ヤフーの「タンブラー」、コンテンツ・創造性・コミュ二ティを兼ね備えた唯一のSNSとして評価されうるのか?

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タンブラーとヤフーのロゴ
タンブラーとヤフーのロゴ Getty Images

ヤフーは古臭くて野暮ったい、という人もいる。しかし、ヤフーにもカッコいいものがある。「タンブラー」と呼ばれるSNS兼ブログサイトである。

ヤフーは2013年、タンブラーを11億米ドルで獲得した。2013年における月間アクティブユーザー数は3億人であったが、現在では5億5千万人である。タンブラーの詳しい統計や会計報告は開示されてないので、アナリストたちはその価値を測りかねている。

直近のデータによると、インスタグラムの月間アクティブユーザー数は4億人である。ツイッターは月間3億2千万人、ピンタレストは1億人である。スナップショットは月間2億人と推定されている。(スナップショットは、月間アクティブユーザー数よりも、1日におけるアクティブユーザー数が1億人であると宣伝するほうを好んでいる。)

タンブラーは、ユーザーのコミット率が高いことを誇る。アクティブユーザーは、モバイルアプリ1回のアクセスにつき、平均13分滞在する。タンブラー社の戦略部門を担当しているケリー・メイヤーズ(Kelly Meyers)氏によると、13歳から18歳のタンブラーユーザーは、一日の投稿上限数が200であることに不満を述べることもあるという。

それにもかかわらず、タンブラーは、広告キャンペーンの選択肢から除外されがちである。デジタル・クリエイティブ・エージェンシー「VaynerMedia」の代表を務めるゲイリー・ヴェイナーチェク(Gary Vaynerchuk)氏は、「4年前、タンブラーは選択肢のひとつであった。私は、タンブラーに勝利してほしかった。しかし、私たちは焦点を絞りすぎた。フェイスブック、スナップショット、インスタグラム、ピンタレストが普及し、タンブラーは話題にならなくなった」と述べた。同氏は、タンブラー初期の出資者でもある。

ヤフーが事業売却を検討するなら、タンブラーは売却候補になるかもしれない。Tuttle Tactical ManagementのCEOを務めるマシュー・タトル(Matthew Tuttle)氏は、「メイヤーズ氏は、ヤフーブランドと次世代をひも付けるために、タンブラーを獲得した。しかし、障害があり、メイヤーズ氏が考えたとおりにはまだなっていない」と述べた。

しかし、タンブラーの売却を検討したとしても、厳しい条件での売却となる可能性がある。タトル氏は「いざとなれば、タンブラーは売却されるかもしれない。しかし、その価値は相当低く見積もられるであろう。会計報告が明瞭でない状態で、適切な価値を決定するのは、非常に困難である」と述べた。

Pivotal Research Groupのアナリストであるブライアン・ウィーザー(Brian Wieser)氏は、「タンブラーの状況を、単体で知るのは難しい」とIBTimesに述べた。

Red Tettemer O’Connell + Partnersのウリ・ワインガーデン(Uri Weingarten)氏は、「(複数のマーケッターや流行発明者が言及しているように、)タンブラーは、ブランド、メディア、エンターテインメント企業の選択肢になる可能性がある。広告においても同様である」と指摘した。

タンブラーには、他のネットワークサイトが構築しようと奮闘しているものがある。それは、コンテンツ、創造性、およびコミュ二ティである。広告代理店「Epsilon」でデジタル部門の主任を務めるトム・エドワーズ(Tom Edwards)氏は、「多くのソーシャルプラットフォームは、もはやその本質がソーシャルではない。タンブラーの素晴らしい点は、コミュニティのトップで、開いたウェブを提供していることである」と述べた。

問題はお金である。PCサイトとモバイルアプリは、広告なしでは存在できない。タンブラーのメイヤーズ氏は、「訪問毎に、一つ以上の広告を目にすることになる。インスタグラムより頻度が高い。タンブラーは、タンブラーが請け負っている広告から、ヤフーの品物まで広告するので、かなり多くの製品を宣伝している。しかし、ほとんどのマーケッターはタンブラーのユーザーではないので、そのことを理解していない」とメールで説明した。

タンブラー社に2012年から2014年まで勤めていたアリ・レイバン(Ari Levine)氏は、タンブラーが素晴らしい理由について、「SNSの生態系をみれば、完全な創造性を許容するプラットフォームがないことがわかるでしょう。タンブラーには完璧な柔軟性がある」と述べた。

今のヤフーで、タンブラーを担当しているのは誰であろうか? 正確に述べることは難しいが、複数のマーケッターは、創設者であるデイヴィッド・カープ(David Karp)氏の活躍に注目している。2014年までタンブラーにいたレイバン氏は、「私の知りうる範囲では、デイヴィッド・カープ氏がタンブラーを担当している。デイビッドは、タンブラーの顔であり、心臓である」と述べた。

カープ氏(29)は、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏や、スナップショットのエヴァン・シュピーゲル氏のように、雑誌のカバーを飾ることはもはやないかもしれない。しかし、カープ氏は、自身が20歳で創設したネットワークに関わり続けている。

タンブラーには時間が必要なのかもしれない。Red Tettemer O’Connell + Partnersのウリ・ワインガーデン氏は、「(ヤフーがタンブラーを獲得して以来、)ゆっくりと、しかし確実に、大規模な広告を獲得するためのツールが育っている。しかし、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターには、まだ到底及ばない」とIBTimesに述べた。

*この記事は、米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです。(原文記事: Kerry Flynn  記者「Yahoo! Inc. (YHOO) In Play: 'Hip' Blogging Site Tumblr Could Be Hidden Gem That Seals A Deal」)