再生可能エネルギーだけで発電した国が誕生、電気代も安く

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コスタリカの水力発電用ダム

コスタリカの水力発電用ダム

ロイター

 2015年1月1日から3月半ばまでの75日間を、100%再生可能エネルギーによる電力供給で乗り切った国がある。中米の小国コスタリカだ。
 
 地球温暖化を食い止めるべく、世界の国々が石炭や石油、天然ガスの利用を抑え、より温室効果ガスの排出量が少ない燃料の利用率を高めようとしているなか、この「偉業」が成されたと現地の電力会社が発表した。コスタリカ国営のリカン電力(Rican Electricity Institute)は「2015年(のこれまで)は、完璧に環境にやさしい電力の年となっている」と発表した。
 
 九州と四国を合わせたほどの国土を持つコスタリカは、今年が始まってからの75日間に十分な降雨量に恵まれた。そのため、国内4つの水力発電所が通常より多くの電力を供給できた。それに地熱発電、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電プロジェクトを合わせ、クリーンエネルギーによる電力供給だけでコスタリカの全家庭、企業、工場の電力を100%まかなうことが出来た。
 
 世界的には、再生可能エネルギーのシェアは全電力供給のおよそ21%にとどまっていると、米エネルギー情報局は発表している。気候の専門家は、この割合が2050年までに80%に引き上げられなければ、温室効果ガスを劇的に減少させ、地球温暖化を緩やかにさせることはできないと述べている。パリにある国際エネルギー機関の試算では、その目標達成のためには今後40年間超で年間およそ1兆ドルのコストがかかる。
 
 人口約480万人のコスタリカでは、全電力供給における水力発電の割合がすでに約80%を占めている。また地熱発電の割合はおよそ13%となっている。残りはディーゼル燃料による火力発電や、風力発電、太陽光発電などからまかなわれている。一方の日本は、最新のエネルギー白書2014によると、天然ガスや石炭・石油を合わせた火力発電の割合が88.4%となっており、水力発電は8.4%、その他の再生可能エネルギーによる発電(太陽光発電や地熱発電など)の割合はわずか1.6%にとどまっている。
 
 水力発電の割合が今年に特別にあがったコスタリカは、4月からの電気代が平均12%減少するという消費者にうれしい恩恵もある。現地の電力会社によると、今年の電気代はおよそ4000万ドル節約できる見通しだ。
 
 今回、100%再生可能エネルギーでの電力供給を達成した国として、クリーンエネルギー賛成派から賞賛されたコスタリカだが、水力発電に頼りすぎているのではないかという懸念の声も上がっている。ニュースサイト「サイエンス・アラート」は、気候変動によって毎年起こる干ばつの深刻化が見込まれるほか、降雨量は季節によって変動するため、水力発電による電力供給は多大な季節的な影響を受けるだろうと報じている。

*この記事は、米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです。
(原文タイトル: Maria Gallucci 記者「Costa Rica Used 100% Renewable Energy In The First 75 Days Of 2015」)