マクドナルド:従業員による「時給15米ドル(約1,845円)」を求める運動、他国店舗にも波及

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マクドナルドへの抗議キャンペーン
従業員は、マクドナルドに対して、労働環境の改善を求めるキャンペーンを展開している。(ブラジル、サンパウロにて撮影) AFP

米国では、ファーストフード店の従業員たちが「時給15米ドル(約1,845円)」を求めるキャンペーンを展開している。この"時給15ドル"運動の主な標的は、マクドナルドである。

米国ではおなじみになったこのキャンペーンが、ブラジルにも波及し始めた。米国で2番目に大きい労働組合「全米サービス従業員労働組合(SEIU: Service Employees International Union)」は、国外から"時給15ドル"運動を押し進めた。

今週初め、1,000人以上のマクドナルドの従業員は、低賃金と劣悪な労働環境に対して抗議するべく、サンパウロ中心部に集まり、スローガンを唱え、プラカードを掲げた。ロナルド・マクドナルドのコスプレをしてる人もいた。労働組合幹部および各地のマクドナルド従業員は20日、不満を表明するために、ブラジルの首都であるブラジリアに押し寄せた。

ブラジルの労働当局は20日、マクドナルドの労働法違反容疑を調査するために、タスクフォースを立ち上げると宣言した。マクドナルドは容疑を否定した。

マクドナルドをブラジルでフランチャイズ展開しているアルコース・ドラド(Arcos Dorados)社は、「私たちは責任ある行動をとっており、ブラジルの法律をすべて満たしていることは確実だ。ブラジルの司法当局からの訴状も来ていない」と声明で述べた。

SEIUは、海外で高収益を上げているマクドナルドに対して、少しずつプレッシャーをかけていこうとしている。ニューヨーク・タイムズによると、SEIUで"時給15ドル"運動を企画したスコット・コートニー(Scott Courtney)氏は、秋にかけて他の市場へも運動が拡大していくと考えている。

2012年以降、賃上げ要求キャンペーンは一定の成功を収めている。しかし、まだファーストフード従業員の団体交渉権利を手に入れるところまでは至っていない。全面攻勢に出ているSEIUに対して、マクドナルドは交渉テーブルにつくことを拒んだ。

3月にCEOに就任したスティーブ・イースターブルック(Steve Easterbook)氏は、ハンバーガーチェーンを進歩的な方向へと操縦するように試みた。マクドナルドは4月、直営店で働く9,000人の賃金を上げた。(フランチャイズ店については手つかずだった。)

しかし、マクドナルドは、労働組合化については、抵抗を続けた。ついこの間、マクドナルドは、フランチャイズ店の従業員が正式に会社と交渉をするが可能になる判決を無効にするために、法的手続きをとった。

マクドナルドにプレシャーをかけているのは、SEIUのような米国の活動グループだけではない。現在、欧州当局は、マクドナルドの納税状況を調査している。ルクセンブルグの子会社を利用することによって、10憶米ドル以上の納税が回避されていると考える者もいる。

ブラジルの労働組合は今週初め、マクドナルドの納税状況と反競争的な習慣について調査をするようにと正式に要求した。マクドナルドは、ブラジルで45,000人を雇用している。
米国のマクドナルドで働く人の中には、証言をするためにブラジルへ呼ばれた人たちもいる。そのうちのひとりであるアドリアーナ・アルヴァレズ(Adriana Alvarez)氏(23)は、経営陣からの言葉の暴力に直面し、サービス残業を要求されたと、アイ・ビー・タイムズに述べた。最終的には、労働者は共同で経営陣に嘆願書を提出したという。アルヴァレズ氏は、「私たちは賃上げを求めなかった。敬意を払ってくれることと、労働法違反をやめることを求めた」と説明した。

それでも、アルヴァレズ氏は、じきに昇給し、時給10.5米ドルとなった。しかし、同氏は同僚の扱いについて満足していない。同氏は「10年以上働いている人たちの賃金も、私とほとんど変わらない」と述べた。

*この記事は、米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです。(原文記事:Owen Davis記者「Why 'Fight For 15' Brought Its McDonald's Fight To Brazil」)