Li-Fiとは?――Wi-Fiの100倍の速さの超高速通信の世界へようこそ

  on
IBT151127 Li-Fi
典型的Wi-FiとLi-Fiの比較イメージ pureLiFi

今使われている何十億もの電球の1つひとつが、夢のような速さの通信を可能にするワイヤレス接続のホットスポットになるという世界を想像してみてほしい。それこそは、この技術を創り出した男の目標だ。Li-Fiは今週、テストでWi-Fiの100倍の速度を実現し、SFの領域から現実へと一歩を踏み出した。

エストニアのVelmenniという会社が、Li-Fiの可能な電球を使って秒速1Gbものスピードでデータの送信を行ったのだ。これはWi-Fiの100倍のスピードで、HDフィルムでも数秒でダウンロードできることになる。現実世界でのテストは初めてだが、研究室の実験では、理論的には秒速224Gbという速さを示している。

Li-Fiとは一体何で、どのように機能し、本当にインターネットに革新をもたらすのだろうか。

Li-Fiとは、可視光通信(VLC)の技術だ。Wi-Fiと同様のやりかたで、高速、双方向でネットワーク移動通信を可能にする。より安全で、干渉が少なく、より高速であるという利点が約束されている。

Li-Fiを生み出した人とは

Li-Fiという言葉は、ドイツの物理学者ハラルド・ハース(Harald Haas)氏がTEDでの講演の際、電球を無線のルータとして使うというアイデアを述べたときに創出したものだ。この講演は4年前に行われたものだが、多くの革新的な技術と同様、Li-Fiは他の「次の大事件」と同じ道を辿り、実現することはないだろうと多くの人は考えた。しかし、TEDでの講演から1年後、エジンバラ大学の移動通信学教授であるハース氏は、2008年から研究を続けている一連の人々とともに、ベンチャー企業pureLiFiを立ち上げた。この会社は「Li-Fi技術の指導者」になるべく、既に2つの製品を創り出した。

25日、pureLiFiは、フランスの照明会社と提携し、2016年第3四半期までに製品化すると発表した。

Li-Fiの仕組み

pureLiFiが説明するその技術の詳細は、以下の通りだ。

LED電球に定電流が流れると、電球からは可視光として光エネルギーが発せられる。電流がゆっくりと変われば、光の強さも変わる。LED電球は半導体製品なので、電流、そして光は、光センサーで検知でき、再度電流に変換することのできる超高速の変調が可能だ。光の変調は人間の目では認識できないので、通信は高周波と同じく目に見えないものとなる。この技術により、情報はLED電球から高速で通信できる。

どんな電球でもOKなのか

ハース氏は、2011年のTEDでの講演の際、現在のインフラがあれば、どんなLED電球でも超高速の無線ルータとすることが可能だと述べた。「小さなマイクロチップを全ての照明設備に取り付けさえすればいいのです。そうすれば、照明と無線データ通信という2つの基本機能を持った装置になります。将来的には、140億の電球のみならず、よりクリーンで環境に優しく、明るいLi-Fiが世界中で140億個配置されることになる可能性があります。」

負の側面は

Li-Fi技術は通信手段として可視光線を利用するので、壁を通すことはできないだろう。つまり、Li-Fiネットワークを家中にはりめぐらせるためには、そうした電球が各部屋に必要となる。

もう1つの問題は、Li-Fiは屋外では機能しないことだ。つまり、公共のLi-FiがWi-Fiネットワークに取って代わるということは、すぐには起こりにくいと考えられる。 ただ、直射日光の下でLi-Fiを利用することは不可能だろうが、フィルターを使えば、日光があっても屋内ならこの技術を使うことが可能だろうとpureLifiは述べている。

もちろん、最大の難点の1つは、接続するためには照明を常につけていなくてはならないということだ。職場や店では問題ではないだろうが、家庭では、環境的にも実際的にも問題が残る。

Li-Fi電球はいつごろ利用できるようになるか

Velmenniのデパク・ソランキ(Deepak Solanki)CEOは今週、International Business Times UKの取材に対し、3-4年以内にこの技術が消費者の元に届くと述べた。「今、VLC技術を活用できる様々な産業で、パイロット・プロジェクトを行っているところです。現在、光によるデータ通信が行われる産業環境のために、スマートライティングのソリューションをデザインしたところです。また、オフィスでLi-Fiを通じたインターネット接続を設置してくれた個人のクライアントともパイロット・プロジェクトを行っています。」

ではWi-Fiルータは捨ててよい?

多分、まだやめておいた方がいいだろう。Li-Fiが出来る設備が市場に出回るまで、まだしばらくかかるだろうし、もしそうなっても、Wi-Fiと並行して使われることになりそうだ。家庭なら、一般的な用途にはWi-Fi、高速が必要な時にはいくつかのLi-Fiスポットを利用するという形もあり得るだろう。

*この記事は、米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです。(原文記事: David Gilbert記者「What Is Li-Fi? Meet The Revolutionary Wireless Technology That Is 100 Times Faster Than Wi-Fi」)