国連の教育目標、達成できず 資金不足が課題

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中国の教育現場
中国、重慶市にある小学校の試験風景。(2007年5月29日撮影) ロイター

9日、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)は、2015年までの目標達成を目指していた「万人のための教育(EFA:Education for All)」計画についてのレポートを公開した。ほとんどの国では目標を達成できず、初等教育過程を完了できたのは世界の半分の国だけであったという。

同レポートは6つの目標を追跡し、15年の追跡調査は「考えさせられる結果」になったと述べた。

UNESCOのイリナ・ボコヴァ事務局長は、同レポートの序文で「世界には、学校に通えていない子どもが5,800万人います。約1億人は初等教育過程を完了させることができません。教育の不均衡は拡大しました。最も貧しい人々が一番多くの負担を背負っています」と説明し、「初等レベル教育における質の低さゆえ、数百万人の子どもたちは基本的なスキルを獲得しないまま学校を卒業しています」とも述べた。

2000年に西アフリカにある都市ダカールで設定されたEFA目標は、質の向上、幼児を世話してくれる場へのアクセス、初等・中等教育における男女格差を排除を含んでいる。また、2015年までに成人識字率の50%改善を達成を目標としていた。目標達成は25%にとどまった。

同レポートによると、非識字人口の3分の2は女性が占め続けているという。サハラ以南のアフリカ諸国においては、半数の女性が基本的な文字すら読めない。

UNESCOは、「サハラ以南のアフリカでは、最貧層の女子は、一度も小学校に行ったことがありません。ギニアとニジェールでは2010年、70%以上の最貧層の女子は小学校に行ったことがありませんでした。一方、最富裕層の男子については、20%未満でした」と解説した。

一般的な初等教育達成という目標については、達成できた国は52%、目標近辺は10%であった。残りの38%は目標数値から程遠かった。 追跡調査レポートの担当者であるアーロン・ベネボート(Aaron Benavot)氏は、「一致した行動が取られてきました。過去15年間における教育の失敗は注目集めました。けれども、数百万人の子どもたちは今後も教育の機会を逃し続けるでしょう。新しい持続可能な開発路線への移行を目指した計画は危険にさらされるでしょう」と声明で述べた。

資金問題は、万人に教育を施すための主要な課題であり続けているという。2015年から2030年までの間に、世界の基礎教育を保障し、現在の供給資金ギャップを埋めるためには、毎年220億米ドルの追加資金が必要になる。

同レポートは、「多くの政府は歳出を増大させました。しかし、ほとんどの国では国家予算における教育の優先度は低いです。資金不足のギャップを埋めるために必要であると推奨される20%という割り当てを達成していません」と述べた。また寄付も不足しているという。 同レポートは、学校の教育スタイルをコミュニティの需要に見合ったものにするために、政府はすべての子どもの教育を無料にすべきだと推奨した。

UNESCOのボコヴァ事務局長は、「新しい教育目標は具体的で、相互に関連性があり、測定可能なものでなければなりません。辺境に土地にいたり、疎外されていたりする集団は教育にアクセスするのが困難です。彼らはいまだに教育への権利を享受できていません。彼らのことは最優先に解決すべき課題とするべきです」と述べた。

*この記事は、米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです。 (原文:Avaneesh Pandey記者「Most Countries Have Failed To Meet UN's 'Education For All' Goals, Finds New Report」)