米オバマ大統領、石油への課税を提案する見込み クリーンエネルギーの開発資金に

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バラク・オバマ米大統領
バラク・オバマ米大統領 ロイター

米国のバラク・オバマ大統領は、石油企業に税金を課すことによって、クリーンエネルギー移行のための資金作りを計画している。ホワイトハウスが4日、述べた。

オバマ大統領は、低炭素型の交通プロジェクトへの資金作りの一環として、来週の予算案において、石油価格に対して1バレル当たり10米ドルの課税を提案する見込みである。

同予算案には、向こう10年間で3000億米ドル以上の投資価値がある。高速鉄道路線や自己駆動車などを整備し、ガソリンを消費する乗り物の代替としていく。

石油企業に対する課税は、消費者が石油関連製品を利用する価格に反映されるであろう。この計画の目的は、炭素を排出する乗り物を利用しなくても、米国内を通勤・旅行しやすくしていくことである。

ホワイトハウスは、「私たちの国の交通システムは、20世紀にアイゼンハワー大統領が掲げた州間道路計画に基づいて建設された。その計画は、景気拡大と経済的繁栄をもたらした。しかし、21世紀経済の難題に対しては、同計画では対応が困難となった」と述べた。

オバマ米大統領が石油への課税を計画しているというニュースは、米国におけるガソリン価格が10年間で最安値となっているタイミングでやってきた。GasBuddy.comによると、原油価格は、2014年のピークと比較して、70%ほど下落した。ガス価格は、昨年平均から34.6セント下落し、5日における平均は1ガロン当たり1.76米ドルとなった。

同大統領は、温室効果ガスを削減することより、米国を世界のリーダーへと高めようとしている。今回の試みもその一環であろう。今まで、同氏の政策の多くは、電力部門をターゲットにしてきた。

昨年、「クリーンパワープラン」が最終決定され、発電所からの温室効果ガスの排出量は2030年までに2005年よりも32%削減することになった。火力発電を減らし、太陽光発電および風力発電や、エネルギー効率を高める技術に出資していく政策である。

米環境保護庁によると、米国における温室効果ガスの排出のうち、31%は電力部門が占める。交通による排出は27%であった。

オバマ政権は、ガソリン駆動のエンジンから電気自動車や水素燃料電池モデルへの転換を奨励してきた。

米国で販売される自動車には、企業平均燃料基準(CAFE Standards)が適用されている。オバマ大統領によって強化された同基準では、自動車メーカーは2025年までに1ガロン当たり54.5マイルへと燃料効率を上げなければならない。2009年、移動手段の開発、バッテリー製造、高速鉄道の整備等のために、7870億米ドルの予算から240億米ドルが確保された。

米政治メディア「ポリティコ(Politico)」によると、オバマ大統領の側近は、共和党優位の議会においては、今回の提案を実行するのは難しいと考えている。側近は「私たちは、現在の議会における見込みについては、現実的でいる。しかし、私たちは議論を変えることができると考えている」と述べたという。

オバマ米大統領による「21st Century Clean Transportation Plan」には、以下の内容が含まれる見込みである。

・交通量を減らすために、年間200億米ドルの予算を追加する。主要地域を横断する高速鉄道を整備する。都市、郊外、農村地域の交通システムを拡大することにより、航空機による移動を減らす。米国の貨物輸送システムを現代化する。磁気浮上などの地面を接触しない移動技術に投資する。

・州政府および地方政府が地域移動計画を発展させるために、年間100億米ドルを出費する。電気自動車の充電スポット、および水素燃料補給所に投資することも含む。公共交通網の使用を奨励し、自転車や徒歩で移動をしやすくする。

・自己駆動車の試験プログラムを立ち上げるために、年間20億米ドル以上を出費する。クリーンな自動車や航空機の研究開発を後押しする。

*この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。(原文: MARIA GALLUCCI 記者「Obama To Propose $10-A-Barrel Tax On Oil To Fund Clean Energy Projects」)