スイス中銀、予想されるECB緩和への対応に注目

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スイスフラン札

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ロイター

欧州中央銀行(ECB)が10日の理事会で追加金融緩和に動くとの予想が広がっている中で、スイス国立銀行(中央銀行)はスイスフラン高を抑えるために何らかの対応を迫られる可能性がある。17日に次回会合を予定しているスイス中銀がどう動くかについて、いくつかの想定される政策の選択肢を以下に記した。

<追随利下げ>

ECBが中銀預金金利を10ベーシスポイント(bp)引き下げてマイナス0.40%とすれば、スイスのマイナス0.75%という政策金利水準に接近し、スイスフランのユーロに対する魅力が高まることになる。

スイス中銀はさらに利下げできる余地はあると表明しており、エコノミストの間では実際にマイナス金利幅をどこまで拡大できるかあれこれと予想が広がっている。

セント・ギャラー・カントナルバンクの最高投資責任者、ThomasStucki氏は「今の状況が続くようなら、中銀が3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の誘導目標を下げる可能性は排除できない。(しかし)マイナス金利上のどの地点で中銀が痛みを感じるかを言い当てるのは難しい」と話した。

<外為市場介入>

中銀は何年にもわたってフラン押し下げのために積極的に介入する意思を示してきた。エコノミストからも、介入が対応策の第一番目になるとの声が聞かれる。具体的には1ユーロ=1.07─1.08フランとみられる中銀の許容上限を超えてフラン高ユーロ安が進んだ場合、介入が実施されそうだ。9日午後のユーロ/フランは1.097フラン。

ベルン大学のエルンスト・バルテンシュペルガー名誉教授は「中銀はフラン高抑制が必要な事態になれば、為替市場介入に主に頼ることになる。ただ、本当に大規模介入が求められる展開になるかどうかはわからない」と述べた。

クレディ・スイスのエコノミスト、マキシム・ボテロン氏も、中銀は利下げよりも介入を利用するとしながらも、もしもECBがフラン上昇につながるような予想外に大胆な緩和を打ち出せば、スイスでも中銀預金金利が引き下げられる可能性があるとの見方を示した。

<マイナス金利除外範囲の縮小>

スイス中銀のジョルダン総裁は2月に、中銀預金のうちマイナス金利適用除外とする範囲を狭めてフラン安に誘導する可能性を示唆した。

こうした措置は、銀行が顧客にマイナス金利の負担を転嫁し、たんす預金が増えるなど好ましくない結果が生じる恐れはあるものの、一部の市場関係者は追加利下げよりも望ましいとみている。

スイスクオートのアナリスト、アルノー・マセ氏は「ユーロ/フランが1.07フランよりもフラン高に振れるなら、マイナス金利適用除外範囲の縮小があると予想している。これは他に比べれはコストが小さい政策手段だ」と指摘した。

<サプライズ>

スイス中銀は過去2回の利下げについて、定例会合以外の時期に発表した。また市場で「フランショック」と称された対ユーロのフラン相場上限撤廃も、2014年12月の定例会合から1カ月後に打ち出された。