米FOMC、12月利上げの可能性残す:識者はこうみる

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イエレン米FRB議長
イエレン米FRB議長 Getty Images/Alex Wong

米連邦準備理事会(FRB)は28日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、事実上のゼロ金利を据え置いた。だが世界経済による逆風については重視する立場を示さず、12月の利上げの可能性を残した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●予想通り、一段とタカ派的

<ヘリテージ・キャピタル(コネティカット州)のポール・シャッツ社長兼最高投資責任者(CIO)>

FOMC声明は予想通りの内容だった。FRBが利上げに踏み切らないことは織り込み済みだったが、FRBは中国やアジアに重点を置いた前回のハト派的な声明から脱却し、12月利上げへの道筋をつける必要があった。今回の声明は前回よりも一段とタカ派的とみられる。

●市場の利上げ警戒感が据え置きの理由、12月を注視

<マーク・ハードカレンシー(米カリフォルニア州)の社長兼ポートフォリオマネジャー、氏アクセル・マーク氏>

予想通りだった。9月のFOMCでは市場の状況を理由に利上げに踏み切らなかった。現在は市場は落ち着いているが、FRBは今回も利上げには動かなかった。

FRBが利上げに踏み切らないのは、中国などの状況が理由ではなく、FRBの利上げに対する警戒感が市場に出ていることが理由だ。つまり、自分で自分の尻尾を追いかけているような状態にある。このため、ある方向に向けて一歩踏み出すと、結局一歩後退せざるを得なくなっている。

12月も同様のことを繰り返してうまく行くのか、見守りたい。

●12月利上げに含み、明確なシグナルなし

<ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の首席米国エコノミスト、アネタ・マルコフスカ氏>

(利上げ)方向に市場を促しつつも、金融状況の全般的な引き締めにつながらないよう配慮しており、非常に賢明なやり方とおもわれる。とりわけ(12月)会合に言及することでさらりと市場の反応をうかがいつつ、市場を驚かせてはいない。利上げの可能性に含みをもたせながら、可能性があることだけを示し、必ずしも12月利上げのシグナルを明確に表しているわけではない。

●FRB、利上げで米経済の健全性示すべき

<ITGのリサーチ・セールス・取引主任、マイケル・マラレ氏>

FOMCを受け、株式市場の即座の反応は下落だった。しかし、FRBが米経済に対する自信を強めると同時に海外情勢に対する懸念を弱め、米経済の長期的な健全性を明示するために利上げに前向きになっていることは望ましい構図と考える。

米経済は(健全性に関し)FRBから承認を取り付けることを必要としており、それは利上げという形で示されることになる。経済の健全性が最も重要なことであることは明確であろう。たとえ利上げが25ベーシスポイント(bp)の連続的な動きとなっても、市場は切り抜けることが可能であり、株式は引き続き予見可能な将来において、選好されることになるだろう。