独VWの約80万台に新たな排ガス不正、ガソリン車も影響

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独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の組み立て工場

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の組み立て工場

ロイター

独フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)が3日、欧州で販売された約80万台の車両について二酸化炭素(CO2)排出量の測定をめぐる新たな不正が見つかったと発表した。

新たな問題で生じる財務面でのリスクは約20億ユーロ(22億ドル)に達する可能性があるとした上で、小型ディーゼルエンジンおよびガソリンエンジンに影響することを明らかにした。

一方、VWの大株主で持ち株会社のポルシェSE(PSHG_p.DE)は、今年の業績がさらに悪化する可能性があるとの見方を示した。

VWのスキャンダルでは当初、同社が排ガス規制を逃れるための不正ソフトを搭載したディーゼルエンジン車を全世界で約1100万台販売していたことが焦点だった。

それに加えて、米環境保護局(EPA)は2日、VW傘下のポルシェやアウディなど高級大型車に通常使用する排気量3.0リットルのV6ディーゼルエンジンでも同様の不正ソフトが見つかったと発表。ただ、VWは大型エンジンに違法ソフトは搭載していないとの立場を示している。

ポルシェの北米部門はこの疑惑を受け、ディーゼルSUV(スポーツ多目的車)「カイエン」の販売を当面中止すると発表した。

今回のCO2排出量の測定をめぐる問題は、VWが排ガス不正への対処に向けて広範囲な内部調査を進めているなかで判明した。主に小型のディーゼルエンジン車が該当するが、ガソリンエンジンの一つにも影響があるという。

「VWに対し、われわれは言葉も出ない。VWの内部調査から、また新たな問題が噴出したようだ。欧州に関連する可能性もある」とエバコアISIのアナリスト、アルント・エリングホスト氏は語る。

VWのマティアス・ミュラー最高経営責任者(CEO)は、「私は事件の発覚当初から、真相究明を求めて必死に取り組んできた。何があってもこの態度を変えない。苦痛なプロセスだが、これ以外に選択肢はない」と声明で語った。

同社の排ガス試験をめぐる不祥事が9月に発覚したこと受け、ポルシェは10月に業績見通しを引き下げ、年間の税引後利益が8億─18億ユーロになるとしていた。ポルシェは3日遅く、現在の業績見通しを維持するものの、排ガス不正問題で今後明らかになる調査結果によって見通しを変更する可能性はあると発表した。

VWの不正スキャンダルを受けてトップに就任したミュラー氏はポルシェの元CEO。一部では就任当初から内部昇格のベテランがVWの改革を指揮できるのかとの批判も出ており、今回の一件で同氏は厳しい立場に立たされそうだ。

メルケル独首相、欧州委員会もVWのスキャンダルへの対応で、明確さと透明性をあらためて求めており、VWは「今回明らかになったことについて、VW幹部は直ちに当該当局と協議に入る」としている。

3日の欧州株式市場でVW株価は1.5%下落して終了。CO2排出量の測定をめぐる不正が見つかったとのVWの発表はフランクフルト市場の大引け後に行われた。