米製薬大手の利益率低迷、ニッチ対象の新薬多く拡販困難

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スイスの医薬品大手ロシュ

スイスの医薬品大手ロシュ

ロイター

2015年の米国での新薬承認件数は、18年ぶりに記録を更新した14年を既に上回った。しかし、製薬大手は新薬研究開発費に対する利益低迷に苦しんでいる。ニッチの疾病を対象とした新薬が多く、大規模な販売が難しいためだ。

コンサルティング会社デロイトが14日公表した報告書によると、15年の世界の製薬大手の研究開発費に対する利益率は4.2%。10年の10.1%の半分以下の水準となった。

承認件数の増加と利益率の低下は、新薬1件当たりの平均売上高が大幅に減る一方、開発費用が膨らみ続けていることを反映している。

デロイトのジュリアン・レムナント氏は、「製薬会社は研究開発や許認可取得、買収などの将来に向けた投資よりも、配当や自社株買いによる株主への利益還元を優先する傾向が出ている」と話した。

米食品医薬品局(FDA)は11日、スイス・ロシュの肺がん新薬を承認。これにより、15年の承認件数は14年の41件を上回った。ただ、これら新薬の多くはごくまれな疾病や、特定の亜種型のがんが対象で、売り上げが伸びる可能性が限られている。

しかしながら、急ピッチの新薬承認は今後も続く見通しだ。製薬業界調査会社IMSヘルスがまとめた報告書によれば、16─20年の承認件数は225に上る見通しという。