世界金融事情:一流の経営陣は業績に関係なく、巨額の報酬を得る 

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ドイチェバンク
ドイチェバンク、ロンドン支店の前で電話をしている男性(2014年8月28日撮影) Getty Images

世界的な低金利の影響を受けて、銀行の業績は、相対的にみるとわずかである。トレーダーや、コモディティ商品の営業担当者、年金部門の担当者たちのボーナスは削減されるであろう。一方、クレディ・スイス(Credit Suisse Group AG)やドイツ銀行(Deutsche Bank AG)といった金融機関のトップたちは、経費削減の影響を免れるであろう。利益が少ないことと、金融機関の経営陣に巨額のボーナスが支払われることには、ほとんど関係がない。

26日のフィナンシャルタイムズによると、銀行取締役会のメンバーたちは、トップを引き止めるためには報酬を弾まざるを得ないと考えているという。ある米国系銀行のシニア・エグゼクティブは、匿名を条件に、「一流の才能には、大きな入札が入りやすい。欧州人に働きかけるヘッドハンターは多数いる。世界はかなり変わった。ボーナスが削減されるような状況でも、トッププレイヤーは保護されるだろう」と述べた。

経営陣のボーナスについては、長年議論されてきた。2008年の世界金融危機やその他の災難は、トップバンカーによる危険な賭けが関係しているという非難も多い。

バークレイズ(Barclays PLC)は、富裕層の顧客による28億3千万米ドルのマネーロンダリングを避けられなかったとして、イギリスの監督官に罰金を課された。監督官は、銀行が金融犯罪を犯したとは言わなかった。しかし、同取引は、2011年から2012年に就任していた元CEO、ボブ・ダイアモンド(Bob Diamond)氏が組織したものであった。同氏は、利幅が大きく規制は緩い中東関連の取引を成長させた。

2012年、ダイアモンド氏は、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR、ライボー)の相場操作に絡んだスキャンダルをきっかけに辞任した。同金利は、英国外にも影響を及ぼすものである。同氏は、3,100万米ドルのボーナスを辞退したが、1年分の給料に相当する200万米ドルは与えられた。

ドイツ銀行の共同CEOのジョン・クライアン氏は23日、パフォーマンスに基づく報奨制度について、激しく批判した。同制度では、銀行のトップに多額のお金を迅速に与えられる。同氏は、銀行家は事業家ではないので、事業家のように報いられるべきではないと考えている。

ブルームバーグによると、クライアン氏は23日、ドイツのフランクフルトで開催されている会議で、「(銀行界の多くの人たちは、)基本給、年金、そしておそらく健康保険がある状態で仕事をして、他の人のお金でプレイして、事業家としての賃金を支払われるべきだといまだに信じている。彼らには、報酬構造以外は何も事業家らしいところがない」と述べた。

しかし同氏は、自身はパフォーマンスに応じた支払いを放棄するのかという質問に対しては、「それは、監査委員会が考えることである」と答えた。

*この記事は、米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです。(原文記事: Angelo Young 記者「Banker Bonuses: Despite Weak Earnings, Boards At Top European Banks Will Give Big Payouts To Keep Top Executives」)