていたという。現在は狩りのほか、山火事や都市開発などによる生息地の減少が、コアラの頭数減少の原因といわれている。今年1月には、山火事にまきこまれて多くのコアラが火傷を負った。
 

木につかまるコアラ
木につかまるコアラ ロイター
自撮りするコアラ
自撮りするコアラ。Wild Life Sydney Zooにて。 ロイター
コアラの親子
コアラの親子(母エルと子ブンダ)。オーストラリアのシドニーにある「Wildlife World」で2011年6月28日撮影。 ロイター
手のひらに火傷を負ったコアラのジェレミー
手のひらに火傷を負ったコアラのジェレミー AMWRRO
火傷を負ったコアラのジェレミーが無事回復した
火傷を負ったコアラのジェレミーが無事回復した AMWRRO