米アマゾンがドローン活用のため、専用の空域を提案

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商業用ドローン
ワールドカーゴ・スイス(WorldCargo)は民間航空会社スイス・インターナショナル・エアラインズ(Swiss International Air Lines)の貨物部門である。ワールドカーゴ・スイスの小型無人飛行機(ドローン)が、ヨーロッパのデモンストレーションでパッケージを運んだ。 ピエール・アルボイ(Pierre Albouy)さん/ロイター

米連邦航空局(FAA)が、小型無人飛行機(ドローン)を将来活用するための準備に時間を割こうとしている。そんな中で、米国のネット通販社アマゾン(Amazon)はフルスピードでさらに先へ飛行しようとしている。アマゾン社のグル・キムチ(Gur Kimchi)ドローン担当最高責任者が28日、ドローン専用の空域を求める規制案を発表した。

増加するドローンが有人航空機を妨害しないで安全に飛行できるように、ドローンの種類別に米国の飛行空域を分割して管理することを柱とする提案を打ち出した。同社の提案では、ドローンが飛行する空域を2種類用意する。高度200~400フィート(約60~120メートル)は、高性能の衝突回避機能を備えた自動で高速飛行するドローン専用とする。一方で200フィートより低い空域は、低速でより狭い範囲の飛行向けとする。500フィートより高い空域はドローンの飛行が認められていないが、同社は400~500フィートも禁止するよう提案したという。また、ドローンの動きを監視するため、コンピュータベースの方法を作成することも提案された。

アマゾンのドローン担当の最高責任者であるキムチ氏は、米航空宇宙局(NASA)が主催した会議でこの提案を説明した。アマゾンのドローンは通常、約100フィート(約30メートル)以下の低空域を飛行し、個人パイロットの飛行編隊ではなく、大規模で集中型のコンピュータシステムによって操作されるとしている。

キムチ氏は発表のなかで、ドローンの飛行は「例外も含めて管理される」と述べて、人によるオペレーションが緊急時に空域からドローンを取り除くことはできるとしているものの、コンピュータが基本的にはすべてをコントロールすることを示唆した。

アマゾンによるドローン規制案から、配達に使用されるドローンが飛行できる、あるいはできない空域を図で示した。アマゾンは、ドローン専用の高度200フィート(約60メートル)の飛行空域を設定するよう求めている。  アマゾン

■パラダイムシフトは「必要」である。

アマゾンのドローンプログラムにおける同社の野心は大きい。アマゾンが携わっているドローン以外の分野を維持するためもあるが、ドローンに関する野心がこれほど大きいのは、全く新しいフレームワークがドローンの監視に必要であると考えられているからである。

現在、米国では、連邦政府によって航空機の飛行が監視されている。米国空域の飛行を許可されている航空機の台数は、1日あたり約8万5,000便で、その数は航空管制官の雇用数に束縛されている。

しかし、アマゾン社などの企業がドローン操作を行い、航空産業に参入することで、現在の「1日あたり8万5,000台の飛行数は非常に少ない数字だった」となる可能性がある。

アマゾンには、ドローンの飛行操作を行うために、異なる種類の業務監督システムが必要になるだろう。「アマゾンは、現行の航空域管理モデルが、将来の『小型無人航空機システム(SUAS: Small Unmanned Aerial System)』の要求を満たしていないと考えている」ことを、同社による今回の提案は示唆している。そして「航空機管理および運用のパラダイムシフトが大規模な商用飛行に必要だ」と加えた。

パラダイムシフトが実現されるかもしれないという明るい見通しが、NASAが企画したドローン監視プロジェクトにはある。もっとも、アマゾンが構想するような、トラフィックを監視するのに十分な堅実なものとは程遠いかもしれないが。

■次のステップへ

連邦航空局(FAA)は、過去数年間にわたり、米国内の商用無人機操作の規制の枠組み実現に向けてアマゾンを統制してきた。今年初め、連邦政府機関はアマゾンに、テストドローン操作開始の許可という例外を認めた。

しかし、空の上に目を向けている巨大企業はアマゾンだけではない。アマゾンが提案を発表した会議の主要スポンサーであるグーグル(Google)も、29日に、独自の提案を行う予定とされる。

*この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。(原文: Max Willens 記者「Amazon Wants 200 Feet Of Airspace For Its Massive Drone Delivery Fleet」)