米ダウとデュポン合併協議、背後に農薬需要低迷と物言う株主の影

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米化学大手ダウ・ケミカル

米化学大手ダウ・ケミカル

ロイター

米化学大手ダウ・ケミカル(DOW.N)と同業の米デュポン(DD.N)が合併交渉を進めていることが明らかになったが、双方を引き寄せた背景には、農薬需要の弱含みと物言う株主の存在がある。

デュポンとダウは、天然ガス安でプラスチック事業の利益率が改善する中でも、農薬需要の減退が業績を圧迫しているほか、経営改革を要求する物言う株主からの強い圧力を受けているという点で悩みが共通していた。

今回の合併協議が明るみに出たのは、ダウとダニエル・ローブ氏との間で結ばれているスタンドスティル合意が切れる1週間前のタイミング。特殊化学と石油化学の事業分離を要求していたローブ氏は、合意の下、ダウを1年間、表立って批判しないことになっている。

デュポンも同様に、事業分離を求めるネルソン・ペルツ氏からの要求に直面。5月にはペルツ氏との委任状争奪戦に勝ったものの、株主の信頼を失ったエレン・クルマン前最高経営責任者(CEO)は10月、退任を余儀なくされた。

後任のエド・ブリーン氏は、米複合企業タイコ・インターナショナル(TYC.N)の事業分割を指揮した実績があり、アナリストや投資家はダウとの交渉を進める上で鍵を握る人物と指摘する。

アルバート・フライド・アンド・カンパニーの合併アービトラージストラテジスト、サチン・シャー氏は、合併協議について「3━6カ月前なら考えられなかった」とし、株価低迷で合併交渉がやり易くなったと指摘する。

ドラゴンフライ・キャピタルの創業者、グレッグ・ハーモン氏は、「対等合併」とされる今回の協議では、デュポン株価を最大82ドル、ダウを最大68ドルと評価する可能性があるとしている。

米国株式市場で、両社株価はともに12%急伸。ダウは最高値となる56.91ドルを記録。デュポンも75.72ドルの高値をつけた。