エルメスの株を動物保護団体が取得、ワニ皮バッグの販売に抗議していく

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PETAのメンバーたちは、エルメスのバッグにワニ皮が使用されていることに抗議している。(2015年6月30日、東京で撮影) ロイター

米国の動物保護団体である「動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of Animals、略称:PETA)」は今週、エルメス社(Hermes International、EPA:RMS) の株主となった。同社に対して、ワニ皮製品の販売を終了するように要求するためである。同社の製品では、時計のバンドやバッグにワニ皮を使用している。

報道によると、PETAは、パリ証券取引所(the Paris Bourse)でフランスのエルメス社の株を1株購入した。PETAのスポークスマンは、ヴォーグ(Vogue)に対して、「(代表者が)エルメス社の年次総会に出席し、質問をするつもりである。そうすることによって、同社がワニ皮の販売を終了するように圧力をかける」と述べた。

PETAは、過去においても、圧力をかけたい企業の株を購入してきた。2013年、PETAはフロリダにあるアミューズメント・パーク「オーランド(SeaWorld Entertainment Inc.)」のIPO株を購入した。"奴隷にされた"シャチを解放するように圧力をかけるためである。そして2014年には、株が急落したタイミングで、同社 (NYSE:SEAS)に対して2度目の投資を実施し、55株を追加購入した。(PETAの所有株数は合計で135株となった。)発言力を強めることが目的であった。

PETAの副代表であるトレイシー・レイマン(Tracy Reiman)さんは先月30日、「PETAの調査によって、エルメスのアクセサリーは生きた動物で作られていることがわかった。中には体を切断された後、死ぬまでそのまま放置されている動物たちもいた」と声明で述べた。同声明によると、PETAは企業の外側で、キャンペーンを展開する。それと同時に、株主として内側からも、(ワニなど)エキゾチックアニマルの皮が、アクセサリーとして時計バンドなどに利用されることを禁止するように要求していくという。

PETAは、「テキサスとジンバブエの農場でエルメスの『バーキン』を製造するためにワニが屠殺されている現場を映したビデオがある」と主張している。

AFP通信によると、元スーパーモデル、女優、そして歌手でもあるジェーン・バーキンさん(68)は先月28日、エルメス社に対して、「同社が販売しているワニ皮のバッグから『バーキン』の名前を取り除くように」と声明で要求した。

バーキンさんの声明は、PETAの公開に次ぐタイミングで発表された。

エルメスのバッグ「バーキン・クロコ」は、1980年代にバーキンさんにちなんで名づけられたものである。エルメスは先月29日、バーキンさんの懸念を受けて、「(バーキンさんの発言によって、)私たちが長年かけて培ってきた友情や信頼が損なわれることはない。エルメスはバーキンさんの気持ちに共感するとともに、(その感情を)尊重する。私たちも、公開された映像にショックを受けた」と声明で述べた。

エルメス社によると、映像に映っているのワニ農場は同社の工場ではない。同農場で収穫されたワニ皮が「バーキン」に使用されていることもないという。同社は「ビデオと関係があるとされているテキサス農場については、現在調査中である。規則違反は容認できないし、修正されるべきである」とは述べた。

エルメス社はフランスに拠点を置く高級ブランド企業で、贅沢品のデザイン・製造、およびマーケティングを手掛けている。同社における次回の年次株主総会は、2016年6月の予定である。同社の株価は過去12か月間で33%以上も上昇した。

*この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。(原文: JessicaMenton  記者「Why Is PETA Buying Shares Of Hermes? Jane Birkin Asks Fashion House To Remove Name From Crocodile Bag After 'Cruel' Video」)