東アジアの奇跡に続け――労働力人口の成長著しいサブサハラ・アフリカのチャンスと課題

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IBT150529   アフリカ人口急増で急成長?
石油・ガスセクターで潤うナイジェリアでも若年層の質y行率は14%に達している。若年労働力の急増に見合うだけの雇用の創出が必要だと経済学者らは述べている。 Kathleen Caulderwood

サブサハラ・アフリカの労働力人口は、今後数十年で急増する見込みだ。この人口急増は経済の急成長をもたらす「人口ボーナス」につながるかもしれない。しかし経済学者らは既に、膨大な労働力が実際に職を見つけられるよう、政策決定者は迅速に行動する必要があると警告している。

アフリカ開発銀行が発行した最新の「アフリカ経済概観」によれば、約10億というアフリカの人口は、2050年までに倍増するという。人口増加は特にサブサハラ地域で急速で、労働年齢人口が非労働人口を上回ろうとしている。

「こうした人口動態の変化は、チャンスと課題を同時にもたらす」と報告書は述べ、労働人口が増えて経済発展の突破口となる可能性がある一方、政策決定者はそれを十分に活用できるだけの経済環境を整えることが急務だと指摘する。

アフリカ人口の労働力・非労働力年齢比率は今後数十年でどんどん好ましいものになっていく。サブサハラの労働者100人に対し現役でない世代は60人に過ぎなくなる。世界銀行によれば、現在のナイジェリアの比率は現役100に対し非現役89人、ウガンダでは103人だ。比較のために言えば、米国は現役100に対し非現役50、中国は現在、37人となっている。

この「人口ボーナス」は最近数十年の東アジアにおける経済発展の大きな鍵であり、「今日、より貧しい国々の多く、殊にサブサハラ・アフリカ諸国にとって現実とな」り得ると、国連人口基金の最近の報告書は述べている。

しかし、サブサハラ・アフリカはアジアではない。若年人口というメリットを相殺しかねない、特有の課題に直面している。

「人口ファクターは実際、アジアの奇跡的な経済成長に貢献した。しかし、新興国市場における経済成長の決定要因としては、人口増加よりも政策や経済構造の違いが重要である」とキャピタル・エコノミクス・アフリカのアナリスト、ジョン・アッシュボーン(John Ashbourne)氏は27日、コメントしている。

人口動態のメリットを享受するには、新しい労働者の波を吸収できる、製造業のような大きな労働集約的なセクターを発展させる必要があろう。アフリカ諸国の多くは農業や、大きな利益は生むが雇用は多く生まない鉱業のような天産物産業に集中している。

「このことは、正規経済では技術も成功の機会もないまま生産性の低い職に取り込まれて不満を抱えた人々が増加するという、極めて深刻なリスクが増大することにつながる。貧困緩和を遅らせ、社会的緊張を増大させる可能性もある」とアッシュボーン氏は書いている。

「アフリカ経済概観」のデータによれば、2030年までにサブサハラ・アフリカの労働市場には毎年ざっと2460万人の人々が参入するという。この急増は世界全体の労働力の3分の2に当たり、サブサハラ経済が恩恵を受けるには、雇用の創出が必要であることを意味する。

「若者を活気づける政策と、自分たちの生活、未来を決める決定に若者を積極的に参加させていく努力いかんで、人口動態が経済を押し下げるか浮き上がらせるかが決まるだろう」と国連の報告書は述べ、この若い人口をチャンスに変え、経済成長を持続可能なものにするのに必要となるインフラを整備する政策策定を始めるよう、求めている。

* この記事は米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです。(原文記事:Kathleen Caulderwood記者「Africa’s Booming Youth Population May Boost Economy But Also Poses Risks, Economists Say」)